茶碗と茶室―茶の湯に未来はあるか―
1,760円(税込)
発売日:2012/05/25
- 書籍
「茶の湯はもう終っている。それでも、甦ることもある」
「茶の湯の茶碗はそれだけで見てもわからない。それぞれにふさわしい場があるはずだ」(樂吉左衞門)。長次郎の黒楽茶碗×利休の茶室「待庵」、大井戸茶碗×醍醐寺三宝院、志野茶碗×織部の茶室「燕庵」……国宝・重文多数、茶碗と茶室の連続コラボで問い直す、珠光、信長、利休、織部、光悦、そして現代の茶とは何か。
はじめに 樂吉左衞門とは誰か
茶碗と茶室 文|樂吉左衞門+編集部
一◇満月と侘び 村田珠光
珠光青磁茶碗/大徳寺龍源院
二◇すこやかで骨太なもの
大井戸茶碗「東方朔」/醍醐寺三宝院
三◇闇のなかへ 千利休
長次郎作 黒楽茶碗「ムキ栗」/妙喜庵待庵
四◇破格という叫び 古田織部
志野茶碗「老の友」/藪内燕庵
五◇遊びの勝利 本阿弥光悦
本阿弥光悦作 赤楽茶碗「乙御前」/角屋
六◇彼方への回路 樂吉左衞門
十五代樂吉左衞門作 焼貫黒楽茶碗「入渓」/樂吉左衞門館盤陀庵
茶の湯を生きた人々 文|木村宗慎
一◇美の下克上 村田珠光とその時代
二◇茶の政治化 織田信長とその時代
三◇政商の末路 千利休とその時代
四◇乱世の終り 古田織部とその時代
五◇余白の人生 本阿弥光悦とその時代
現代において茶室は可能か
佐川美術館「樂吉左衞門館」の試み
茶碗と花 苦しみと楽しみ
対談|樂吉左衞門+川瀬敏郎
終りに 黒楽茶碗と待庵
文|樂吉左衞門
書誌情報
読み仮名 | チャワントチャシツチャノユニミライハアルカ |
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シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | B5判変型 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602232-6 |
C-CODE | 0376 |
ジャンル | 茶道 |
定価 | 1,760円 |
著者プロフィール
樂吉左衞門
ラク・キチザエモン
陶芸作家。樂家15代当主。樂美術館館長。1949年京都府生れ。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。2年間のイタリア留学後、1981年15代吉左衞門を襲名。1983年の初個展以後、国内・海外で展覧会多数。1992年日本陶磁協会賞金賞、1997年織部賞、1998年毎日芸術賞、2006年MOA岡田茂吉大賞、2007年京都市文化功労賞など受賞多数。2000年にはフランス政府より「芸術・文化勲章シュヴァリエ」を受章。2007年、自ら設計した樂吉左衞門館(佐川美術館内)が開館、「AACA・日本建築美術工芸協会賞」など多数受賞。著書に『樂焼創成―樂ってなんだろう―』『茶室をつくった。』『ちゃわんや』(いずれも淡交社)など。
川瀬敏郎
カワセ・トシロウ
花人。1948年京都府生れ。幼少より池坊の花道を学ぶ。日本大学芸術学部卒業後、パリ大学へ留学。1974年に帰国後は流派に属さず、独自の創作活動を続ける。2009年、京都府文化賞功労賞を受賞。著書に『花会記―四季の心とかたち―』(淡交社)、『川瀬敏郎 今様花伝書』(新潮社)、共著に『神の木―いける・たずねる―』(新潮社とんぼの本)など。
木村宗慎
キムラ・ソウシン
1976年愛媛県生れ。茶人。神戸大学法学部卒業。少年期より裏千家茶道を学び、1997年に芳心会を設立。京都、東京で稽古場を主宰しつつ、雑誌の記事やテレビ番組、展覧会等の監修を手がける。2008年、日本博物館協会顕彰。2011年、JCDデザインアワード金賞。2011年、宇和島大賞。2014年より「青花の会」世話人。著書に『茶の湯デザイン』『千利休の功罪。』(ともに阪急コミュニケーションズ)。『利休入門』(新潮社とんぼの本)など。