大船渡線(3)春になると桜が咲く駅、細浦
大船渡線には少なくとも1度以上乗ったことがある。にもかかわらずこの細浦駅の存在を知らなかった。細浦の町は大船渡湾の一郭にある小さな浦にある。小さな湾は、太平洋から大船渡湾に侵入した津波が見過ごしてもおかしくない向きに湾入している。
瓦礫の町を進んで駅前に辿り着く。駅舎はなく、作業用のプレハブ小屋が建っていた。ホームに上がると元下り線側に大きな桜の木が目に入る。大きな木が3本、花は散ったばかりだった。大船渡方、陸前高田方にも大きな屋根が流れ着いた。
ゆったりとしたカーブに国鉄時代のホーム、桜の木があり、春になると桜が咲く田舎の駅。この駅を知らなかったことは、鉄道ファンとしてちょっと恥ずかしいな、と思わせられる細浦駅の佇まいであった。
津波で消失前の駅舎 撮影/梅澤直氏
電話ボックスと郵便ポストが残っていた 撮影/編集部 5月28日
桜が咲いて、列車が来れば、絵はがきになりそうな風景 撮影/編集部 5月3日
国鉄時代の面影を残すホームには、かろうじて待合室が残った 撮影/編集部 5月3日
線路はめくれ、車が突き刺さり、町並みはなくなった 撮影/編集部 5月3日
大船渡方面を望む。線路はかろうじて残った 撮影/編集部 5月3日
大船渡線
<投稿日:2011年07月28日>
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