ひらめき脳
748円(税込)
発売日:2006/04/20
- 新書
- 電子書籍あり
脳にもっと「ひらめき」を! テレビなどで活躍中の大人気脳科学者による、ベストセラー新書。
ひらめきは一部の天才の脳だけに起こるものではない。すべての人間の脳にその種は確実に存在している。突如「Aha!」とやって来て脳に認識の嵐を巻き起こす、ひらめきの不思議な正体に、最新の脳科学の知見を用いて迫る。ひらめきの脳内メカニズム、ひらめきを生み易い環境、「ど忘れ」とひらめきの類似、感情や学習との関係は? 創造の瞬間を生かすも殺すもあなた次第。不確実性に満ちた世界をより豊かに生きるために、ひらめきをこの手でつかみ取ろう!
そのひらめきには理由がある
ひらめきの大博覧会時代
ひらめきは気持ちいい!
快楽の泉を自ら閉ざさないために
「国内総ひらめき」を高めよう
学習とは無数のひらめきの繰り返しである
「小さなひらめき」を抱きしめて
そのひらめきには理由がある
ひらめきの大博覧会時代
ひらめきは気持ちいい!
快楽の泉を自ら閉ざさないために
「国内総ひらめき」を高めよう
学習とは無数のひらめきの繰り返しである
「小さなひらめき」を抱きしめて
ひらめきのサイン
ど忘れの構造
無からひらめきは生まれない
脳の中の空白
空白を奪い合う脳の神経細胞
ひらめきのサイン
ど忘れの構造
無からひらめきは生まれない
脳の中の空白
空白を奪い合う脳の神経細胞
ひらめき研究の実態
スロー・ラーニング
スローでありランダムである
「教師あり学習」と「教師なし学習」
トップダウンか、ボトムアップか
感情が記憶を成立させる
記憶力=編集力
「意味の森」を育む
記憶の変化を測定する
「正確すぎる記憶」の欠点
古代の人間と自閉症の少女
不確実性と感情
感情は原始的?
理性と感情は一体である
不確実だからこそ嬉しい
適切な不確実性
アイ・コンタクトは気持ちいい?
確実と未知とのバランス
「安全基地」の重要性
「安全基地」がひらめきを生む
ノーベル賞とセレンディピティ
予想できないからこそ大きい
セレンディピティを活かすには
一パーセントのひらめきと九十九パーセントの努力
ひらめきとセレンディピティ
会話はひらめきの連続
コミュニケーションの重要性
人生、一瞬で風景が変わる
書誌情報
読み仮名 | ヒラメキノウ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610162-5 |
C-CODE | 0245 |
整理番号 | 162 |
ジャンル | 哲学・思想、心理学、思想・社会、生物・バイオテクノロジー |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/07/27 |
担当編集者のひとこと
タイトルがひらめくまで
編集者の大事な仕事のひとつに、本のタイトルを考えることがあります。ましてや昨今の新書業界では、「タイトル次第で部数が大きく変わる」なんて巷間よく言われるところであります。
『ひらめき脳』の場合。
原稿がアップした。読んだ。すばらしい。もっと良いものにしたい。著者(この場合茂木さん)と修正点を確認する。ブラッシュ・アップした。よし、できた!
と、ここまでの威勢は良かったのですが、はたと困ってしまいました。 「この本のタイトルどうしよう?」
茂木さん、新書編集部、たまたま取材に来ていたNHKのクルー、出版界とは全然関係のない友人、クリーニング屋のおばさん、ノラ犬、神様仏様……この本が「ひらめき脳」というタイトルに決定するまで、どれだけの人に相談したかわかりません。頭をひねり、タイトル1000本ノックを自らに課しても、「これだ!」と確信できるものをひらめくことがなかなか出来ませんでした。挙句、ある日の編集会議で「ひらめきについての本ですが、どうしてもタイトルがひらめきません」と漏らしたら、失笑を買ってしまいました。
参考までにこれまで思いついたタイトルを以下に列挙すると、
ひらめきは0.1秒(茂木さんの案)
脳はひらめく
脳がひらめくとき
ひらめきの理由
ひらめきの脳科学
ひらめきのアハ!体験
ひらめきの快感
ひらめきの扉
ひらめく技術
ひらめきを抱きしめて
ひらめきを掴むために
脳VS.不確実性
ひらめき革命
ひらめきで世界を変える……
「どれも五十歩百歩だよ!」というツッコミは、すでに自分でしております。あるいは「あっちの方がいいじゃん!」というツッコミは悲しくなるので堪えていただけると幸いです。
しかし、長らくタイトル難民となったこの本にも、ついにその日がやって来ました!――となれば、この原稿的に収まりもつくのでしょうが、結局は、「『ひらめき脳』が一番インパクトがあって良いよ。これにしよう」という編集長のツルの一言であっさり決定したのでした。「ひらめき脳」というタイトルは、実は早い段階で思いついていたものでした。まさに本書にも書かれているように、ひらめきとは意外と見過ごされがちで、実は身近なところに転がっているものなんだ、というのがそのときの実感です。「ひらめきは天才だけのもの。私は凡人だからひらめかない」なんて思うことなかれ。みなさんも気づかないうちに無数のひらめきを経験し、それをこれまでの人生に活かしてきたはずです。
というわけで『ひらめき脳』。みなさまの仕事や生活に必ずや役立つ、茂木健一郎流「ひらめき的人生のヒント」がぎっしり詰まった一冊です。って、説得力ないですか?
2006/04/01
著者プロフィール
茂木健一郎
モギ・ケンイチロウ
1962(昭和37)年、東京生れ。脳科学者/理学博士。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学理学部、法学部卒業後、同大大学院物理学専攻課程を修了。理化学研究所、英ケンブリッジ大学を経て現職。クオリア(意識のなかで立ち上がる、数量化できない微妙な質感)をキーワードとして、脳と心の関係を探求し続けている。主な著書に『脳と仮想』(小林秀雄賞受賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫賞受賞)、『ひらめき脳』、『「脳」整理法』、『生きがい』など。