地名や駅名は「ネタの宝庫」で、これに関連した本はこれまで無数と言ってよいほど刊行されています。また本にならないまでも、個人で駅名を楽しんでいる鉄道ファンは多いのではないかと思います。この週末に「小心火車」さんが投稿された写真もその例でしょう。話題としては、時期違いのような気もしますが、実は早めに計画を立てておかないと、年末になって慌てても間に合いません。
『百駅停車』(小社刊)は相変わらずじわじわ売れています。この本の取材で筆者の杉﨑行恭さんと駅をめぐるうちに、その面白さに嵌まってしまいました。列車の撮影と違って、その場所に行けば駅はあるので、撮影には苦労はありません。しかし、何駅かを撮影しなければならないとき、夕方近くになってバタバタしはじめます。日が暮れるまでに撮り終えないと、と焦ります。
駅スタンプの嚆矢は、昭和6年の福井駅とこのブログで書きました。福井駅長考案のものだということです。では鉄道スタンプの起源となると、いったいいつのことになるのでしょうか。6月2日に「日光牛車鉄道」さんが青函航路のスタンプを投稿されています。これは昭和4年の「北海道樺太視察旅行」なるツアーの栞に押印された津軽丸のスタンプです。旅の記念にスタンプを押すという行為は、昭和6年以前からあったという証明ですね。
駅名に関する書籍は、これまで数え切れないほど出版されています。地名や姓名などとともに、いつの時代でも売れ筋であることがわかります。北海道の路線と駅について、簡潔にわかりやすく編集された書籍を最近手にしました。『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探求』(富士コンテム)というB5判の書籍です。平成16年の発行なので、10年近く前の刊行です。
『日本鉄道旅行地図帳』を企画したとき、サブタイトルとして「全線全駅」という文字を入れることは、最初から決めていました。悩みに悩んだのが、「全廃線」という文字を入れるかどうかでした。語呂もいいし、納まりもいい。鉄道をよく知る人たちに、強くアピールができる文字です。反面、編集する側の責任は重大です。最終的に、自分に「覚悟」を促す意味で、入れることにしました。