仏教入門 法然の「ゆるし」
1,760円(税込)
発売日:2011/09/27
- 書籍
「日本最大の思想的革命家は法然である」――梅原猛
「南無阿弥陀仏」と唱えれば、必ず極楽浄土へゆける――平安末期の乱世、法然が説く常識外れの「念仏」の教えが人々の心をとらえたのはなぜか? 激しい弾圧にも屈せず、鎌倉新仏教の嚆矢となった浄土宗の祖の生涯と思想を、国宝《法然上人絵伝》他のヴィジュアルで読み解く。
「万民救済」に生きた日本仏教の革命家
リアリストの革新性とは
町田宗鳳
梅原猛
美作と京都に上人の足跡を辿る
〈1〉「法然上人絵伝」の成立
〈2〉帰ってきたほとけさま
〈3〉一百四十五箇条問答
法然ゆかりの地マップ
年表
書誌情報
読み仮名 | ブッキョウニュウモンホウネンノユルシ |
---|---|
シリーズ名 | とんぼの本 |
雑誌から生まれた本 | 芸術新潮から生まれた本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | B5判変型 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602225-8 |
C-CODE | 0315 |
ジャンル | 宗教 |
定価 | 1,760円 |
担当編集者のひとこと
仏教入門 法然の「ゆるし」
今年は、浄土宗の開祖、法然上人(1133~1212)800回忌となります。京都の総本山知恩院をはじめ、各地で大規模な法要が行われています。
梅原猛さんいわく法然は、「日本最大の思想的革命家」。一体何をどのように変革したのか? 日本仏教にとどまらず日本文化にも大きな影響を与えた宗教家の人生と教えを、分かりやすく、深く、解説したのが本書です。
その生涯については、国宝絵巻「法然上人絵伝」とともに、ターニングポイントとなる年齢を見出しに掲げ、見開き単位で、紹介しました。思想については気鋭の宗教学者、町田宗鳳さんがQ&A形式で、難解になりがちな仏教教義を現代の私たちの感覚に寄り添うよう明晰に説いてくださいました。そして知の巨人、梅原猛さんは、ご自身と法然のかかわりを省みながら、その思想の核心に迫る論考、タイトルもズバリ「死の教師、法然」をご寄稿くださっています。さらに故郷、岡山県美作と京都を取材した「法然への旅」と「法然ゆかりの地マップ」も収録、充実の入門書となっています。 2011年は、法然上人の直弟子である親鸞聖人(1173~1262)の750回遠忌でもあり、とんぼの本では、本書と同時に『仏教入門 親鸞の「迷い」』も刊行しました。この二人、その教えはほぼ同じなのですが、比べてみると、生き方や性格、その後の教団の発展などに大きな違いがあります。あわせてお読みいただければ、人間“法然”“親鸞”のイメージがより豊かなものになるのではないかと思います。
東京国立博物館では今秋、「法然と親鸞 ゆかりの名宝」展が開催されます。本書に掲載のさまざまな遺品、美術品が出展されますが、仏教美術はその文脈を知ってこそ大いに楽しめるもの。展覧会に行く前の予習に、行った後の復習にも最適の一冊です。
法然上人八百回忌・親鸞聖人七百五十回忌
特別展「法然と親鸞 ゆかりの名宝」
会期 2011年10月25日(火)~12月4日(日)
会場 東京国立博物館 平成館(上野公園)
www.honen-shinran.com
2016/04/27
著者プロフィール
梅原猛
ウメハラ・タケシ
(1925-2019)1925年宮城県生まれ、哲学者。国際日本文化研究センター顧問。京都大学文学部哲学科卒業。立命館大学教授、京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター所長などを歴任。縄文時代から近代までを視野におさめ、文学・歴史・宗教等を包括して日本文化の深層を解明する幾多の論考は〈梅原日本学〉と呼ばれる。著書に『隠された十字架一法隆寺論』、『葬られた王朝一古代出雲の謎を解く』、『親鸞「四つの謎」を解く』(以上すべて新潮社)など多数。
町田宗鳳
マチダ・ソウホウ
比較宗教学者。広島大学大学院総合科学研究科教授。広島大学環境平和学プロジェクト研究センター所長。各地で座談会「風の集い」を主宰。1950年京都府生れ。14歳で出家、臨済宗大徳寺で修行後34歳で渡米。ハーバード大学神学部で修士号、ペンシルバニア大学東洋学部で博士号を取得。著書に『法然対明恵』(講談社)、『人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉―』(日本放送出版協会)、『法然の涙』(講談社)、『法然、愚に還る喜び―死を超えて生きる―』(日本放送出版協会)、『ニッポンの底力』(講談社)など。