3月11日の地震から間もなく、義捐金の募集が全世界で始まりました。津波の映像が世界の人々に「何かしないといられない」という気持ちを起こさせたのでしょう。私も「何かしなきゃ」と思ったひとりです。できれば鉄道ファンとして、鉄道の復興に貢献できることがないか。そう思っていたところに原武史さんから電話があり、「三陸鉄道の切符を買おうと思うんですよ」と言う。なるほど、切符を買えば確実に三陸鉄道の収入になる。何枚買うつもりなのかその時は聞きそびれてしまった。
　原さんの2日後に三陸鉄道を訪れる予定だったので、三陸鉄道の冨手さんに原さんが何枚買ったか聞いてみた。「えっ、1000枚！」。宮古・小本間600円（通常運賃750円を現在割引している）×1000枚買ったらしい。いきさつについては、東京新聞5月30日付に原さんのインタビューが出ている。

　原さんには及ばないものの、私も大量の切符を買わせてもらいました。写真はその切符です。三陸鉄道は地震後、3月16日には久慈～陸中野田、20日には宮古～田老（たろう）に無料列車を走らせ、29日には宮古～小本、久慈～陸中野田で営業運転を再開した。鉄道は列車が走ってこそ鉄道。列車が通えば、線路は宮古へ、盛岡へ繋がっているんだと安心できる。





小本駅に停車中の三陸鉄道の列車　撮影／編集部　4月30日