【特集】新春短編宝箱
佐藤賢一/江國香織/辻村深月/桜木紫乃/窪 美澄/芦沢 央/南 杏子/義井 優/宮島未奈/篠田節子
小説新潮 2025年1月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2024/12/20 |
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JANコード | 4910047010152 |
定価 | 特別定価1,100円(税込) |
【特集】新春短編宝箱
◆辻村深月/ご縁の心得 ツナグ
――亡き妻が遺した書き込み。もしかして彼女は自分に――
◆佐藤賢一/滝太郎 釣り侍
――娘婿になる男と、なぜか山奥に怪魚を探しに行くことに
◆江國香織/新しいフェーズ
――世のなかはわからない。世界は、様子を変えるのだから
◆桜木紫乃/グレーでいいじゃない
――ジャズピアニストの息子を喪ったあと、母が奏でるのは
◆窪 美澄/柘榴色の雪
――菜乃子が死んで十二年。ずっと彼女を思い続けている
◆芦沢 央/死の博物館
――あの本の刊行の裏で姿を消した榊さんと、実は私は今も
◆南 杏子/琥珀色のステップ
――気づいたら、施設にいた。これは恐れていたガシャンだ
◆義井 優/シンドバッドの恋
――ネイルサロンに飛び込んできた男子高校生の目的は?
◆宮島未奈/実家が北白川
――京大の構内で、達磨を転がし鍋を囲む集団。私は無論
◆篠田節子/遺品部屋
――金も希望も失った。遺るは、海辺の朽ちたマンションだけ
【緊急特集】いまなぜ秋山竜次なのか
〈独占ロングインタビュー〉
◆ロバート・秋山竜次/激白 北九州の悪童、世に憚る。~Born in the North 9 state~
――ヤァ!ヤァ!ヤァ! ロバート秋山が小説誌に初登場! いま最も旬な男のジャンクでラジカルな生き様を見よ
◆新春! 雰囲気短歌教室
feat. 小川 哲 一穂ミチ 岡本真帆 桜木紫乃 浅倉秋成
――秋山さつき先生と、五人の言葉の遣い手が真っ向勝負!
〈「俺のメモ帳」公開録音観戦記〉
◆BABUとカヌレとパーテーション
――一日限りの伝説のステージ。その全容が今明らかに――
【皇室女性の手記、待望のコミカライズ】
◆彬子女王×池辺 葵/赤と青のガウン
――憧れていた道は、決して平坦ではなかった――抒情あふれる絵で綴られる留学記
〈特別エッセイ〉
◆彬子女王/点と点が線になるキセキ
【著者新境地の新連載】
◆あさのあつこ/シクヌノ
――徳川の世が終わる。一人の少年に突きつけられたのはシクヌノ――生きることだった
【「しゃばけ」シリーズ第24弾、始動】
◆畠中 恵/ふゆのひ
――寒~い江戸にやってきたのは、雪女と天狗!? 若だんな達は馴染みの妖、黒羽坊を守れるか
【連載第二回】
◆酒井順子/ヒノエウマってどんな馬?
――丙午生まれの女性――あなたは誰を思い浮かべますか?
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆角幡唯介/43歳頂点論
◆くどうれいん/くどうのいどう
◆西原理恵子/ねこいぬ漫画かき
◆東村アキコ/おんな追分
◆ワクサカソウヘイ/現実クエスト攻略記
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉関かおる
〈あのとき聴いた音楽〉須藤アンナ
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
◆朝井まかて/少女時代
◆伊吹有喜/灯りの島
◆恩田 陸/追憶の五重奏
◆桐野夏生/ダークネス 最終回
◆今野 敏/分水 隠蔽捜査11
◆白尾 悠/羽根は、青
◆長浦 京/ソリスタ
◆早見和真/ハンセイ
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち 第二部完
◆結城真一郎/ある夏の日のABC
「日本ファンタジーノベル大賞2026」募集要項
第十二回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告
この号の誌面
編集長から
辻村深月「ツナグ」最新作&ロバート秋山が登場
新年号恒例の読み切り特集、いずれ劣らぬ傑作一〇篇のうち人気シリーズの最新作をご紹介。辻村深月さんの「ツナグ」新作は、連れ合いに先立たれた夫が主人公。妻の手帳にあった使者の番号に電話を掛けるも、思いもよらない答えが返ってきて……大人の悲哀と希望に満ちた短編です。芦沢央さんからは、実話怪談とミステリのハイブリッド小説『火のないところに煙は』の続編が届きました。これは虚構なのか、それとも――。宮島未奈さんの新作では、成瀬あかりが京都の街をキュートに歩き回ります。
大河ドラマからものまね芸まで、縦横無尽の活躍を見せるロバート・秋山竜次さんが気になりすぎる! と、緊急特集を敢行。ロングインタビューと撮りおろしグラビアの他、小説誌らしく直木賞作家や歌人とのコラボレーションを披露します。
彬子女王殿下のベストセラー『赤と青のガウン』が、池辺葵さんの筆で漫画化。女王殿下の特別エッセイも必読です。
小説新潮編集長 西麻沙子
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バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。