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[創作]【新連載】瀬戸内寂聴/金原ひとみ/矢作俊彦

新潮 2010年1月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2009/12/07

発売日 2009/12/07
JANコード 4910049010105
定価 特別定価996円(税込)

創作特集

【新連載】爛/瀬戸内寂聴
命を賭け、欲望への忠誠を誓った女、大江茜。

【新連載】マザーズ/金原ひとみ
憂鬱と快楽の地獄を越え、女=母は疾走する。

【新連載】フィルムノワール/黒色影片 /矢作俊彦
ハードボイルドの極限へ。二村永爾の彷徨。

◆異国にて/河野多惠子

◆監獄のバラード/池澤夏樹

◆欄外の船/堀江敏幸

◆naraka/桐野夏生

◆さよならクリストファー・ロビン/高橋源一郎

◆デカルコマニア/長野まゆみ

◆田舎教師の独白/高村 薫

◆うちの娘/青山七恵

◆〈島〉に戦争が来た[短期集中連載・1]/加藤幸子
神話の光が照し出す、島民たちの第二次大戦。

◆下戸の超然(110枚)/絲山秋子
何かを守る、何かを喪う――生の深遠の寓話。

■連載小説
・慈雨の音(六)/宮本 輝
・俺俺(六)/星野智幸
・還れぬ家(十)/佐伯一麦
・幸福の森(二十五)/加賀乙彦

◆第42回《新潮新人賞》応募規定

■ 特別対談 ■ 詩を読む、時を眺める/大江健三郎+古井由吉
言語の精髄としての詩が私たちに伝える現在、歴史、そして永遠。最高の文学的知性による対話篇。

■ 特別対談 ■ 情報革命期の純文学/東 浩紀+平野啓一郎
劇的に加速する高度情報化社会に純文学は耐えられるのか? 文学と批評の若きエース達の初対談。

《新連載》テンス、テラー&テロワール 第一回・文芸評論家(一)/福田和也

◆◆特別原稿◆◆
・天の邪鬼マサオ・ミヨシ/柄谷行人
・高松宮殿下記念世界文化賞を受賞して/杉本博司
・エドウィン・マクレランの追悼文/水村美苗

■島尾敏雄 終戦後日記(六) 昭和二十一年八月一日―十二月三十一日

■生き延びるためのアメリカ文学(二十三)/都甲幸治
 双子の孤独――デビッド・マッズケリ『アステリオス・ポリプ』

■見えない音、聴こえない絵(七十一)/大竹伸朗

■本
・玄侑宗久『阿修羅』/春日武彦
・楊 逸『すき・やき』/鈴村和成
・舞城王太郎『ビッチマグネット』/丹生谷貴志
・鈴木貞美『「日本文学」の成立』/中島一夫
・G・ガルシア=マルケス『生きて、語り伝える』/古谷利裕

編集長から

激動の新十年紀へ
◎実現を願い続けてきた二つの対話をお届けする。〈死の恐ろしさは私の主題じゃない。それよりも、死について考えることができる、ということが面白いという気持ちになっている〉と大江健三郎氏。〈「はじめに言葉ありき」と言いますが、これを僕は「一度言葉が滅びたあとの復活のはじめ」ととるんです〉と古井由吉氏。詩を読み、訳すことの意味を自在に論ずる十三年ぶりの対話は、いつしか両氏の作家精神のもっとも根底にあるものを浮き彫りにした。そして、文学と批評の若きエースである平野啓一郎氏と東浩紀氏の初対談は、純文学への焦燥にも似た危機意識に充ちている。加速度的に進行する社会の高度情報化に純文学は耐えられるのか? 文芸誌は沈み行く舟なのか? 挑発的な議論が次々に展開された◎瀬戸内寂聴氏、金原ひとみ氏、矢作俊彦氏の新連載小説を開始。ゼロ年代は終わった。激動の新十年紀に向け、創刊一〇六年目の文芸誌は走り出す。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞