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「反原発」の不都合な真実

藤沢数希/著

770円(税込)

発売日:2012/02/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

感情論を超えた議論のために。リスク分析からの視点。

3.11以降、原発を絶対悪と決め付け、その廃絶こそが「正義」という論調がマスコミでは吹き荒れている。しかし、この世にリスクのない技術は存在しない。原子力を代替するはずの「自然エネルギー」の実力のみならず、転換するリスクや懸念材料を冷静に見つめるべきではないだろうか。そんな感情論を超えた議論のために、原子力技術、放射線と健康被害、経済的影響を検討し、将来を見据えたエネルギー政策を提言する。

目次
まえがき
第1章 原子力で命を守りたい
エネルギーなしでは生きられない/原子力は火力や水力よりも安全/太陽光や風力でも犠牲者は出る/1TWh当たりの死亡者数の推計/大気汚染で年間100万人以上が死亡/日本でも年間3~5万人以上が死亡/火力発電では1TWh当たり平均21人が死亡/原子力発電では1TWh当たり0.03人/自然エネルギーも原子力より危険/脱原発で多くの人が犠牲に/原子力は不安だが安全/原発ゼロによる大気汚染/原発ゼロだと日本で毎年3000人以上死亡
第2章 放射線のリスクとは?
福島第一原発事故の死者はゼロ/メディアが煽る恐怖/メディア受けするリスクと本当のリスク/内部被曝も外部被曝もシーベルト/しきい値なし比例モデル/放射線医学の専門家の見解/放射線のリスクの比較/チェルノブイリ原発事故の真実/原発事故は最初が肝心/高放射線地域で健康被害なし
第3章 自然エネルギーの不都合な真実
注目される自然エネルギー/総エネルギー消費のわずか1%/日本はすでに自然エネルギー大国/欧米のソーラー・メーカーは破綻/自然エネルギーも環境破壊する/自然エネルギーは大量の土地を必要とする/天気まかせの不安定な発電/電気は貯められない/メガソーラーの発電量の実情/自然エネルギーは補助金ビジネス
第4章 化石燃料と地球環境問題
日本のエネルギーフローの全体像/地球温暖化問題/電気自動車は原発なしには普及しない/いつか枯渇する化石燃料/最新のコンバインドサイクル火力発電所/コージェネレーションと分散型電源/シェールガスの可能性
第5章 救える命の数は経済の豊かさに比例する
経済と命はトレードオフの関係にない/脱原発のコストは燃料費だけで年間4兆円/原発事故の損害賠償と原子力の発電単価/電気代とエネルギー源/スリーマイル、チェルノブイリ後のエネルギー政策
第6章 原子力を理解する
周期律表とウラン原子/放射性同位体と放射線/E=mc2でエネルギーが生まれる/原発は原爆にはならない/原子力発電の仕組みは火力発電と同じ/怖いのは地震や津波ではなく人為的ミス/核燃料サイクルの現状/貯めこまれる使用済み核燃料/放射性廃棄物について知っておきたい3つのこと/ガイア理論のラブロックの言葉
第7章 エネルギーの未来
世界の人口増加と経済成長/有望な省エネルギー技術LED/現代はシリコン時代/LEDと太陽電池は同じ仕組み/ビル・ゲイツは自然エネルギーに懐疑的/ダライ・ラマも脱原発に反対/電力自由化/自由化で日本の電気代は下がった/スマートグリッド/開発が進む次世代原子炉/日本は福島の原発事故の経験を生かせ
あとがき

書誌情報

読み仮名 ハンゲンパツノフツゴウナシンジツ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610457-2
C-CODE 0231
整理番号 457
ジャンル エネルギー
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/08/17

著者プロフィール

藤沢数希

フジサワ・カズキ

PhD、物理学研究者、外資系投資銀行でクオンツ、トレーダーを経て、2022年11月現在は香港にて資産運用業を営む。メルマガ「週刊金融日記」発行。著書に『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』『「反原発」の不都合な真実』『外資系金融の終わり』など。

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