こんな傑作があったのか!? 名作ばかりを収めた短編アンソロジー「日本文学100年の名作」全10巻が完結!
新潮文庫が創刊された1914年から2013年までの100年間に発表された短編を池内紀(ドイツ文学者)・川本三郎(評論家)・松田哲夫(編集者)の三人が渉猟し、「これぞ永遠の名作」「こんな傑作があったのか」と思われる短編を厳選し、全10巻のアンソロジーにまとめました。
神楽坂に誕生した新業態の商業施設「la kagu」で催されたイベントでは、
大作家や文学史に残るような作家の外せない作品を並べながらも、読者にとっての「発見」を大事にし、マイナーで「掘り出し物」と思えるような、現代ではなかなか読むことのできない貴重な作家の作品を盛り込んでいる、
と明かされました。
来場した読者からはどのような作品が選外として漏れたのか気になるとの声もあがり、
文学史上で評価されていても、時代が変わると読むに堪えないものがあった。大正時代を例に挙げ「新感覚派」「プロレタリア文学」「私小説」「白樺派」あたりはほとんど漏れてしまった、
と語り、「新感覚派」の某大作家なども入らなかったといいます。
収録された作品は全部で145編。
詳細な著者紹介のみならず、巻末には編者による各作品の簡明な「読みどころ」を付し、分かりにくい語句には註解もつけました。
「どこから読んでも楽しめる」「大きな活字で読みやすい」と評判の「日本文学の新たな羅針盤」となる短編全集です。
日本文学100年の名作第5巻1954-1963 百万円煎餅 池内紀/編、川本三郎/編、松田哲夫/編 敗戦から10年。描かれたのは戦争の爪痕か、未来の日本の肖像か。16編の傑作を収録。梅崎春生「突堤にて」/芝木好子「洲崎パラダイス」/邱永漢「毛澤西」/吉田健一「マクナマス氏行状記」/吉行淳之介「寝台の舟」/星新一「おーい でてこーい」/有吉佐和子「江口の里」/山本周五郎「その木戸を通って」/三島由紀夫「百万円煎餅」/森茉莉「贅沢貧乏」/井上靖「補陀落渡海記」/河野多惠子「幼児狩り」/佐多稲子「水」/山川方夫「待っている女」/長谷川伸「山本孫三郎」/瀬戸内寂聴「霊柩車」。 ISBN:978-4-10-127436-2 発売日:2014/12/24
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