日本人の足を速くする
748円(税込)
発売日:2007/05/20
- 新書
- 電子書籍あり
速く走れば日本が変わる。
たとえ筋力や体格で劣っていても、日本人に合ったトレーニング法と正しい身体の動かし方をマスターすれば、世界と戦える。足は「技術」で速くなる――。400mハードルでメダリストとなった“侍ハードラー”が、試行錯誤の末に到達した「走る極意」とは何か。また、大舞台で勝つための集中力の高め方、精緻に計算されたレース攻略法とは。陸上競技の見方が一変する、日本人のための知的陸上読本。
書誌情報
読み仮名 | ニホンジンノアシヲハヤクスル |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610213-4 |
C-CODE | 0275 |
整理番号 | 213 |
ジャンル | スポーツ |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2010/09/03 |
担当編集者のひとこと
百年後のプロフィール
1月下旬、著者の為末大さんとの取材を兼ねた食事の席で、編集長が尋ねました。
「為末さんの夢って何ですか? やっぱり金メダルですか?」
すると、為末さんは笑顔を見せながらも、大まじめにこう言いました。
「金メダルはもちろんなんですけど、最終的には日本人の足を速くしたいんですよ」
この発言が本書のタイトルの由来です。
この為末さんの言葉を聞いたときは、正直「本気かよ?」と思ったのも事実ですが、話を聞くうち、それが決して冗談でも机上の空論でもなく、彼の経験と知識に基づいた自信の表れであると確信するにいたりました(ちなみに、私も“為末トレーニング”で飛躍的に足が速くなった一人です)。 本書では、レースを戦う上での肉体的、精神的、そして技術的奥義をわかりやすく明かしています。これは自らの手の内を相手に教えているようなもので、本来現役プロアスリートであれば、絶対にやらないこと。それなのに、なぜそんなことを綴ったのかと言えば、まさに日本人の足を速くしたいが為なのです。
多くの日本人が抱いている「足の速さは先天的なもの。遅い人はずっと遅い」という誤解を解き、まずは「日本人に合った走り方やトレーニングをすれば、劇的に足が速くなる」と意識革命を起こしてもらいたい。そして、日本のスポーツ界全体を大きく進歩させたい――。為末さんの願いはここにあるのです。
百年後の人名辞典には、「為末大:1978年、広島県生まれ。陸上短距離で日本人として初めて金メダルを獲得したプロ陸上選手。現役引退後は“日本人の足を速くした男”と呼ばれる。……」と記されることでしょう。
2007/05/25
著者プロフィール
為末大
タメスエ・ダイ
元陸上選手。1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2023年6月現在)。現在は執筆活動、身体に関わるプロジェクトを行う。Deportare Partners代表。主な著作に『Winning Alone』『走る哲学』『諦める力』など。