日本のかご―えらぶ・かう・つかう―
1,760円(税込)
発売日:2012/09/24
- 書籍
「かご好き」さん、お待たせしました! 一生もの、きっと見つかります。
「かご」って愛おしい! バッグや物入れ、キッチンツールといった暮らしの道具から、花かご・鳥かごの工芸品まで、日本各地で作られた美しいかご250点が大集合。素材、編み方、かたち、用途……その多彩さには目を瞠ります。カリスマたちの素敵な使いかたや産地ルポ、ショップ情報も充実。「かご好き」を満足させる待望の一冊!
台所道具
リビングまわり
中川ちえさん
森田直さん、和子さん
岡本敬子さん
後藤由紀子さん
日本のかごのふたつの流れ
素材について
編み方について
かご産地分布図
日本のかごの現状とこれからのこと
かごをつくってみよう
松野弘さん/東京「谷中 松野屋」
川崎啓さん/京都「ギャラリー啓」
日野明子さん/ひとり問屋「スタジオ木瓜」
伊藤征一郎さん/「世界のかご カゴアミドリ」
BAICA
清水貴之
別府クラフト
油布昌孝
竹工芸 山正
二戸へ
柴田恵
田村ルヨ
田村ソノエ
もみじ交遊舎
CLASKA Gallery&Shop“DO”
Babaghuri
公長齋小菅
kegoya
2〈アメニティセットでおもてなし〉
3〈毎日のものをひとまとめ〉
4〈デコレーションアイテムとして〉
5〈一石二鳥のインテリア〉
書誌情報
読み仮名 | ニホンノカゴエラブカウツカウ |
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シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | B5判変型 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602235-7 |
C-CODE | 0372 |
ジャンル | 手芸・クラフト、趣味・実用、生活情報 |
定価 | 1,760円 |
担当編集者のひとこと
日本のかご―えらぶ・かう・つかう―
「かごの本、興味ありませんか」
小澤典代さんから、そう訊かれたのは、たしか一昨年の夏ごろだった。
「かご、って、あのかごでしょうか?」。唐突でもあったので、つい呆けたリアクションをしてしまったのであるが、じつはそのとき同時に「かごかぁ。かごっていいよなぁ」と思い、ぜひ本にしたいと心に決めていた。
かごといえば、大体ぼんやりと思い浮かべてしまうのが、観光地のおみやげ屋の軒先。中国やアジアの国々から輸入されてきた、ちょっとぼそぼそしたかごバッグやザルなどの生活雑貨が廉価で売られている。安くてかわいいから、つい買ってしまうけれど、編み方も粗いし、素材もとげとげしていて、うっかりすると手を怪我してしまう。
「日本のかごは、素晴らしいんですよ。アジアの安いお土産品とは比べ物になりません!」小澤さんは、熱っぽく語るのだった。日本の農村で生まれる生活道具としてのかごは、いかに素材が吟味されているか。いかに編み手の技が継承されてきたか。いかに使いやすく、美しいか。とくに、竹細工のふるさとである別府でのかご作りの取り組み方や、若手のセンスのよさや今後さらに期待がもてること、また、岩手の山村・二戸地区でずーっと受け継がれてきた美しいかご作り――技が他地域にもれ伝わってしまうのを嫌って、編み手である女性はよそへお嫁に出さないらしい、といったことまで――小澤さんの深くて熱心な取材力と旺盛な好奇心から語られる言葉が、私に迫ってくる。
小澤さんの驚異的な粘りと熱意の末に、あの大震災をはさんで、本書は完成した。東北の編み手の方々にも、心からお見舞いと御礼を申し上げたい。
世の「かご大好き」さんたちへ贈る書です。ぜひ手にとってください。
2016/04/27
著者プロフィール
小澤典代
オザワ・ノリヨ
インテリアスタイリスト。1961年千葉県生まれ。fu-chi web主宰(http://fu-chi.net)。「今」の空気感と個々のライフスタイルを大切にしたスタイリングを提案。手仕事、アーティスト、旅など暮らしにかかわるテーマを掘り下げている。著書に『日本の手仕事 伝統の手わざが生み出す美しい日用品』(主婦の友社)、『金継ぎのすすめ ものを大切にする心』『雑木のある庭に暮らす』(誠文堂新光社)、『韓国の美しいもの』『日本のかご―えらぶ・かう・つかう―』(新潮社)など。