悪韓論
792円(税込)
発売日:2013/04/17
- 新書
- 電子書籍あり
あの国に学ぶことなど一つとしてない! 虚飾にまみれた隣国の実態に迫る。
勤勉で高学歴な国民、急成長する経済力、世界に冠たる技術力──すべては、貧しき内実を華やかな外見で糊塗する隣国の悪しきまやかしだった。李王朝時代から続く凄まじい差別意識、異様なまでの学歴崇拝、熟練工も育たない歪んだ技術蔑視。それが彼らの真の姿である。冷厳な眼で韓国を捉えてきた論客が、韓国メディア自身が図らずも報じていた《外華内貧》の実態を見ながら、その底流にある思考、行動、風習に迫る。
書誌情報
読み仮名 | アッカンロン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610516-6 |
C-CODE | 0225 |
整理番号 | 516 |
ジャンル | 社会学、地理・地域研究 |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2013/10/18 |
蘊蓄倉庫
日本で「三大紙」と言えば、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞のことですが、韓国にも三大紙とされる有力紙があります。朝鮮日報、中央日報、東亜日報の各紙で、いずれも国内では「保守系」とされ、日本人から見れば「反日」なところも足並みが揃っているようです。
『悪韓論』は、現代韓国にある差別構造や社会慣習、ひいては政治経済の根深い悪弊を批判した一書ですが、その分析の典拠となったのは、この三大紙を始めとする韓国メディアの報道です。日韓間にあるさまざまな論争は、その前提となるはずの史資料や統計数字がそもそも共有されず、水掛け論のままに終わることがたびたびですが、『悪韓論』はいわば韓国側資料を元に論じているのですから説得力が違います。
韓国の三大紙には、いずれも日本語版サイトを開いているという共通点もあります。是非、『悪韓論』と合わせて、各サイトを眺めてみてください、著者が本書で指摘する韓国社会の問題点が、その紙面のあちこちに毎日のようにあらわれていることにきっと気付かれるはずです。
担当編集者のひとこと
「嫌」ではなく「悪」
「嫌」韓の熱が高くなっている昨今ですが、本書が称えるのは「悪」韓です。著者の室谷克実氏は、「悪しき韓国について論じた書」という意味で、「自然にこの題名が頭に浮かんだ」と話しています。
「嫌」と「悪」。一見して似ているようですが、まさしく似て非なるもの、まったく別次元の論議です。韓国に対する「好き嫌い」ではなく、韓国社会の実態を冷静に見据えたとき、その「善し悪し」、つまり韓国という国の価値をどのように評すべきか、ということなのです。近年は韓流ブームやサムスングループなどの韓国企業の好調を背景に、「韓国に学べ」式の議論もたびたび聞かれましたが、そうした議論は浅はかだと著者は否定的です。
そして、長年にわたって韓国をウォッチしてきた著者の、韓国という国に対する評価こそ、「善し悪し」の「悪し」でした。
この結論だけを聞けば、「偏見」あるいは「独断」との批判がありそうです。しかし、著者が本書で韓国社会を分析するにあたって主な典拠としたのは、韓国の有力紙を中心とした韓国メディアの報道記事そのものです。つまり、個人的な見解、見聞に頼った批判ではなく、いわば韓国側の言い分を客観的に分析した結果なのです。
隣国社会の実態を日本人はどれだけ知っているのでしょうか。一時的なブームや経済の好調にまどわされずに、隣国の実情と隣国民の思考と行動パターンを正確に知るための一書です。
2013/04/25
著者プロフィール
室谷克実
ムロタニ・カツミ
1949(昭和24)年東京都生まれ。評論家。慶應義塾大学法学部卒。時事通信社で、政治部記者、ソウル特派員、宇都宮支局長、「時事解説」編集長などを歴任。2009年より評論活動に入り、著書に『悪韓論』『呆韓論』『日韓がタブーにする半島の歴史』などがある。