文学賞
第30回 三島由紀夫賞・山本周五郎賞 受賞作決定
5月16日(火)、第30回 三島由紀夫賞・山本周五郎賞(主催/一般財団法人 新潮文芸振興会)の選考が行われ、三島賞には宮内悠介『カブールの園』(文藝春秋)、山本賞には佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』(新潮社)が選ばれました。
山本賞受賞作の『明るい夜に出かけて』は、ラジオの深夜放送を唯一の楽しみにしながらコンビニでアルバイトをする若者が主人公の青春小説。実際に放送されていた“伝説”のラジオ番組「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」が重要な舞台装置として登場することもあって、Twitterにはこの番組のファンからのお祝いのコメントや、番組を表すハッシュタグ「#アルピーann」付きのつぶやきが急増しています。
パーソナリティをつとめたお笑い芸人アルコ&ピースも『明るい夜に出かけて』を読んで、番組への愛を感じたと語っています。6月23日(金)の贈呈式、果して彼らは来てくれるのか……?
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著者紹介
宮内悠介ミヤウチ・ユウスケ
1979(昭和54)年東京生れ。1992(平成4)年までニューヨーク在住、早稲田大学第一文学部卒。在学中はワセダミステリクラブに所属。2012年の単行本デビュー作『盤上の夜』は直木賞候補となり、日本SF大賞を受賞。2013年、『ヨハネスブルグの天使たち』も直木賞候補となり、日本SF大賞特別賞を受賞した。同年に「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」を受賞。2016年、『アメリカ最後の実験』が山本周五郎賞候補になる。2017年、『彼女がエスパーだったころ』で吉川英治文学新人賞、前年芥川賞候補となった『カブールの園』で三島由紀夫賞を受賞した。同年、『あとは野となれ大和撫子』は直木賞候補に、「ディレイ・エフェクト」は芥川賞候補に選ばれた。エンタメ、純文学の双方からその才能を注目される作家の一人である。
佐藤多佳子サトウ・タカコ
1962(昭和37)年、東京生れ。青山学院大学文学部卒業。1989(平成元)年「サマータイム」で月刊MOE童話大賞受賞。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で1998年度日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で2007年に本屋大賞、吉川英治文学新人賞、『明るい夜に出かけて』で2017年に山本周五郎賞を受賞した。著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『ハンサム・ガール』『夏から夏へ』『第二音楽室』『聖夜』など。