「法令遵守」が日本を滅ぼす
748円(税込)
発売日:2007/01/20
- 新書
- 電子書籍あり
閉塞感、事なかれ主義、蔓延する弊害の数々……。あなたの会社もコンプライアンス病?
「申し訳ございません。違法行為を二度と起こさないよう、コンプライアンスを徹底いたします」とは、不祥事を起こした際の謝罪会見での常套句。だが、こうした「コンプライアンスとは単に法を守ること」と考える法令遵守原理主義そのものが、会社はおろか、この国の根幹をも深く着実に蝕んでいるのだ。世の中に蔓延する「コンプライアンス病」の弊害を取り上げ、法治国家とは名ばかりの日本の実情を明らかにする。
目次
まえがき
第1章 日本は法治国家か
非公式システムとしての談合/官民一体の違法制度づくり/合理的な「富の配分システム」/公然と行なわれた違法行為/生じ始めた弊害/「隠蔽」を生んだ制裁強化/独占禁止法の不幸な生い立ち/企業は放っておけば悪事を働く?/全面開花した独禁法/企業に脅威の課徴金/公取委と独禁法の敗北/形だけの談合排除宣言/証拠隠しと徹底抗戦/白旗を上げたゼネコン/そして危機に陥る公共工事
第2章 「法令遵守」が企業をダメにする
ライブドア事件は事件か?/かねてから批判されていた経営手法/唐突な検察の違法判定/危うい「村上ファンド事件」捜査/大きく歪んだ法律の意義/インサイダー取引容疑は成立するのか/形式的には法を守ったライブドア/法令遵守が市場をダメにする/法の失敗が招いた耐震強度偽装事件/安全を支えたのは「信用」と「倫理」/建築基準法の幻想/法の強化は安全確保につながらない/不正車検事件の本末転倒/パロマ事故はなぜ事件になったのか/法令遵守が引き起こした社会的非難
第3章 官とマスコミが弊害を助長する
「法令遵守」の弊害/組織の隙間が危ない/法の背後には何があるのか/国家予算という法令/法に基づかない行政指導/経済社会から切り離された官僚たち/違法か否かにこだわるマスコミ報道/当局の判断に追従する記者クラブ/コスト・パフォーマンスのよい「善玉」「悪玉」報道
第4章 日本の法律は象徴に過ぎない
特殊な日本の司法/法律家は巫女のような存在/象徴に過ぎなかった経済法令/密接に関連しあう法律たち/経済活動に介入し始めた検察/特捜検察の武器は「贈収賄」/世論に敏感な捜査方針/求められる経済検察としての役割
第5章 「フルセット・コンプライアンス」という考え方
フルセット・コンプライアンスの五つの要素/潜在的な社会要請を把握せよ/組織づくりに完成はない/いかに組織を機能させるか/頭を下げただけでは不祥事再発は防げない/世間に問題を認識させる/パロマが陥った罠/東横インに足りなかったもの
終章 眼を持つ組織になる
法令は環境変化を知る手がかり/環境変化と企業活動/組織は「環境への適応」で進化する/眼を持つ組織になる
あとがき
書誌情報
読み仮名 | ホウレイジュンシュガニホンヲホロボス |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610197-7 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 197 |
ジャンル | マスメディア、ビジネス・経済 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2013/06/28 |