本能の力
748円(税込)
発売日:2007/04/20
- 新書
- 電子書籍あり
体罰は善なり。少年犯罪、ニート、いじめ……「無気味な若者」の増殖を止めよ。
生気のない顔つきの子供がなぜ増えたのか。無気味な少年犯罪が連続するのはなぜなのか。現代日本の歪みは、すべて「本能の力」を軽視したことのツケである。「不快感が子供を育てる」「体罰は進歩のためにある」「非行と不良は別物」「“正しいいじめ”には意義がある」「脳幹を鍛えよ」等。建前論を排し、安易な復古主義にも与せず説く。徹底的に経験に基づいて作り上げた戸塚理論の精髄がここにある。
書誌情報
読み仮名 | ホンノウノチカラ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610212-7 |
C-CODE | 0237 |
整理番号 | 212 |
ジャンル | 教育学 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/04/27 |
蘊蓄倉庫
ジェットコースターに代表される「絶叫マシン」はなぜ人気があるのでしょうか。冷静に考えれば、お金を払って怖い思いをするなんて変な話です。戸塚宏氏は、その理由について、人間の本能には恐怖を求める性質が組み込まれているからだ、と説明します。ではなぜ、恐怖を本能的に求めるのか。そのメカニズムは一言ではいえないので『本能の力』をお読みください。必ず納得されるはずです。
担当編集者のひとこと
怖い人ではありません
『本能の力』の著者、戸塚宏氏は戸塚ヨットスクールの校長です。戸塚ヨットスクールについて語る際には、「あの」という言葉がその前に付くことが多い気がします。
その「あの戸塚ヨットスクールの戸塚校長」ということなので、どうも怖い人だというイメージをお持ちの方が多いようです。
確かに校長は海で鍛えた体の持ち主ですから、60歳をとうに過ぎた現在でも相当に頑健そうに見えます。拳もゴツいです。 しかし、実際にお目にかかると誰もがその紳士的かつ論理的な話し方に驚かれるのではないでしょうか。しかも博覧強記です。「いじめ問題」のような最近の話題についてお尋ねすると、話はいつの間にか『論語』『中庸』へと飛び、ダーウィンが出てきてフロイトが顔を出し、システム工学の話になり……という具合です。
「それでもすぐに怒り出したりするのでは」と疑う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
あるとき「電車の中で走り回るようなしつけのなっていない子供はムカつきませんか」とお尋ねしたところ、こんな答えが返ってきました。
「子供はそのくらい元気なほうがええやないですか」
担当者のほうが狭量さを恥じた次第です。
『本能の力』は、戸塚氏の膨大な知識と豊富な経験が非常に論理的に書かれている本です。「子供は殴って鍛えろ」式の乱暴な話は一切ありません。
2007/04/24
著者プロフィール
戸塚宏
トツカ・ヒロシ
1940(昭和15)年生まれ。戸塚ヨットスクール校長。名古屋大学工学部卒。1975年、沖縄海洋博記念「サンフランシスコ―沖縄単独横断ヨットレース」優勝。1976年、愛知県美浜町に戸塚ヨットスクールを開校。これまでに600人以上の情緒障害児を更生させる。