幻影の書
880円(税込)
発売日:2011/09/28
- 文庫
「ストーリーテラーとしての冴えが、一段高い次元に達した観のある傑作」――柴田元幸。『幽霊たち』『ムーン・パレス』をも凌ぐ新たなる代表作、文庫化。
その男は死んでいたはずだった──。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のへクター・マン。その妻からの手紙に「私」はとまどう。自身の妻子を飛行機事故で喪い、絶望の淵にあった「私」を救った無声映画こそが彼の作品だったのだから……。へクターは果たして生きているのか。そして、彼が消し去ろうとしている作品とは。深い感動を呼ぶ、著者の新たなる代表作。
書誌情報
読み仮名 | ゲンエイノショ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 432ページ |
ISBN | 978-4-10-245114-4 |
C-CODE | 0197 |
整理番号 | オ-9-14 |
ジャンル | 文芸作品、評論・文学研究 |
定価 | 880円 |
著者プロフィール
ポール・オースター
Auster,Paul
(1947-2024)1947年生れ。コロンビア大学卒業後、数年間各国を放浪する。1970年代は主に詩や評論、翻訳に創作意欲を注いできたが、1985年から1986年にかけて、『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の、いわゆる「ニューヨーク三部作」を発表。一躍現代アメリカ文学の旗手として脚光を浴びた。他の作品に『ムーン・パレス』『偶然の音楽』『リヴァイアサン』『ティンブクトゥ』『幻影の書』『ブルックリン・フォリーズ』『写字室の旅/闇の中の男』『冬の日誌/内面からの報告書』などがある。
柴田元幸
シバタ・モトユキ
1954年、東京生れ。米文学者・東京大学名誉教授。翻訳家。アメリカ文学専攻。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞。トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、『ケンブリッジ・サーカス』『翻訳教室』など著書多数。文芸誌「Monkey」の責任編集を務める。