民主党―野望と野合のメカニズム―
770円(税込)
発売日:2008/11/17
- 新書
- 電子書籍あり
小沢一郎はいつ民主党に「合流」したか? なぜ絶対的権力者になれたのか?
彼らは一体、何者なのか? 新党ブームのなかで、なぜ彼らだけ生き残れたのか? なぜ代表が次々クビになるのか? なぜ小沢一郎が絶対的権力者になったのか? なぜ左と右が共存していられるのか? 資金源、実力、弱点は? かつて事務局長を務めた政治アナリストが意外と知られていない歴史、人脈、選挙、政策を総点検。結成十年で自民党と肩を並べるまでになった民主党の仕組みを明らかにする、有権者必携の一冊。
書誌情報
読み仮名 | ミンシュトウヤボウトヤゴウノメカニズム |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610290-5 |
C-CODE | 0231 |
整理番号 | 290 |
ジャンル | 政治 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2009/06/05 |
蘊蓄倉庫
何だかよく代表が変わる集団だ――民主党についてそう感じている方は多いのではないでしょうか。確かに、98年の新民主党結成から本書刊行時までに代表に就任したのは述べ6人(実数で5人)にもなります。平均在職期間は2年を切っており、自民党総裁の平均(53年で22人)より短い。注目すべきは、現職の小沢一郎氏を除いて、全員が任期途中でその座を追われていることです。最も在職期間が長い鳩山由紀夫氏でさえ、代表専権事項であるはずの人事に批判が噴出、辞任に追い込まれました。なぜトップの座はかくも「辛い」ものなのか。それには民主党議員独特というある意識が関係しています。詳しくは本書でお確かめください。
担当編集者のひとこと
元事務局長の総点検
「この党はもう駄目だ、と思って2001年に飛び出した時には、まさかこうなるとは思っていなかった」。
本書がいよいよ発売になるという頃、著者の伊藤惇夫さんは冗談交じりにこう仰いました。
各メディアで政治アナリストとして活躍中の伊藤さんは、かつて民主党の事務局長を務めていました。さらに遡ると、20年の自民党本部勤務の後に新進党に移り、太陽党、民政党の事務局長を歴任して「新党請負人」の異名を取った経歴があります。
その伊藤さんが今回挑んだのは、自民党と肩を並べるまでになった民主党の、意外にも知られていない歩みを整理することです。なかでも、なぜ「新党の時代」に誕生し、唯一生き残って拡大し続けてこられたのかを綴った10年のドキュメント(I 野望と野合の10年――結成前夜から小沢時代まで)が読みどころ。熱いドラマの途中には、伊藤さん自身の記憶も散りばめられています。
例えば、00年11月の「加藤の乱」の際、制圧されてしまうのが確定的になった夜に菅直人氏はワインで祝杯をあげていたそうですし、事務局長だった01年の初詣で願ったことはただ一つ、「どうか夏の参議院選挙まで森政権が続いてくれますように」だったとか――。
本書全体には「外野」になってからのクールな視線が貫かれており、それが有権者の抱く「民主党への疑問」に答える力となっています。満を持して送る「民主党・解体新書」を、どうぞお楽しみください。
2008/11/25
著者プロフィール
伊藤惇夫
イトウ・アツオ
1948(昭和23)年神奈川県生まれ。学習院大学法学部卒。約二十年間の自民党本部勤務を経て新進党に移る。その後、太陽党、民政党、民主党の事務局長に就任。2001年退任し、明治学院大学、日本大学非常勤講師、政治アナリスト。著書に『政党崩壊』『永田町「悪魔の辞典」』など。