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ロック・フェスティバル

西田浩/著

770円(税込)

発売日:2007/07/20

  • 新書
  • 電子書籍あり

フジロックフェスティバル、サマーソニック等、夏の風物詩となったフェスの歴史が1冊に!

大混乱で始まったフジ・ロック・フェスティバルから一〇年。無謀な挑戦だった巨大イベントがいかにして成長し、定着したか。対抗する都市型フェス、サマー・ソニックの魅力とは何か。ステージ、バックステージ、観客席のそれぞれのドラマを綿密なインタビューを元に再現する。出演ミュージシャンの貴重な証言も満載。主要なフェスの出演者完全リスト付。すでに行った人もこれから行く人も必携の一冊!

目次
はじめに
第1章 奈良の大仏とボブ・ディラン――ロック・フェス前史
源流は一九七〇年代から/チャリティーそして企業スポンサー/大仏殿前のロック・フェス/後味の悪かった一部ファン/継続の難しさ/ジャズ・フェスの場合
第2章 混乱と泥沼のスタート――フジ・ロック・フェスティバル(上)
日本版グラストンベリー・フェスを目指して/前例のない巨大音楽イベント/台風の直撃/会場を包む殺伐とした空気/中止となった二日目/レッチリ解散?/第二回開催へ/猛暑の中の二回目/救急車騒動/そして二日目
第3章 定着と進化の道のり――フジ・ロック・フェスティバル(下)
理想的な会場に到達/ロック遊園地への進化/三日間通し券への一本化/熱演、名演ダイジェスト/ニュー・オーダーとの再会/フェスならではの飛び入りも/フジ・ロックの本質
第4章 後発の強みを活かした都市型フェス――サマー・ソニック
都市型フェスを目指して/スタートは郊外型/骨格を固めた第二回/復活と意外性/レディオヘッド、ビースティ・ボーイズ/時々の潮流を捉えて/サマー・ソニックとは何か
第5章 老舗の苦闘と可能性――ウドー・ミュージック・フェスティバル
ロック・アラウンド・ザ・ベイ/ロック・オデッセイ/伝説のバンド、感動のステージ/中断、そして再開へ/大物ギタリスト共演に胸躍る/今後のウドー・フェスは?
第6章 小さく生んで大きく育てる――クアルトとSXSW
白夜のロック・フェス/町全体が支える/解散の危機にあったオアシス/南南西に進路を取れ/“ライブハウス銀座”でライブ三昧/日本勢も熱演を/小さく生む意味
第7章 ロック・フェスが与えたもの
多層的な広がり/楽しみ方は自分で考える/ロック文化の裾野を広げる/さあ、フェスに行こう!
主な洋楽系フェスティバル出演者リスト

書誌情報

読み仮名 ロックフェスティバル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610222-6
C-CODE 0273
整理番号 222
ジャンル 音楽理論・音楽論、音楽
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/07/27

蘊蓄倉庫

もうひとつの「ロック・イン・ジャパン」

「ロック・イン・ジャパン」というと2000年から開催されている日本のロックの祭典。茨城県ひたちなか市で毎年10万人を動員している巨大イベントです。が、実は今から20年以上前、1985年にも同じ名前のイベントが開かれたことがあります。こちらは洋楽中心で、出演はカルチャー・クラブ、スタイル・カウンシル、ゴー・ウエスト、アラーム。当時としてはかなり豪華な面子が揃っています。しかし1回限りということもあり、ほとんどの音楽ファンの記憶からは消えてしまったようです。

掲載:2007年7月25日

担当編集者のひとこと

記録の大切さ

「君はいつか偉くなると思っていたよ」
 というのは成功した人がよく言われる言葉のようです。大抵の場合、言われたほうは「あんた、そんなこと昔は言っていなかったくせに」と思うことが多いようですが。
 映画や音楽、漫画などのサブ・カルチャーにおいてはよくこういう後講釈の絶賛みたいなものが当然のように書かれることが珍しくありません。今でこそ北野武監督の映画は専門家もこぞって評価しますが、初期の作品は必ずしも評論家受けがよくありませんでした。それが大きな賞を取ったあとは「昔から私は評価していた」みたいな顔をする人ばかりになっていったのです。 なぜこういうことが起こるかといえば、これだけ情報化社会だとか何とかいいながら、このへんのジャンルについてはきちんとした記録、特に本の形での記録が少ないことが一つの理由ではないかと思います。
 日本におけるロック・フェスティバルを定着させた立役者は何と言っても1997年にスタートしたフジ・ロック・フェスティバルです。これ以降、次々にロック・フェスが開催されるようになり、現在では夏だけでも数十万人を動員しています。
 巨大なイベントだけに専門誌などではよく取り上げられていましたが、実は本の形でまとめたものはこれまでほとんどありませんでした。少なくとも新書では一冊もありません。
 なければないで誰か死ぬわけじゃないものの、これだけ多くの人が熱狂しているものについて、ある程度客観的な記録はあったほうがいいのではないか、その考えが『ロック・フェスティバル』という本のスタートでした。
 もちろん客観的な記録といっても、テーマがテーマですから決して真面目くさった内容ではありません。フジ・ロック、サマー・ソニック等はどのようにして生まれ、発展してきたのか、出演者やスタッフたちは何を考えていたのか。貴重な証言も満載です。
 一度でもフェスに行ったことがある人ならば、ご自分の思い出と重なってくる部分もあるでしょうし、無い人には格好のガイドブックにもなっているはずです。フェスの予習、復習にも是非お使いください。

2007/07/25

著者プロフィール

西田浩

ニシダ・ヒロシ

1963(昭和38)年東京生まれ。読売新聞編集委員。文化部でポピュラー音楽の担当を続けてきた。著書に『ロック・フェスティバル』『ロックと共に年をとる』、共著に『この50枚から始めるロック入門』『負けたくなかった 具志堅用高、波瀾の半生を語る』など。

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