常磐線(1)津波をまともに受けたコンテナ列車

 作家の川本三郎さんが『東京人』に連載している「東京つれづれ日誌」で、本誌を取り上げてくださった(11月号)。書影まで添えてあり、「鉄道への愛情には敬服する」と、これ以上ない励みのお言葉を頂戴した。ありがとうございました。
 さて常磐線はいわき~広野が10月10日に運転再開、亘理~岩沼は4月12日に再開しており、現在広野~亘理が不通で、移転問題などもありいまだに再開の見込みはたっていない。
 亘理から南は相馬まで、ほぼ津波の被害を受け、一部区間は線路がはずされ道路に転用されているところもある。鉄道ファンとしては気が気ではない。浜吉田~山下では札幌貨物ターミナル発隅田川行きの貨物92列車が、地震で停止後津波に襲われる。牽引機のED75は線路上に踏みとどまったものの、20両編成のコンテナは付近の住宅地に散乱した。
 運転士への直接取材は叶わなかったが、「JR貨物労組対策本部情報 第9号」には、この92列車の運転士の生々しい証言が掲載されている。「機関車も大きく揺れ、必死につかまり、何とか津波をやり過ごしたが、目の前で民家や車が流されていくのを見て、この世のものと信じられなかった」。このあと運転士は首まで海水に浸かりながら難を逃れる。詳しくは次のアドレスを参照(http://www.jrfu.net/)。さらに「新潮ライブ」に動画もアップしているので、そちらもご覧いただきたい。


散乱したコンテナは牽引機ED75の停止位置近くに集められた撮影/編集部 5月27日


機関車の乗っているレール以外はすべて撤去されている 撮影/編集部 4月29日


車体にはうっすらと津波の跡が残っている 撮影/編集部 5月27日


常磐線 <投稿日:2011年10月13日>
Trackback



ShinchoLive!







ページの先頭へ戻る