グルメの嘘
770円(税込)
発売日:2009/11/16
- 新書
- 電子書籍あり
読まずに食べるな! 超辛口評論家が暴露する、グルメ業界の「不都合な真実」。
連日、どこかのレストランがテレビや雑誌で絶賛されている。しかし言うほど素晴らしい店がどれだけあるのか――。頭の中は金儲けばかりの「性格の悪い料理人」、メディアと店の癒着、問題だらけの『ミシュラン』……、今まで誰も語らなかった弊害を、辛口評論家が暴露。「客をなめ切った高圧的な店」「大間の鮪はそんなにない」など、業界を敵に回してでも伝えたい、グルメの「不都合な真実」。もう外食で外しません!
書誌情報
読み仮名 | グルメノウソ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610337-7 |
C-CODE | 0276 |
整理番号 | 337 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2011/12/28 |
蘊蓄倉庫
今や大人気の大間産マグロ。希少価値が高く、鮨屋で純正大間産マグロを求めようとしたらかなりの出費を覚悟しなければいけません。しかしなぜか最近は、廉価な回転寿司店でも「大間マグロ、入荷中!」と宣伝し、客の気を引こうとしている光景がよく見受けられます。下手したら一貫数千円もする大間マグロが、単価数百円の回転寿司店ではたして食べることができるのか――。どうやら、これにはカラクリがあるようです。詳しくはぜひ本書で確認してみてください。
担当編集者のひとこと
孤高の「グルメ本」
2003年、『シェフ、板長を斬る 悪口雑言集』でデビューしたのが、本書の著者・友里征耶氏です。「ダメなものはダメといって何が悪い!」と、その歯に衣着せないガチンコな店評価が、グルメ愛好者の間で話題になりました。「歯に衣着せない」というのは大げさな表現ではありません。「味、サービスどれをとってもシャレにもならない」「こんなはずではない、何かの間違いだろう」と、巷の高評価に対してはっきり異を唱えています。名指しで批判されたレストランや常連客が、「人格を否定されたに等しい」と怒り心頭に発する気持ちもわからないではありません。業界内でも、「友里憎し」の声とその評論を熱狂的に支持する層に二分され、以降、氏は日本一毀誉褒貶の激しいグルメ評論家として知られるようになりました。
本書は、その友里氏が、レストランの個別評価を一切封印して、グルメ業界を覆う悪習・悪弊を俯瞰的に論じていく――という内容のものです。誤解のないように申しあげますと、何を旨いと感じるかというのは人それぞれで、「料理の味わいは数字で表せるものではなく、極めてファジーなもの」と、本書でもそのスタンスを踏襲しています。その上で、グルメ業界(主に店、メディア、客)の何が問題なのかを論じています。例えば、「『性格の悪い料理人』の店に美味いものなし」「再開発ビルの店には近寄るな」「レストランに媚びるマスコミ」「店をダメにする常連客」「素人のグルメ・ブログは信用するな」……。
「わざわざダメなところをあげつらうのではなく、長所を引き伸ばしてあげればいい」という意見もあるでしょう。しかしグルメに限らず、「何が良いか」を知るために「何が悪いか」を知ることは大切なこと。アプローチのベクトルが違うだけであり、そのベクトルが一方に偏ることほど、つまらないことはないではありませんか。
世に出回っているグルメ本やガイドの大半は、レストランへのお追従ばかりでうんざり……、そう感じている方々には、まさにうってつけなのが本書であります。業界を敵に回しても伝えたい、「グルメ界の不都合な真実」が詰まった、類書のない「孤高のグルメ本」です。
2009/11/25
著者プロフィール
友里征耶
トモサト・ユウヤ
グルメ・ライター。2003年、『シェフ、板長を斬る』でデビュー。歯に衣着せぬ辛口の店評価が話題となり、注目を集める存在に。「自腹・覆面」の取材スタイルで、読者と自分に正直なグルメ批評を励行しているが、ゆえに業界内で目の敵となることも。著書に『ガチミシュラン』など。