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ザ・殺し文句

川上徹也/著

814円(税込)

発売日:2016/12/16

  • 新書
  • 電子書籍あり

「なぜあそこでもっと気の利いたことが言えなかったのか……」そんな貴方に贈る「武器としての殺し文句」教室!

あと一歩で説得できるはずが詰め切れなかった。思いもよらぬことを言われて上手に切り返せなかった。そんな経験をしたことは誰しもあるはず。「あの場面で、どうしてもっと気の利いたことが言えなかったのか」。この本は、そんな悔しさを味わったことがある「あなた」のために書かれました。実業家、プロ野球監督、政治家等の「殺し文句」を徹底解剖。その構造を理解し、血肉とすることで殺し文句の使い手となれる驚異の書。

目次
はじめに
第1章 カリスマ経営者の殺し文句
スティーブ・ジョブズ▶ジョン・スカリー
「このまま一生砂糖水を売り続けるつもりか? それとも世界を変えてみようと思わないか?」
松下幸之助▶販売会社・代理店社長約200名
「結局、松下電器が悪かった。この一語に尽きると思います」
藤沢武夫▶本田宗一郎
「社長としてホンダに残るか、技術者としてホンダに残るか、どちらかを選ぶべき時ではないですか」
孫正義▶総務省担当課長
「ガソリンかぶって火をつけて死にます」
柳井正▶ジル・サンダー
「僕もやったことがない、あなたもやったことのないことを一緒にやりませんか」
松田公太▶トム・オキーフ
「銀座です。誤った場所に一号店を出し、ブランドビルディングを軽視してしまえば、自分からアリ地獄に落ちてしまうようなものですから」
第2章 プロ野球監督の殺し文句
野村克也▶江夏豊
「リリーフでオレと一緒に革命を起こしてみないか?」
長嶋茂雄▶清原和博
「思い切って僕の胸に飛び込んで来てほしい」
根本陸夫▶王貞治
「東京ドームには長嶋茂雄という長男がいる。君は福岡ドームの長男にならんか」
星野仙一▶金本知憲
「カープはなんでお前にお金を出さないんだ。プロはお金だろ?」
栗山英樹▶大谷翔平
「誰も歩いたことのない道を歩いてほしい」
第3章 政治家の殺し文句
田中角栄▶武見太郎
「こうして白紙を持ってきた。どうか思うとおりの要求をここに書き込んでくださいよ」
田中角栄▶大蔵官僚
「今日から、大臣室の扉は常に開けておくから」
田中角栄▶周恩来
「日本に帰ったら殺されるかもという決死の覚悟で来たんだ」
後藤田正晴▶金丸信
「オンボロ神輿なら修理しながら使えばいい」
中曾根康弘▶田中角栄
「ご無理を承知でお願い申し上げるわけにはいきますまいか」
谷垣禎一▶加藤紘一
「加藤先生、あんたが大将なんだから独りで突撃なんてダメですよ!」
小泉純一郎▶中曾根康弘
「中曾根先生は今後もそういう形でご活躍願いたい」
小泉純一郎▶国民
「もう一度国民に聞いてみたいと思います」
菅義偉▶安倍晋三
「もう一度、安倍晋三という政治家を世に問う最高の舞台じゃありませんか?」
第4章 なぜ、このフレーズに瞬殺されるのか?(殺し文句理論篇)
殺し文句には法則がある/「あなただけ」の強み/悪用は禁物/利己的にならない/利益は一種類ではない/人間は答えを探す生きもの/断言は強い/自己重要感を刺激せよ/頭を下げるのを厭うな/比喩は論理を超える/誠心誠意、嘘をつく/即答の威力/半身では通じない
第5章 この場面ではこのフレーズで撃ち抜け(殺し文句実践篇)
上司への殺し文句集
部下への殺し文句集
顧客・得意先・取引先への殺し文句集
殺し文句の法則10カ条

引用・参考文献等

書誌情報

読み仮名 ザコロシモンク
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610695-8
C-CODE 0236
整理番号 695
ジャンル ビジネス実用
定価 814円
電子書籍 価格 814円
電子書籍 配信開始日 2016/12/23

蘊蓄倉庫

殺し文句の法則10カ条

『ザ・殺し文句』は、古今の殺し文句を徹底分析した1冊。著者は、解明した殺し文句の法則10カ条を披露しています。その(1)は、「あなただけを強調する」。
「この仕事を任せられるのはお前しかいない」
「私のことをきちんと見ていてくれるのは、部長だけです」
 こんな風に言われたら、誰でも多少は心が動くのではないでしょうか。
 これを上手に使ったのが、名監督として知られる野村克也氏。江夏豊投手に対して、リリーフ転向を勧める際に、こう言いました。
「リリーフでオレと一緒に革命を起こしてみないか? これができるのは、日本の球界にはお前だけだ。この道の先駆者になってほしい」
 この「殺し文句」が奏功して、江夏投手はリリーフに転向し、大成功を収めるのです。


掲載:2016年12月22日

担当編集者のひとこと

武器としての殺し文句入門です

 編集者になってからは、アポなしで人と会う機会はとても少なくなりました。またこちらと喧嘩するつもり満々の人と会う機会も極端に少なくなりました。
 以前はあったのか。ありました。週刊誌記者をやっている時は、アポなしのほうが多く、また「やる気」満々の人ともよくお話ししました。
 当然ですが、そういう局面での会話のほうが精神を消耗します。後悔も多くなります。
「もっとああいう風に言えばよかった……」
「どうして上手に切り返せなかったのか」
 
 毎週のようにそんな風に感じていたものです。
 あの頃、この『ザ・殺し文句』を読んでいたら、そういう後悔は少しは減らせたのではないか。そんな気がします。
 もしも、あの頃の私のような気分をよく味わっている方がいらっしゃるならば、ぜひ一度この本を開いていただきたい、と思います。

2016/12/22

著者プロフィール

川上徹也

カワカミ・テツヤ

コピーライター。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。「物語で売る」という手法を体系化。「ストーリーブランディング」という言葉を生み出したことでも知られる。著書に『物を売るバカ』『1行バカ売れ』など。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

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