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新潮新書

今月の編集長便り 毎月10日のメルマガで配信さている「編集長から」を「今月の編集長便り」として再録しました。こんなことを考えながら日々仕事しています。

人は何のために学ぶのか

 デジタル教育やリスキリング、読解力低下に教員不足など、「学び」をめぐる話題は日々事欠きません。生産性と効率を求められる一方で、人口減少と人手不足が深まるなか、即戦力いわばすぐに使えるコマとしての労働力を求める声も高まる一方です。
2024/10

過去・現在・未来、そして現実

 2023年、日本の出生率は1.20と過去最低を更新、沖縄県(1.60)や宮崎県(1.49)、長崎県(同)では平均を上回るものの、東京都では0.99と史上初めて1を切り、大きなニュースになりました。
 仕事や経済環境、ライフスタイルなど様々な要因を反映していることは言うまでもありませんが、お隣の韓国は0.72とまさしく「レベチ」。先進国はどこも少子化が進んでいるとはいえ、1を切っているのは韓国のみで、その一方、韓国はOECD加盟国の中で自殺率トップです。二つを考え合わせると、国民が「この社会は生きるに値しない」と考えているようにさえ見えます。『韓国消滅』(鈴置高史・著)では、朝鮮半島の"先読みのプロ"が、政治や社会状況の変遷とともに隣国の未来図を鋭く読み解きます。
2024/09

気候変動にも社会変動にもご注意を

"日傘男子"の姿もすでに当たり前、暴力的ともいえるほどの猛暑が続きます。その原因を問われれば、たいていの人は地球温暖化、解決策は脱炭素化だと答えることでしょう。8月新刊『脱炭素化は地球を救うか』(池田信夫・著)は、温暖化と脱炭素をめぐるこの定説に、根本的な疑問を突きつけます。地球が温暖化しているのは事実だが、そもそもそれは「悪いこと」か。現在、世界中で押し進められる脱炭素政策はどこまで「正しいこと」なのか――「工業化以前から気温上昇1.5度以内」のスローガン達成に要する空前の経済コストに、人類は本当に耐えられるのか――データとともに不都合な真実を提示します。
2024/08

結果をもたらすプロセスを解く

 今年も暑い夏がやってきました。そしてまた全国で、高校球児たちの熱い戦いが始まっています。ここ数年は酷暑で見ているほうが心配になる甲子園大会ですが、昨夏、107年ぶりの優勝で爽やかな旋風を巻き起こしたのが慶應高校野球部でした。
2024/07