Yonda?Mail購読者の皆さん、こんにちは。
「小さな、しずかな物語ですが、これは狂気の物語です。そして、いままでに私の書いたもののうち、いちばん危険な小説だと思っています」(『神様のボート』江國香織)。
骨ごと溶けるような恋をした“あのひと”が言った。「かならず戻ってきて探しだす」。その言葉を信じ関東各地を転々とさすらう葉子と、“あのひと”との不倫で生まれた娘草子の十数年。狂おしい夢に生きる母と、おとなになっていく娘の現実がぶつかるときふたりは……。静かに狂う女性の内面に分け入る。これは本当に怖ろしい小説だと思いました。
この美しくも危険な物語がNHK-BSプレミアムでドラマ化されます。主演は宮沢りえさん。なんと14年ぶりの連続ドラマ主演だとか。宮沢さんの美しくも迫真の演技に、ドラマも期待大です!
「神様のボート」(NHK-BSプレミアム 2013年3月10日(日)、17日(日)、24日(日) 午後10:00~10:49)。
Yonda?Mailにご登録いただいている読者の皆さまに〈犬や猫、イルカなど動物が登場する小説やエッセイ〉で印象に残っている本についてアンケートを取った結果を発表いたします。
『老人と海』(ヘミングウェイ・著)や『かもめのジョナサン』(リチャード・バック・著)などの名作や昨年「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」として話題になり、映画化も決まった『陽だまりの彼女』(越谷オサム・著)などがオススメされる中、最も多くの推薦があった本をご紹介いたします。
推薦コメント
夏目漱石先生の言わずと知れた名作です。これ以上の動物が主役の小説はないと思うのであえて推させて頂きました。日本の誇りだと思います。(40代女性 神奈川県)
子供時代に読んだときと、大人になってから読んでもまた違った楽しみ方ができる一冊。家に飼ってる猫と照らし合わせて読んでしまう。暖かい気持ちになります。子供にも読ませたい一冊です。(30代女性 神奈川県)
猫を通じての人間への風刺、落語や講談調の文体や知識の豊富さ等若い者から年長者まで十分に読み応えがあります。いつになってもベストセラーである最高の読み物です。(60代男性 東京都)●夏目漱石『吾輩は猫である』
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推薦コメント
とにかく、疾風(オオカミ犬)がかっこ良い!(20代女性 神奈川県)
乃南アサさんの初めて読んだ本が『凍える牙』でした。切なくて切なくて……オオカミ犬が飼い主の深い悲しみを理解してくれるのです。。。この本が縁で乃南アサさんの本をむさぼり読みました。(40代女性 東京都)
ストーリーの巧みさ、緊張感と疾走感、魅力的な主人公の、一気に読ませる本です。そして、登場する人間の誰よりも話の核となる、オオカミ犬“疾風”。気品に満ち賢く、凛として自分の意思を貫き、深い悲しみを抱えている。“疾風”は、人間の愚かさを知らしめるために舞い降りてきて、駆け抜けていった犬のように思える、そんな1冊です。(60代女性 青森県)●乃南アサ『凍える牙』
推薦コメント
高校生の時に、読書感想文用に読み始めた本。読み始めてすぐに、宿題など関係なく、どっぷりはまってしまいました。不思議な犬の愛らしさに心打たれます。(20代男性 千葉県)
ネコ派な僕ですが犬もいいなと思わせる泣ける一冊です。(30代男性 長崎県)
自分の人生の最後のほうをどのように生きていきたいか考える機会を与えてくれます。(40代男性 青森県)●テリー・ケイ 兼武進『白い犬とワルツを』
あなたにも、きっと、好きなロックバンド、ミュージシャンがいることでしょう。私にも数え切れないくらい、好きなバンドやミュージシャンがいます。
ここに、殺人事件という嵐に襲われ、崩壊寸前の人気ロックバンドをめぐる、ひとつの物語が誕生しました。
「夏の100冊」でおなじみ『ブラバン』の著者である津原さんはバンドやソロなどのスタイルで活動を続ける、現役のミュージシャンでもあります。打ち合わせの合間、ロックについて雑談するなかで、
「津原さんに、ぜひ、ロックバンドをめぐるストーリーを描いてほしい」
という気持ちが育ってゆきました。
そして、ある年の某日、その思いをお伝えしました。
音を発することのない小説というメディアから旋律を響かせるというのはいかに困難なことか。存在しないロックバンドに生命を与えることがどんなに大変か。思い返せば、乱暴無謀な依頼でした。
そして――、昨年10月末、〈クロニクル・アラウンド・ザ・クロック〉が新潮文庫の新シリーズとしてスタートしました。
第一巻『爛漫たる爛漫』の原稿を読みはじめたとき、私の耳にはロックバンド爛漫の演奏する姿が見えました。彼らが全身全霊で奏でる曲の数々が確かに聞こえました。物語が終わったとき、ギターの残響を味わいながら、しばらくデスクから動けませんでした。
ここで、主要な登場人物を紹介しましょう。
シリーズ累計「580万部」突破の畠中恵さんの大ヒット作『しゃばけ』が、この4月、ついに舞台になります! 脚本・演出は、「焼肉ドラゴン」で演劇賞を総なめにし、昨年草なぎ剛、チャン・スンウォン出演の「僕に炎の戦車を」で話題を攫った鄭義信。主演は、11年ぶりの舞台出演となる沢村一樹。そのほか、臼田あさ美・宇梶剛士・高橋光臣・マギー・山内圭哉・麻実れいら豪華キャストが結集。体は弱いが頭脳明晰な「若だんな」と、その手足となって探偵活動をする「妖(あやかし)」=妖怪たちが、所狭しと舞台を駆け回り、歌い、踊りながら、不思議な事件に挑みます。
“生来ひ弱で寝付いてばかり”の若だんな・一太郎を演じるのが、まさかの「セクスィー部長」沢村さんだったり、一太郎を守る2人の手代(その正体は、齢数百歳の犬神&白沢という大妖!)の掛け合いが、まさかの「関西弁」だったり……原作とは一味違うけれど、鄭義信さん独特のユーモアで『しゃばけ』の世界が鮮やかに再現されます。
この舞台「しゃばけ」チケットを現在、Yonda?Mail読者を対象に先行発売中! 2月3日(日)までの「期間限定」ですのでこちらのサイトへお急ぎください。「まだ予定が立たなくて……」という方も、ご安心あれ。公演は4月20日から4月29日まで全13回。お席はまだまだありますから、2月10日からの一般発売で、じっくりお求めくださいね。
漠然とした不安、仕事や人間関係のストレス、自分に自信が持てない、など現代人は悩みが尽きない。
今回は、ハードな毎日の中で頑張っている人、これから頑張ろうとしている人、またはもう諦めそうになっている人に読んでほしい本をピックアップしました。
生きにくさを感じている社会人の悩みを取り去ってくれる処方箋となり、これから新生活を送る社会人や新学期を迎える学生にとっては、挫けずに頑張れる“予防法”を学べるはずです。
例えば、植木理恵さんの『シロクマのことだけは考えるな!』には、失恋した、仕事で失敗したなど、どうしようもなく落ち込む時は、“気分を盛り下げよう”“負け犬は負け犬と過ごすのがいい”と答えています。
「なぜ傷口に塩を塗るようなことを言うんだ!」と腹を立てられる方もいらっしゃるでしょうが、実はとことん落ち込むことが心理学的知見から考えられた“ハッピーへの近道”なんだとか……その理由を知りたい方は本書を手に取ってみてください。もちろん、シロクマのことを考えてはいけない理由もわかりますよ。
脳はなにかと言い訳する |
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「脳」は幸せの鍵を握っている! 恋愛、仕事、アルコールetc.「脳」のしくみを知れば知るほど毎日がきっと楽しくなる!
ピアニストやスポーツ選手は、優れた遺伝子を持っているだけでは「一流」にはなれない。目標を達成するためには、脳に「やる気」を起こさせるのが鍵。また、脳には過去の決断に対して、後悔しないよう正当化する機能がある。仕事や恋愛など、身近な場面でも活かされるこの能力こそが人を幸せにするのだ。知るほどに魅力に溢れている脳を、「海馬」の研究者が説く、脳科学最前線。
なぜこんなに生きにくいのか |
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生き延びるためにいまこそ、仏教。禅僧が教える究極の処生術。
人として存在するかぎり、苦しみはけっしてなくなることはない。ならば、この生きがたい人生をいかに生きるか、それが人間のテーマではないだろうか。宗教はなんらかの真理を体得するものでなく、少しでも上手に生き抜くための「テクニック」。自らの生きがたさから仏門に入った禅僧が提案する、究極の処生術とは。困難なときこそ、具体的な思考で乗り切るための“私流”仏教のススメ。
●南直哉『なぜこんなに生きにくいのか』