読む人間ドック
748円(税込)
発売日:2010/07/16
- 新書
- 電子書籍あり
その症状、本当に年のせいですか? 一家に一冊! 「未病」を発見するための45のチェックリスト付き。
「肩がこる」「腰が痛む」「もの忘れする」。誰でも年齢を重ねれば、体に多少のガタがきても不思議はありません。しかし、「いつもの症状」の背後に実は深刻な病気が隠れているとしたら――。本書では代表的な四十五の自覚症状を取り上げ、意外な病気と治療の最新知識を紹介。危険度の自己判定にも医師の診断にも役立つチェックリストを配しました。安易に見過ごす前に、慌てて病院に駆け込む前に、一家に一冊の必読書!
目次
はじめに
全身の症状
体がだるい/微熱が続く/やせた/食欲がない/眠れない/性欲がない/汗が増えた/筋肉が痛む/体がかゆい/湿疹が出た
首から上の症状
頭が痛む/立ちくらみがする/ぼうっとなる/頭がふらつく/もの忘れする/フケが多い/顔色が悪い/顔がほてる/目が赤い/目に表情がない/耳鳴りがする/咳と痰が出る/声がかすれる/口が乾く/舌がしびれる/味がわからない
胴体・内臓の症状
動悸がする/息切れする/胸が痛む/胸焼けがする/吐き気がする/胃に不快感がある/みぞおちが痛む/背中が痛む/腰が痛む/排尿時に痛みがある/便秘している
手足の症状
肩がこる/手がしびれる/手のひらがカサつく/手の爪が白い/足がしびれる/足がつる/足(脚)がむくむ/脚がむずむずする
書誌情報
読み仮名 | ヨムニンゲンドック |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610374-2 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 374 |
ジャンル | 家庭医学・健康 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2011/10/28 |
インタビュー/対談/エッセイ
波 2010年8月号より 誰よりも早く病気に気づくために
私たち日本人は人間ドックが大好きです。なかには人間ドックだけでは飽き足らずに、脳ドックやアンチエイジングドックまで受ける方もいらっしゃいます。そのほとんどの方は、「異常なし」といわれて安心するために人間ドックを受けているようですが、医者の立場からいわせていただくと、人間ドックの最大の目的は病気の早期発見にあります。
しかし、すべての病気を人間ドックで見つけてもらえるわけではありません。人間ドックで「異常なし」といわれて安心するのも結構ですが、病気を見逃されてしまうことだって少なくありませんし、人間ドックで見つけることができない病気だって沢山あります。人間ドックの予防効果は、決して一〇〇%ではないのです。
それでは病気を早期に発見するための、もっとも優れた予防法はいったい何なのでしょう。答えはとっても簡単で、皆さんが心身のいろいろな異常や異変に自分で気がつくことです。こうした心身の異常や異変のことを、医学的には「自覚症状」といいます。
痛みや発熱はもちろんのこと、普段とはちょっと違う感じがするとか、何となく疲れやすいといった、細かい体調の異変に気がつくことが、何といっても病気の早期発見につながるのです。この自覚症状に一刻も早く気がついて、医者に診てもらうことは、究極の病気予防法といっても過言ではありません。
その証拠に、診察室に入ったとき、最初に医者が尋ねるのはいろいろな自覚症状です。患者さんの自覚症状さえわかれば、どういった病気が考えられるのか、おおよその見当がつけられるわけです。いろいろな検査はそのあとの話になります。
不思議なことに、誰でも健康なときは心臓や胃がどこにあるのか、まったく意識していないと思います。ところが、心臓の病気なら動悸や胸の痛み、胃の病気なら胸やけや吐き気といったように、いろいろな自覚症状が起きますから、心臓や胃がどこにあるかわかるようになります。
自覚症状は、あなたの身体に点灯した黄色信号と思ったらいいでしょう。黄色信号である自覚症状を無視していると、赤信号すなわち病気になってしまいます。こうしたことを踏まえて、本書では「腰が痛む」「胸焼けがする」など代表的な四十五の自覚症状を取り上げたうえで、そこから考えられる病気について、できる限りわかりやすく説明してみたつもりです。
ここで紹介した自覚症状が二週間以上続くようだったら、医者に行ってみた方がいいでしょう。さらに、自覚症状が一カ月を超えても消えないようなら、すぐにでも医者の診察を受けるべきだと思います。この本が健康で長生きするための一冊として、少しでもお役に立つことができたらと願っています。
しかし、すべての病気を人間ドックで見つけてもらえるわけではありません。人間ドックで「異常なし」といわれて安心するのも結構ですが、病気を見逃されてしまうことだって少なくありませんし、人間ドックで見つけることができない病気だって沢山あります。人間ドックの予防効果は、決して一〇〇%ではないのです。
それでは病気を早期に発見するための、もっとも優れた予防法はいったい何なのでしょう。答えはとっても簡単で、皆さんが心身のいろいろな異常や異変に自分で気がつくことです。こうした心身の異常や異変のことを、医学的には「自覚症状」といいます。
痛みや発熱はもちろんのこと、普段とはちょっと違う感じがするとか、何となく疲れやすいといった、細かい体調の異変に気がつくことが、何といっても病気の早期発見につながるのです。この自覚症状に一刻も早く気がついて、医者に診てもらうことは、究極の病気予防法といっても過言ではありません。
その証拠に、診察室に入ったとき、最初に医者が尋ねるのはいろいろな自覚症状です。患者さんの自覚症状さえわかれば、どういった病気が考えられるのか、おおよその見当がつけられるわけです。いろいろな検査はそのあとの話になります。
不思議なことに、誰でも健康なときは心臓や胃がどこにあるのか、まったく意識していないと思います。ところが、心臓の病気なら動悸や胸の痛み、胃の病気なら胸やけや吐き気といったように、いろいろな自覚症状が起きますから、心臓や胃がどこにあるかわかるようになります。
自覚症状は、あなたの身体に点灯した黄色信号と思ったらいいでしょう。黄色信号である自覚症状を無視していると、赤信号すなわち病気になってしまいます。こうしたことを踏まえて、本書では「腰が痛む」「胸焼けがする」など代表的な四十五の自覚症状を取り上げたうえで、そこから考えられる病気について、できる限りわかりやすく説明してみたつもりです。
ここで紹介した自覚症状が二週間以上続くようだったら、医者に行ってみた方がいいでしょう。さらに、自覚症状が一カ月を超えても消えないようなら、すぐにでも医者の診察を受けるべきだと思います。この本が健康で長生きするための一冊として、少しでもお役に立つことができたらと願っています。
(なかはら・ひでおみ 医学博士・新渡戸文化短期大学学長)
蘊蓄倉庫
二種類の「未病」
最近よく耳にする「未病(みびょう)」という言葉。薬酒のテレビCMでもおなじみかもしれません。古代中国の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」にある言葉で、病気の前段階、すなわち病気に向かう状態を意味するもの。自覚症状はあるが検査では異常がないのが「東洋型未病」、自覚症状はないが検査では異常があるのが「西洋型未病」という定義もあります。
今世紀は「予防医学の時代」とも言われます。病気にならない環境をつくることが本来の予防医学ですが、未病を発見することは究極の予防医学です。ふたつの未病を発見するために、ぜひ本書をお役立てください。
最近よく耳にする「未病(みびょう)」という言葉。薬酒のテレビCMでもおなじみかもしれません。古代中国の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」にある言葉で、病気の前段階、すなわち病気に向かう状態を意味するもの。自覚症状はあるが検査では異常がないのが「東洋型未病」、自覚症状はないが検査では異常があるのが「西洋型未病」という定義もあります。
今世紀は「予防医学の時代」とも言われます。病気にならない環境をつくることが本来の予防医学ですが、未病を発見することは究極の予防医学です。ふたつの未病を発見するために、ぜひ本書をお役立てください。
掲載:2010年7月23日
著者プロフィール
中原英臣
ナカハラ・ヒデオミ
1945(昭和20)年、東京都生まれ。東京慈恵会医科大卒、医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。ワシントン大研究員、山梨医科大助教授、山野美容芸術短大教授を経て、新渡戸文化短大学長。『新・進化論が変わる』『愚問の骨頂』(いずれも共著)など著書多数。
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