Yonda?Mail購読者の皆さん、こんにちは。
小学生のころ、街の小さな本屋さんで毎月買った『カラー名作 少年少女世界の文学』。発売日が近づくとそわそわし、今日はまだですかと店員さんに訊いた記憶があります。『モンテ・クリスト伯』が『巌窟王』だったり、『レ・ミゼラブル』が『ああ無情』だったり、子ども向けでタイトルすら違いますが、あのころ心に沁み込んだストーリーは、ウン十年経っても色褪せることがありません。
その『ああ無情』こと『レ・ミゼラブル』がミュージカル映画として12月21日より公開されます。一本のパンを盗んだため19年間服役し、後に改心した主人公ジャン・バルジャンを演ずるのは、『X-メン』『ヴァン・ヘルシング』でも主演のヒュー・ジャックマン。その他ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイなど、超豪華キャストによる感動の大作です。
なおヴィクトル・ユゴーの世界的名作『レ・ミゼラブル』は表紙も新しくなり、文字も大きく読みやすくなった新装版で、新潮文庫より全5巻が発売中。冬の夜長にぴったりな、感動の物語をご堪能あれ。
角田美代子容疑者とその関係者が、25年以上にわたって、数世帯の家族を長期間監禁、虐待し、数名を虐殺したとされる「尼崎連続変死事件」が今、世間を震撼させている。
ネット上では、「サザエさん一家」になぞらえた不謹慎な相関図が作られるほど、登場人物が多く、加害者と被害者の関係性があまりにも複雑でわかりにくく、この事件の有り様は、2002年3月に発覚した「北九州監禁殺人事件」に酷似している、と指摘する声が多い。
一方で、2012年11月6日には「逗子ストーカー殺人事件」が起こり、事件前に脅迫容疑で容疑者を逮捕した県警が、女性の個人情報を知らせてしまうという不手際が報道された。
これらの事件は、いかにして起こったのか? そして、なぜ未然に防ぐことができなかったのか?
今回の文庫セレクトでは、尼崎と北九州の事件が共通していることやストーカー殺人の報道を受け、犯罪撲滅や防犯対策の教訓として読まれることを期待して、過去に発覚した犯罪史上稀に見る凶悪犯罪や警察の問題点と劇的な事件の真相を追った本を取り上げました。
「尼崎連続変死事件」に酷似した戦慄の事件! |
消された一家―北九州・連続監禁殺人事件― まさに鬼畜の所業! 監禁虐待による恐怖支配で、家族同士に殺し合いをさせた殺人鬼。 七人もの人間が次々に殺されながら、一人の少女が警察に保護されるまで、その事件は闇の中に沈んでいた──。明るい人柄と巧みな弁舌で他人の家庭に入り込み、一家全員を監禁虐待によって奴隷同然にし、さらには恐怖感から家族同士を殺し合わせる。まさに鬼畜の所業を為した天才殺人鬼・松永太。人を喰らい続けた男の半生と戦慄すべき凶行の全貌を徹底取材。渾身の犯罪ノンフィクション。 |
文化庁がこの春に行った「国語に関する世論調査」によると、78.4%の人が「日本人の読む力が低下している」と感じ、全体の20.2%が「非常に低下している」と感じています。同じ調査では、「舌先三寸」なのか「口先三寸」なのか、あるいは「のべつまくなし」か「のべつくまなし」か、はたまた「二つ返事」か「一つ返事」か、間違えて使う人の方が多いこともわかりました(すべて前者が正しい)。
受験では、勉強すれば点数を伸ばしやすい英語や数学に比べて「点数を伸ばしにくい」のが国語。では、秘策はあるか? 出版社のメルマガでこれを書くと手前味噌ですが、本を読む子に国語が苦手な子は少ないように思えます。と言うと、お母さんたちによく聞かれます。「いったいどうすれば、本好きな子が育つんでしょう?」と。答えはわりと単純……
Yonda?Mail購読者の皆さん、こんにちは。
蓮池薫さんが24年におよぶ「北」での拉致・軟禁生活から帰国して10年。これまで明かされることがなかったその生活と、「北」の実情を初めて綴った『拉致と決断』が発売されました。監視下での生活、驚きの洗脳教育、絶望の淵から救った「家族の絆」、脱出への誘惑、電撃帰国の真相など、その刊行自体がニュースであり、多くのメディアで取り上げられた同書は、現在単行本ランキングの上位をキープしています。
帰国二年半後に、私は初の訳書『孤将』を出した。出版は私自身の自立への大きな第一歩となった。さらに四年後に『半島へ、ふたたび』を著した。本書の取材で韓国の地に身を置いたことは、自らの過去を断片的ながら回想するきっかけとなった。このような過程を経て今回、初めて北朝鮮での二十四年間全体に真正面から向き合えるようになった。(『拉致と決断』より)
拉致問題のみならず、日本と朝鮮半島のこれからを考える上で、蓮池さんの言葉の重さは計り知れません。多くの皆さんに知っていただきたい「現実」がそこにはあります。
幅広いジャンルの中から濡れ場のある小説をピックアップしました。
官能小説以外に、恋愛小説や時代小説、ミステリ、純文学などからも、濡れ場を描いた作品を選びましたが、ストーリーそのものは心揺り動かされる“深く底の見えない”テーマを持っています。
例えば、2012年11月17日に映画が公開される窪美澄さんの『ふがいない僕は空を見た』は、生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取り、読者の圧倒的な支持を得て本屋大賞第2位に、さらには山本周五郎賞を受賞した作品です。また、絲山秋子さんの『ばかもの』は生きること、愛することの、激しい痛みを描いた恋愛長篇であり、唯川恵さんの『とける、とろける』は底知れない性愛の深みに堕ちていく女たちを艶やかに描いた恋愛小説です。
思わずクリックされた方も、セクシャルなシーンを忌避する方も、機会があればご一読ください。きっとどこかしらが熱くなることは間違いないと思います。