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阿片の中国史

譚ろ美/著

880円(税込)

発売日:2005/09/16

  • 新書
  • 電子書籍あり

玄宗帝から毛沢東までの1200年。アジアの歴史を一変させた悪魔の物語。

阿片戦争から中華人民共和国成立までの約百年間の中国近代史は、阿片抜きには語れない。阿片という麻薬に、これほど蹂躙された国は、世界史の中でも例がない。中国人が麻薬としての阿片を知ったのはいつのことか。最初はどこから入ってきたのか。なぜ、超大国・清がいとも簡単に阿片に侵されてしまったのか。そして共産党と阿片の知られざる関係とは――。中国と阿片の長い歴史をひもとく。

目次
序 章 煙館
第一章 ケシの到来
シルクロードを辿って
下から二番目の花
不美人の代名詞
漢方の国の薬用メニュー
李時珍は知らなかった!?
第二章 尼さんの阿片
偶然吸ってしまったら……
歴代王朝の宿願
マルコ・ポーロの見た「塩の道」
大航海時代で迫る列強
第三章 「新商品」に生まれ変わった阿片
丁重なもてなしの必需品
技術革新が支えた紅茶ブーム
専売制に救われたインド
手間ひまの結晶
総量規制で国際競争力維持
毒か薬か、右往左往
国家の中枢から庶民まで
第四章 小説と現実の阿片商人
冒険小説と阿片
ロビンソンの見た中国
異教徒の国への偏見と現実
香港に銀行ができた理由
第五章 千トンの白煙
弛禁論と厳禁論
林則徐の徹底摘発
反発、根負け、エリオット
三週間もかかった処分作業
開戦前夜の緊張
第六章 阿片戦争
ささやかな勝利
林の罷免、後任の背任
皇帝を裏切る血族
紹興で痛飲する将軍
漁夫の利むさぼる列強
第七章 日本にはなぜ蔓延しなかったのか
強国・清が負けて大騒ぎ
アメリカの巧みな脅しと親切
ペリーはどこを通ってやってきたのか
中国に釘付けのイギリス
太平洋航路で劣勢挽回
若き維新政府も必死だった
第八章 悪魔の密約
最新流行と糞尿の上海
秘密結社「青幇」
最初は「紅」が強かった
共同租界から仏租界へ
フランスのご都合主義
最終章 毛沢東と阿片
上海の労働運動の悩み
宋家と蒋介石と青幇
取締りの総監督=阿片の帝王
日本も大陸で大儲け
共産党のトップシークレット
援蒋輸血路だけが残った
あとがき

主な参考文献

書誌情報

読み仮名 アヘンノチュウゴクシ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610133-5
C-CODE 0222
整理番号 133
ジャンル 社会学、ノンフィクション、世界史
定価 880円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/02/24

著者プロフィール

譚ろ美

タン・ロミ

東京生まれ。作家。慶應義塾大学文学部卒業。元慶應義塾大学訪問教授。革命運動に参加し日本へ亡命後、早稲田大学に留学した中国人の父と日本人の母の間に生まれる。『中国共産党を作った13人』『阿片の中国史』『戦争前夜—魯迅、蒋介石の愛した日本』など著書多数。

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