ロック・フェスティバル
770円(税込)
発売日:2007/07/20
- 新書
- 電子書籍あり
フジロックフェスティバル、サマーソニック等、夏の風物詩となったフェスの歴史が1冊に!
大混乱で始まったフジ・ロック・フェスティバルから一〇年。無謀な挑戦だった巨大イベントがいかにして成長し、定着したか。対抗する都市型フェス、サマー・ソニックの魅力とは何か。ステージ、バックステージ、観客席のそれぞれのドラマを綿密なインタビューを元に再現する。出演ミュージシャンの貴重な証言も満載。主要なフェスの出演者完全リスト付。すでに行った人もこれから行く人も必携の一冊!
書誌情報
読み仮名 | ロックフェスティバル |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610222-6 |
C-CODE | 0273 |
整理番号 | 222 |
ジャンル | 音楽理論・音楽論、音楽 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/07/27 |
蘊蓄倉庫
「ロック・イン・ジャパン」というと2000年から開催されている日本のロックの祭典。茨城県ひたちなか市で毎年10万人を動員している巨大イベントです。が、実は今から20年以上前、1985年にも同じ名前のイベントが開かれたことがあります。こちらは洋楽中心で、出演はカルチャー・クラブ、スタイル・カウンシル、ゴー・ウエスト、アラーム。当時としてはかなり豪華な面子が揃っています。しかし1回限りということもあり、ほとんどの音楽ファンの記憶からは消えてしまったようです。
担当編集者のひとこと
記録の大切さ
「君はいつか偉くなると思っていたよ」
というのは成功した人がよく言われる言葉のようです。大抵の場合、言われたほうは「あんた、そんなこと昔は言っていなかったくせに」と思うことが多いようですが。
映画や音楽、漫画などのサブ・カルチャーにおいてはよくこういう後講釈の絶賛みたいなものが当然のように書かれることが珍しくありません。今でこそ北野武監督の映画は専門家もこぞって評価しますが、初期の作品は必ずしも評論家受けがよくありませんでした。それが大きな賞を取ったあとは「昔から私は評価していた」みたいな顔をする人ばかりになっていったのです。 なぜこういうことが起こるかといえば、これだけ情報化社会だとか何とかいいながら、このへんのジャンルについてはきちんとした記録、特に本の形での記録が少ないことが一つの理由ではないかと思います。
日本におけるロック・フェスティバルを定着させた立役者は何と言っても1997年にスタートしたフジ・ロック・フェスティバルです。これ以降、次々にロック・フェスが開催されるようになり、現在では夏だけでも数十万人を動員しています。
巨大なイベントだけに専門誌などではよく取り上げられていましたが、実は本の形でまとめたものはこれまでほとんどありませんでした。少なくとも新書では一冊もありません。
なければないで誰か死ぬわけじゃないものの、これだけ多くの人が熱狂しているものについて、ある程度客観的な記録はあったほうがいいのではないか、その考えが『ロック・フェスティバル』という本のスタートでした。
もちろん客観的な記録といっても、テーマがテーマですから決して真面目くさった内容ではありません。フジ・ロック、サマー・ソニック等はどのようにして生まれ、発展してきたのか、出演者やスタッフたちは何を考えていたのか。貴重な証言も満載です。
一度でもフェスに行ったことがある人ならば、ご自分の思い出と重なってくる部分もあるでしょうし、無い人には格好のガイドブックにもなっているはずです。フェスの予習、復習にも是非お使いください。
2007/07/25
著者プロフィール
西田浩
ニシダ・ヒロシ
1963(昭和38)年東京生まれ。読売新聞編集委員。文化部でポピュラー音楽の担当を続けてきた。著書に『ロック・フェスティバル』『ロックと共に年をとる』、共著に『この50枚から始めるロック入門』『負けたくなかった 具志堅用高、波瀾の半生を語る』など。