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天皇家の財布

森暢平/著

748円(税込)

発売日:2003/06/20

  • 新書

禁断の中身をちょっと拝見。皇居の電気代って? 家計のやりくりは誰が?

皇居の月々の水道、電気代は? 家計をやりくりするのは誰? きらびやかな宮中晩餐会の費用はどのくらい? 皇室費、宮内庁費などを含めた、いわゆる皇室関連予算の総額は273億円。私的なお小遣いである「御手元金」から、「御物」「御由緒物」と呼ばれる皇室財産まで。菊のカーテンの向こう側、知られざる「皇室の家計簿」の詳細を、情報公開法を駆使して大検証する。

目次
はじめに──情報公開法で「天皇家の財布」を検証する
序章 四つの財布──皇室予算の全容
第一章 宮廷費 その一
1 大赤字の宮内庁病院──行政のスリム化と皇室
2 きらびやかな宴のケーキは一二○円──宮中晩餐会
3 栃木直送「宮内庁印」牛乳──御料牧場
第二章 宮廷費 その二
1 ホテルは全国一律二万円──天皇の地方旅行
2 天皇家の休暇は御用邸だけ──静養と外国旅行
第三章 内廷費
1 天皇は通帳を持たない──内廷費の性格
2 愛子さまの授業料──皇室の公と私
3 金額決定のジレンマ──皇室経済の歴史
4 閉じたカーテン──「一割ルール」の制定
第四章 天皇家の財産
1 皇室は借家住まい──資産の実態
2 皇室の推奨株銘柄は──資産の変遷
3 三種の神器の所有権──皇室の美術品
第五章 献上と賜与
1 美智子さまは花束を受け取れるか──財産移動の制限
2 箪笥の贈り物一三万円──天皇家への献上品
3 三宅島児童への牛乳──賜与の実態
4 佐渡のトキは陛下のもの?──財産授受の歴史
第六章 皇族費
1 紀子さまの電話代──宮家の暮らし
2 宮さま「経営」の宴会場──増額の裏面
3 「皇室」でない皇族──曖昧な財布の出入り
終章 国会と皇室経済会議
おわりに

資料
参考文献

書誌情報

読み仮名 テンノウケノサイフ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610018-5
C-CODE 0233
整理番号 18
ジャンル 政治、法律
定価 748円

蘊蓄倉庫

四つの財布

 宮内庁が、皇室に関連して「四つの財布」を持っているってご存知ですか?
 天皇、皇族の活動のために「皇室費」という予算項目があります。これはさらに皇室の公的な活動に使われる「宮廷費」、生活費を含む天皇家の私的費用である「内廷費」、宮家の私的費用である「皇族費」に分類されます。この三つに「宮内庁費」をあわせて、四つの財布となるわけです。
 さて気になるのは、その使い分け。例えば宮内庁が鉛筆を買ったとしましょう。これが天皇陛下の公務用なら「宮廷費」、愛子さまのお絵かき用だと「内廷費」、秋篠宮さまのナマズの研究用だったら皇族費、職員用の場合は宮内庁費となるのです。
「これは貯金から、こっちはへそくりから……」なんてやっている私たちと、ある意味大差はないかも。ただし規模が違いますよ。何せ二百億近くの財布の中身の話ですから。

掲載:2003年6月25日

著者プロフィール

森暢平

モリ・ヨウヘイ

1964(昭和39)年埼玉県生まれ。京都大学文学部卒。1990年毎日新聞社に入社、社会部で宮内庁、警視庁を担当。2000年国際大学大学院修了後に渡米し、CNN日本語サイト編集長。現在は琉球新報ワシントン駐在記者として活動するほか、米国情報を各種媒体に発信中。

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