ホーム > 書籍詳細:言語世界地図

言語世界地図

町田健/著

770円(税込)

発売日:2008/05/19

  • 新書
  • 電子書籍あり

国境より複雑な言語の境界――。主要46言語の成り立ち、地域、民族文化を徹底ガイド。

世界に存在する言語数は七千にも及ぶ。単純に計算すると、一つの国で何と三十以上もの言語が使われていることになる。その中から四十六の主な言語を取り上げ、成り立ち、使われている地域、話者数、独自の民族文化を徹底ガイド。言葉を使うとは、単に他者に意味を伝達するだけではない、社会的なアイデンティティーを表すことでもある。言葉の奥深さ、多様さ、面白さ、そして社会情勢にかかわる背景などを紹介する。

目次
はしがき
第一章 ヨーロッパ
スペイン語
ポルトガル語
イタリア語
フランス語
バスク語
アイルランド語
オランダ語
ワロン語・フラマン語
ドイツ語
ギリシャ語
ルーマニア語
セルビア語・クロアチア語
ハンガリー語
チェコ語・スロバキア語
ポーランド語
フィンランド語
スカンジナビア諸語
バルト三国
ロシア語
第二章 アジア
タミル語
インド英語
シンハラ語
インドネシア語
フィリピノ語
ベトナム語
ラオ語
ウイグル語
チベット語
モンゴル語
広東語
台湾語
韓国語(朝鮮語)
日本語
第三章 中東、アフリカ
アラビア語
ペルシア語
トルコ語
アフガニスタンの公用語
チュルク諸語
グルジア語
クルド語
ヘブライ語
スワヒリ語
南アフリカの公用語
第四章 アメリカ大陸、その他
英語(上)
英語(下)
ケベックのフランス語
ケチュア語
国連公用語
終わりに

書誌情報

読み仮名 ゲンゴセカイチズ
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 Foresightから生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610266-0
C-CODE 0287
整理番号 266
ジャンル 社会学、地理・地域研究
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/03/30

蘊蓄倉庫

中国語と「顔の違う兄弟」チベット語

 3月の暴動以来、独立問題に揺れるチベット。チベット語は、チベット自治区だけでなく、青海、甘粛、四川、雲南省、中国以外でも広く使われています。5月12日に起きた「四川大地震」でも多くのチベット人が被災しました。
 チベット語は「語族」でいえば、中国語、タイ、ビルマ語と類縁関係に当たります。ただ中国語などが文法的に、主語や目的語を語順で表す方式なのに対して、チベット語は動詞に活用があり、日本語の助詞と同じ働きをする語もあります。また、特徴として日本語と同じように敬語が発達していることもあげられます。尊敬語と謙譲語の区別もあるのだとか。たとえ起源は同じであっても、中国語とチベット語はかなり異なる言語のようです。むしろ、文法だけなら日本語に近いぐらい。中国との確執は、言語的に見ると「顔の似ていない兄弟」の仲違いのようなものだといえるのかもしれません。
掲載:2008年05月23日

著者プロフィール

町田健

マチダ・ケン

1957(昭和32)年、福岡県生まれ。言語学者。名古屋大学教授。主な著書に『町田健のたのしい言語学』『ソシュールと言語学』『チョムスキー入門』など。また、フジテレビのクイズ番組「タモリのジャポニカロゴス」に解説者としてレギュラー出演もしている。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

町田健
登録
社会学
登録
地理・地域研究
登録

書籍の分類