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現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

藤本隆宏/著

792円(税込)

発売日:2013/12/14

  • 新書
  • 電子書籍あり

本社よ、覚醒せよ。実証経営学の第一人者が語る逆境を超えるビジネスモデル。

本社よ覚醒せよ――敗北主義でも楽観主義でもない、現場主義の目で見れば、日本経済の本当の力が見えてくる。数字だけの経営分析、根拠のない「製造業悲観論」を真に受けてはならない。「現場」は常に忍耐強く、沈黙の臓器のように能力向上を続けているのだ。熾烈なグローバル競争の中で、「何をやりたいか」より「何なら勝てるか」を考え抜く、現場発の日本産業論。

目次
第一講 「現場」は死なず――金融危機と優良現場
ものづくりの実証経営学/「市場立地」と「比較優位立地」/現場からビジネスモデルを提案/トヨタ式「多工程」「多ライン」持ち/多能工のサッカー型チームワーク/リーマンショックとリコール問題/「複雑化」という魔物/「きりがない」にチャンスあり/中国には真似できない高機能便器/短期の損益計算のみで工場の存廃を決めるな/長期全体最適のグローバル配置とは/複雑化と単純化のバランス/製造業も非製造業も「ものづくり」発想で/「良い設計の良い流れ」で現場の活性化を/埋蔵人材を「カイゼンの先生」に/生活者・企業・現場の三者を考える国家政策を
第二講 本社よ覚醒せよ――自滅の道を回避できるか
組織全体がうつ状態/大野耐一と武藤山治の凄み/中小企業=弱者ではない/「多国籍化」と「多角化」で生き残る中規模企業/現場には生き残る集団意思がある/付加価値作業時間比率から伸び代を見る/「戦うマザー工場」を国内に残す/軽視される「電力の質」の高さ/電力ミックスに技術を総動員/競争力と災害対応力の両立とは/サプライチェーンの「バーチャル・デュアル化」を/過剰な悲観論を克服せよ
第三講 ぶれない枠組を持つ――製造業悲観論を超えて
東大MMRCの現在/海外での「リーン生産方式」導入熱/縮小する新興国との賃金差/国内現場が耐えた「試練の時代」/一九五〇・六〇年代:「サッカー型現場」の発生史/一九七〇・八〇年代:冷戦下のグローバル競争/一九九〇年代・二〇〇〇年代:冷戦後のグローバル競争/デジタル化で競争優位を失ったテレビ産業/次の二〇年:新興国の賃金高騰/日本の良い現場は「夜明け前」か/現場は「沈黙の臓器」である/生産性向上と需要創造を両輪として/「草の根イノベーション」/気迫のある商品企画/本社の意思決定ボードに異質人材を/現場から見上げる産業論/現場発の産業論のフレームワーク/分析枠組の応用(1):IBMの危機と復活/分析枠組の応用(2):テレビ産業危機への対応/分析枠組の応用(3):VW・トヨタと自動車の「モジュール化」/参考にするが盲従はしない/能力構築とアーキテクチャ革新の駆け引き/設計の複雑化とシンプル化の綱引き/産業競争力分析の「ぶれない枠組」を持つ/現場には現場の歴史がある/製造業悲観論を超えて/持つべきは危機意識と希望/「良い現場」を日本に残そう
後序

書誌情報

読み仮名 ゲンバシュギノキョウソウセンリャクジダイヘノニホンサンギョウロン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610549-4
C-CODE 0233
整理番号 549
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2014/06/20

著者プロフィール

藤本隆宏

フジモト・タカヒロ

1955(昭和30)年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。三菱総合研究所を経てハーバード大学ビジネススクール博士課程修了。東京大学大学院経済学研究科教授、東大ものづくり経営研究センター長。著書に『能力構築競争』『ものづくりからの復活』『ものづくり成長戦略』など。

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