常磐線(3)地震と津波で激しく壊れた小名浜付近

 常磐線いわき付近の取材は、4月下旬の月曜日だった。郡山在住の知人に運転を頼み、ところどころ段差ができていた磐越自動車道でいわきに向かった。福島臨海鉄道の小名浜駅に着いたのはお昼前。ヤードの海側にある商業施設も津波で激しく壊れていた。隣の小名浜港の岸壁や防波堤に数艘の船が乗り上げたまま。地震津波から1ヶ月半以上が経過し、片付けが進んでいたものの、その光景に撮影を躊躇したほど。
 美空ひばりの歌や『喜びも悲しみも幾年月』で有名な塩屋埼灯台付近を走り、久ノ浜に向かった。久ノ浜のいわき寄りには地震発生時に停車したままの列車が残留しているはずだった。車が久ノ浜に近づくと線路上に415系4両編成が停まっているのが見えた。車両に近づいて見ると、車輪は線路にしっかりと留められていた。国道6号を挟んだ海側の家屋は津波被害に遭っていた。
 さらに車を進め、原発30km圏に近づくにつれ、人も車も少なくなってきた。広野駅周辺はほとんど人影もなくなり、自治体や自衛隊の車を時折見かける程度。広野駅前には誰もいなかった。この駅にも415系4両編成が停車したままになっていた。常磐線の写真は写真サイトで公開しているので、そちらもご覧いただきたい。
 この時不通だった四倉~広野は10月10日、7ヶ月ぶりに運転を再開した。


小名浜駅駅舎の建物はかろうじて残った 撮影/編集部 4月25日


小名浜駅の海側はアクアマリン(写真左奥)や商業施設などが整備されていた 撮影/編集部 4月25日


小名浜から延びる工場引き込み線 撮影/編集部 4月25日


小名浜港の防波堤に乗り上げた船 撮影/編集部 4月25日


久ノ浜付近に停車したままの415系4両編成 撮影/編集部 4月25日


常磐線 <投稿日:2011年10月20日>
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