新潮社の沿革

Ⅳ 挑戦

1996年〜現在

一覧

第4代・佐藤隆信(1956~)

激変する時代と共に

1996
(平成8年)

創立100周年

100周年を機に佐藤隆信が社長となる。前社長の佐藤亮一は会長に就任。『新潮社一〇〇年図書総目録』を刊行し、11月には記念祝賀パーティを催した。

コンビニ向けの「新潮pico文庫」を創刊(創刊8冊)

「新潮」7月臨時増刊号『新潮名作選 百年の文学』を発行

「大江健三郎小説」全10巻、「竹西寛子著作集」全5巻別冊1、「新潮日本美術文庫」全45冊、「美術館へ行こう」全12巻の刊行開始

乃南アサ『凍える牙』(新潮ミステリー俱楽部、第115回直木賞)、坂東眞砂子『山妣』(新潮書下ろしエンターテインメント、翌年第116回直木賞)を刊行

1997
(平成9年)

「アウト・オブ・フォトグラファーズ」を創刊

「nicola」が季刊誌として創刊

神戸連続児童殺傷事件で「FOCUS」と「週刊新潮」が少年Aの写真を掲載

創立100年記念出版「安部公房全集」全30巻の刊行開始

「吉行淳之介全集」全15巻の刊行開始

辻仁成『海峡の光』(第116回芥川賞)、宮城谷昌光『楽毅』(1・2 続く3は1998年、4は1999年刊)、重松清『ナイフ』を刊行

「新潮文庫の100冊」フェアにパンダの新キャラクター「Yonda?」が登場

AD 大貫卓也

1998
(平成10年)

「新潮45」3月号で「堺市通り魔事件」の犯人少年を実名報道(批判する弁護士たちから訴訟を起こされたが、高裁で勝訴確定)

「新潮クレスト・ブックス」創刊

第一弾はエリック・フォスネス・ハンセン『旅の終わりの音楽』(村松潔訳)、キャスリン・ハリソン『キス』(岩本正恵訳)。特別編集のムック『来たるべき作家たち 海外作家の仕事場1998』も併せて刊行。

「新潮」8月号で23歳の無名の新人・平野啓一郎の「日蝕」を巻頭一挙掲載(翌年第120回芥川賞を受賞)

「新潮45」9月号別冊で中田英寿編集長『アッカ!!』を発行

「月刊アクトレス」創刊

「住井すゑ作品集」全8巻の刊行開始

町田康『夫婦茶碗』、高沢皓司『宿命 「よど号」亡命者たちの秘密工作』、吉村昭『生麦事件』、小野不由美『屍鬼』(上・下 新潮書下ろしエンターテインメント)、柳美里『ゴールドラッシュ』、『星新一ショートショート1001』(全3冊)を刊行

1999
(平成11年)

山崎豊子『沈まぬ太陽』(全5冊)を刊行

江藤淳が自死(7月21日)、「新潮」9月号で「追悼江藤淳」、10月号で「追悼特集 江藤淳 人と文学」を掲載する

音楽雑誌「グラモフォン・ジャパン」創刊(~2001年)

「遠藤周作文学全集」全15巻、「ジョン・アーヴィング・コレクション」全7巻の刊行開始

高井有一『高らかな挽歌』(純文学書下ろし特別作品)、清岡卓行『マロニエの花が言った』(上・下)、渡辺淳一『かりそめ』、江藤淳『漱石とその時代』第五部(新潮選書)を刊行

2000
(平成12年)

「nicola」月刊化(4月号)

小中学生向けのファッション誌として1997年に創刊。隔月刊化を経て、この年から月刊化。中学生のライフスタイル全般を扱う雑誌として人気を博す。

「ENGINE」創刊(10月号)

月刊の自動車雑誌として創刊。ファッションや時計も扱うライフスタイルマガジンとしてファンをつかむ。

日本初のスポーツ年鑑『WINNERS(ウィナーズ)』を刊行

「新潮OH!文庫」創刊

創刊ラインアップとして、TDL研究会議『ディズニーランド101の謎』、織田淳太郎『巨人軍に葬られた男たち』、幕内秀夫『粗食のすすめ』など51冊を一挙刊行。

「RACCO BOOKS」創刊

「武満徹著作集」全5巻、「決定版 三島由紀夫全集」全42巻補巻1別巻1、「吉本ばなな自選選集」全4巻の刊行開始

つんく『LOVE論』、サイモン・シン『フェルマーの最終定理』(青木薫訳)、ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(松永美穂訳 新潮クレスト・ブックス)、トマス・ハリス『ハンニバル』(上・下 高見浩訳 新潮文庫)、乙川優三郎『五年の梅』(第14回山本周五郎賞)、重松清『ビタミンF』(第124回直木賞)を刊行

PC向けの電子書籍配信サイト「電子文庫パブリ」(出版社8社による共同事業)がスタート

2001
(平成13年)

「週刊コミックバンチ」創刊(5月29日号)(~2010年)

新潮社初の漫画雑誌への挑戦として創刊した週刊青年漫画誌。2010年に休刊し、コミックへの取り組みは月刊誌として再出発。

前社長(第3代社長)佐藤亮一死去(享年77)

「新潮」4月臨時増刊号『小林秀雄 百年のヒント』を発行

「瀬戸内寂聴全集」全20巻(没後に5巻が追加され、全25巻)、生誕100年記念「小林秀雄全集」全14巻別巻2補巻3、「塩野七生ルネサンス著作集」全7巻、「白洲正子全集」全14巻別巻1、「司馬遼󠄁太郎が考えたこと」全15巻の刊行開始

書店員の工夫から火がつき、テリー・ケイ『白い犬とワルツを』(兼武進訳 新潮文庫、1998年刊)がベストセラーに

城山三郎『指揮官たちの特攻』、梨木香歩『西の魔女が死んだ』(新潮文庫)、ドナルド・キーン『明治天皇』(上・下 角地幸男訳)、畠中恵『しゃばけ』(第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞)を刊行

2002
(平成14年)

小林秀雄賞、新潮ドキュメント賞を新設

新潮学芸賞は廃止し、2賞を新たに新設。第1回小林秀雄賞は橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(新潮社)、斎藤美奈子『文章読本さん江』(筑摩書房)、第1回新潮ドキュメント賞は高木徹 『ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争』(講談社)。

「女による女のためのR-18文学賞」を新設

季刊誌「考える人」創刊

「小林秀雄全作品」全28集別巻4の刊行開始

村上春樹『海辺のカフカ』(上・下)、水村美苗『本格小説』(上・下)を刊行

携帯電話向けの「新潮ケータイ文庫」がスタート

2003
(平成15年)

「新潮新書」創刊 養老孟司『バカの壁』がベストセラーに

新書創刊ブームの最後発と言われたが、創刊ラインアップ10冊は書店ランキングを独占、その1冊であった養老孟司『バカの壁』が400万部を超えるベストセラーとなる。

「星野道夫著作集」全5巻、「山崎豊子全集」全23巻+第二期全4巻の刊行開始

舞城王太郎『阿修羅ガール』(第16回三島由紀夫賞)、蓮󠄀池透『奪還』、石田衣良『4TEEN』(第129回直木賞)、小川洋子『博士の愛した数式』、江國香織『号泣する準備はできていた』(第130回直木賞)を刊行

2004
(平成16年)

小川洋子『博士の愛した数式』が第1回本屋大賞に

書店員による手作りの賞「本屋大賞」の第1回で小川洋子『博士の愛した数式』が受賞。

「小説新潮」3月臨時増刊『警察小説大全集』を発行

JTBで発行していた「旅」を新創刊(5月号)(~2012年)

「辻邦生全集」全20巻の刊行開始

養老孟司『死の壁』(新潮新書)、恩田陸『夜のピクニック』、茂木健一郎『脳と仮想』(第4回小林秀雄賞)、中野独人『電車男』を刊行

2005
(平成17年)

藤原正彦『国家の品格』(新潮新書)を刊行

画期的な日本論として発売直後から注目され、2006年元旦の新聞広告でさらに火が付き、250万部を超えるベストセラーとなった。「品格」というタイトルもブームに。

「新潮」創刊100周年記念別冊『名短篇』を発行

第2回本屋大賞を恩田陸『夜のピクニック』が受賞し、新潮社が2年連続となる

「阿川弘之全集」全20巻の刊行開始

佐藤優『国家の罠』、垣根涼介『君たちに明日はない』(第18回山本周五郎賞)、梯久美子『散るぞ悲しき』(第37回大宅壮一ノンフィクション賞)、中村文則『土の中の子供』(第133回芥川賞)、今野敏『隠蔽捜査』、竹内一郎『人は見た目が9割』(新潮新書)を刊行

2006
(平成18年)

「nicola」の姉妹誌で、小学生向けのファッション雑誌「ニコ☆プチ」創刊

季刊の小説誌「yom yom」創刊

15年にわたって毎年1冊ずつ書下ろされた塩野七生「ローマ人の物語」全15巻が完結

養老孟司『超バカの壁』(新潮新書)を刊行

『人は見た目が9割』『国家の品格』と併せて新潮新書がベストセラーランキング上位を席捲

「ガルシア = マルケス全小説」全9冊の刊行開始

佐藤優『自壊する帝国』(第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞)、三浦しをん『風が強く吹いている』、恩田陸『中庭の出来事』(第20回山本周五郎賞)を刊行

2007
(平成19年)

『新潮日本語漢字辞典』を刊行

「漢字は日本語である」というコンセプトが共感を呼び、辞典では異例の売れ行きとなる。

福田ますみ『でっちあげ』(第6回新潮ドキュメント賞)、松井秀喜『不動心』(新潮新書)、最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』、上橋菜穂子『精霊の守り人』(新潮文庫)、今野敏『果断 隠蔽捜査2』(第21回山本周五郎賞)、岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)、佐々木譲『警官の血』(上・下)、阿川弘之『大人の見識』(新潮新書)、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』(第21回山本周五郎賞)を刊行

2008
(平成20年)

伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』が第5回本屋大賞を受賞

「日本鉄道旅行地図帳」全12冊の刊行開始

小林多喜二『蟹工船・党生活者』(新潮文庫)が突如ブームとなり60万部を大増刷

城山三郎『そうか、もう君はいないのか』、井上荒野『切羽へ』(第139回直木賞)、門田隆将『なぜ君は絶望と闘えたのか』、五木寛之『人間の覚悟』(新潮新書)を刊行

2009
(平成21年)

村上春樹『1Q84』を刊行

この年BOOK1、BOOK2を、翌2010年にBOOK3を刊行。ベストセラーとなり、社会現象にもなった。

「隆慶一郎全集」全19巻の刊行開始

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫、2008年刊)が大ブレイク

蓮󠄀池薫『半島へ、ふたたび』(第8回新潮ドキュメント賞)、磯﨑憲一郎『終の住処』(第141回芥川賞)、内田樹『日本辺境論』(新潮新書、新書大賞2010)、東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)を刊行

2010
(平成22年)

「Foresight」が紙の会員制情報誌としては4月号で休刊し、9月より有料ウェブサイトとして再スタート

「トマス・ピンチョン全小説」全13冊の刊行開始

桐野夏生『東京島』(新潮文庫)が大ヒット

窪美澄『ふがいない僕は空を見た』(第24回山本周五郎賞)、赤染晶子『乙女の密告』(第143回芥川賞)、辻村深月『ツナグ』、薮中三十二『国家の命運』(新潮新書)を刊行

単行本新刊の電子書籍化を本格始動

2011
(平成23年)

「月刊コミック@バンチ」創刊(3月号)

「週刊コミックバンチ」を休刊し、月刊誌として再出発。新潮社のコミックならではのヒット作が続々生まれている。2018年からは「月刊コミックバンチ」に誌名変更。

西村賢太「苦役列車」、朝吹真理子「きことわ」が第144回芥川賞を同時受賞

「ドナルド・キーン著作集」全15巻別巻1の刊行開始

髙橋秀実『ご先祖様はどちら様』(第10回小林秀雄賞)、溝口敦『暴力団』(新潮新書)、増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(第43回大宅壮一ノンフィクション賞、第11回新潮ドキュメント賞)、石井光太『遺体』、小澤征爾・村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』(第11回小林秀雄賞)を刊行

沼田まほかる『九月が永遠に続けば』(新潮文庫、2008年刊)に注目が集まり、60万部を大増刷

2012
(平成24年)

原田マハ『楽園のカンヴァス』(第25回山本周五郎賞)、小野不由美『残穢』(第26回山本周五郎賞)、宮部みゆき『ソロモンの偽証』(Ⅰ~Ⅲ)、髙橋秀実『「弱くても勝てます」』、蓮󠄀池薫『拉致と決断』、湊かなえ『母性』、朝井リョウ『何者』(第148回直木賞)を刊行

辻村深月『ツナグ』が文庫化、ベストセラーに

Amazon Kindleの日本版サービス開始と同時に、Kindleでの電子書籍配信をスタート

2013
(平成25年)

セレクトサイト「Book Cafe 矢来町ぐるり」がスタート

女性誌「ROLa」創刊(9月号 隔月刊)(~2016年)

ウェブコミックサイト「くらげバンチ」がスタート

季刊コミック誌「ゴーゴーバンチ」創刊(~2018年)

「山本周五郎長篇小説全集」全26巻の刊行開始

藤野可織『爪と目』(第149回芥川賞)、和田竜『村上海賊の娘』(上・下)、清水潔『殺人犯はそこにいる』(第67回日本推理作家協会賞、第13回新潮ドキュメント賞)、手嶋龍一・佐藤優『知の武装』(新潮新書)、山田太一『月日の残像』(第13回小林秀雄賞)を刊行

越谷オサム『陽だまりの彼女』(新潮文庫、2011年刊)が映画化で大増刷

2014
(平成26年)

「新潮文庫」創刊100年 「新潮文庫nex」創刊

新潮文庫創刊から100年を記念して、キャラクター小説に特化した新レーベル「新潮文庫nex」を創刊。創刊ラインアップの河野裕『いなくなれ、群青』が大ヒット。

「la kagū」オープン

隈研吾氏の設計で倉庫をリノベーションし、商業施設としてオープン。「奥神楽坂」の新たな人気スポットとして注目を集める。

和田竜『村上海賊の娘』(上・下)が第11回本屋大賞を受賞

小山田浩子『穴』(第150回芥川賞)、山崎豊子『約束の海』、米澤穂信『満願』(第27回山本周五郎賞)、湊かなえ『豆の上で眠る』、古市憲寿『だから日本はズレている』(新潮新書)、辻村深月『盲目的な恋と友情』、養老孟司『「自分」の壁』(新潮新書)を刊行

米澤穂信『満願』が年末のミステリーランキングで3冠に輝く

2015
(平成27年)

ニュースサイト「デイリー新潮」がスタート

湊かなえ『母性』が文庫化、ベストセラーに

「吉村昭 昭和の戦争」全6巻、塩野七生「ギリシア人の物語」全3巻の刊行開始

『山崎豊子 スペシャル・ガイドブック』、村上春樹『村上さんのところ』、百田尚樹『大放言』(新潮新書)、つんく♂『「だから、生きる。」』、森田真生『数学する身体』(第15回小林秀雄賞)、筒井康隆『モナドの領域』を刊行

「新潮文庫の100冊」フェアに「キュンタ」が登場

2016
(平成28年)

「新潮」4月号掲載の蓮󠄀實重彥「伯爵夫人」が第29回三島由紀夫賞を受賞

新潮文庫の畠中恵「しゃばけ」シリーズが、第1回吉川英治文庫賞を受賞

石井妙子『原節子の真実』(第15回新潮ドキュメント賞)、橘玲『言ってはいけない』(新潮新書、新書大賞2017)、トーン・テレヘン『ハリネズミの願い』(長山さき訳、第6回本屋大賞翻訳小説部門第1位)、二宮敦人『最後の秘境 東京藝大』、佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』(第30回山本周五郎賞)、梯久美子『狂うひと』(第68回読売文学賞評論・伝記賞、第67回芸術選奨文部科学大臣賞、第39回講談社ノンフィクション賞)、山下澄人『しんせかい』(第156回芥川賞)を刊行

2017
(平成29年)

村上春樹『騎士団長殺し』を刊行

「第1部 顕れるイデア編」「第2部 遷ろうメタファー編」を同時刊行、7年ぶりの長編に注目が集まる。

新潮文庫の今野敏「隠蔽捜査」シリーズが、第2回吉川英治文庫賞を受賞

「yom yom」が44号より電子書籍版に移行

「考える人」が60号でウェブサイトに移行

「ナボコフ・コレクション」全5冊の刊行開始

住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』、柚木麻子『BUTTER』、川上未映子・村上春樹『みみずくは黄昏に飛びたつ』、又吉直樹『劇場』、燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』、宿野かほる『ルビンの壺が割れた』、宮部みゆき『この世の春』(上・下)、伊坂幸太郎『ホワイトラビット』、古川勝久『北朝鮮 核の資金源』(第17回新潮ドキュメント賞)を刊行

矢部太郎『大家さんと僕』を刊行、翌年にかけてベストセラーとなる

2018
(平成30年)

宮本輝『野の春』(「流転の海」第九部)を刊行

1982年より書き続けられた大河小説がついに完結。第60回毎日芸術賞受賞。

石井遊佳『百年泥』(第158回芥川賞)、南直哉『超越と実存』(第17回小林秀雄賞)、朱野帰子『わたし、定時で帰ります。』、ジェーン・スー『生きるとか死ぬとか父親とか』、芦沢央『火のないところに煙は』、円城塔『文字渦』(第43回川端康成文学賞、第39回日本SF大賞)、宮部みゆき『宮部みゆき全一冊』、伊与原新『月まで三キロ』(第38回新田次郎文学賞)、藤原正彦『国家と教養』(新潮新書)を刊行

森下典子『日日是好日』(新潮文庫、2008年刊)が映画化され好評を博し、文庫も大増刷

2019
(平成31年・
令和元年)

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を刊行

「波」連載中から話題を呼んだノンフィクション作品。「Yahoo!ニュース本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞」をはじめ数々の賞を受賞し、ベストセラーとなった。

小野不由美『白銀の墟 玄の月』(新潮文庫 全4巻)を刊行

「十二国記」シリーズの18年ぶりとなるオリジナル長編。刊行自体が社会現象となり、「Yahoo!検索大賞 2019 小説部門賞」を受賞。4巻で250万部を超えた。

宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)を刊行、翌年にかけてベストセラーとなる

町屋良平『1R1分34秒』(第160回芥川賞)、横山秀夫『ノースライト』、ヨシタケシンスケ『思わず考えちゃう』、平山周吉『江藤淳は甦える』(第18回小林秀雄賞)、今村翔吾『八本目の槍』、岩井勇気『僕の人生には事件が起きない』、辻村深月『ツナグ 想い人の心得』、早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』(第33回山本周五郎賞)を刊行

2020
(令和2年)

アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(久山葉子訳 新潮新書)を刊行、ベストセラーとなる

コロナ禍でカミュ『ペスト』(宮崎嶺雄訳 新潮文庫)が注目され増刷を重ねる

おおのこうすけ『極主夫道』(バンチコミックス)がテレビドラマ化され大ヒット

斎藤環・與那覇潤『心を病んだらいけないの?』(新潮選書、第19回小林秀雄賞)、永井紗耶子『商う狼』(第40回新田次郎文学賞)、ヨシタケシンスケ『欲が出ました』、高山羽根子『首里の馬』(第163回芥川賞)、山本文緒『自転しながら公転する』、加藤シゲアキ『オルタネート』、石井光太『こどもホスピスの奇跡』(第20回新潮ドキュメント賞)を刊行

2021
(令和3年)

創立125周年
  

宮城谷昌光『公孫龍 巻一 青龍篇』、朝井リョウ『正欲』、林真理子『小説8050』、道尾秀介『雷神』、矢部太郎『ぼくのお父さん』、玉岡かおる『帆神』(第41回新田次郎文学賞)、竹内康浩・朴舜起『謎ときサリンジャー』(新潮選書、第21回小林秀雄賞)、葉真中顕『灼熱』、西加奈子『夜が明ける』、アンデシュ・ハンセン『最強脳』(久山葉子訳 新潮新書)、川村元気『神曲』を刊行

2022
(令和4年)

浅田次郎『母の待つ里』、梶よう子『広重ぶるう』(第42回新田次郎文学賞)、結城真一郎『#真相をお話しします』、アンデシュ・ハンセン『ストレス脳』(久山葉子訳 新潮新書)、千早茜『しろがねの葉』(第168回直木賞)、沢木耕太郎『天路の旅人』、橘玲『バカと無知』(新潮新書)を刊行

2023
(令和5年)

第168回芥川賞を佐藤厚志『荒地の家族』、直木賞を千早茜『しろがねの葉』が同時受賞。さらに第169回直木賞を永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』が受賞(第36回山本周五郎賞とのW受賞)し、直木賞は2期連続の受賞に

村上春樹『街とその不確かな壁』を刊行、6年ぶりの長編で、「長く封印してきた物語」とあって大きな話題に

杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』(新潮文庫nex)が「紙の本ならではの読書体験」として注目を集める

バンチコミックスに女性向け新レーベル「コラル」誕生

宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』、平野啓一郎『三島由紀夫論』(第22回小林秀雄賞)、三浦しをん『墨のゆらめき』、坂本龍一『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』、カン・ミョンソク/BTS『BEYOND THE STORY』(桑畑優香監訳)、小田雅久仁『禍』、小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を刊行

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