ヴァチカン物語
1,760円(税込)
発売日:2011/06/24
- 書籍
「ヴァチカンを知らなければヨーロッパは理解できない」塩野七生
ここは世界最小の国家にして、歴代教皇と天才芸術家たちが築き上げた美の殿堂、そして比類なき祈りの空間。「キリスト教とは何か」を厳しく問う塩野七生氏の語りを皮切りに、二千年に及ぶ聖地の歴史ドラマを辿る。イタリア美術の権威によるサン・ピエトロ大聖堂とヴァチカン美術館の詳細ガイド、教皇庁の秘話を明かすコラムも多数収録。
談*塩野七生
ヴァチカン2000年史
文*石鍋真澄
サン・ピエトロ大聖堂を歩く
文*石鍋真澄
サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ
サンタ・マリア・マッジョーレ
サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ
ヴァチカン美術館
*悪魔と取引した? 暴れん坊教皇ボニファティウス八世
*東方の神秘 謎の司祭ヨハネと中世の教皇たち
*時には命がけの教皇選 コンクラーヴェ
*エクソシストは実在する!
*どうなってるの ヴァチカン・マネー
*精鋭ぞろい、スイス衛兵の歴史
*ヴァチカンの日常生活
書誌情報
読み仮名 | ヴァチカンモノガタリ |
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シリーズ名 | とんぼの本 |
雑誌から生まれた本 | 芸術新潮から生まれた本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | B5判変型 |
頁数 | 144ページ |
ISBN | 978-4-10-602218-0 |
C-CODE | 0326 |
ジャンル | 世界史、海外旅行 |
定価 | 1,760円 |
サン・ピエトロ大聖堂内に座す等身大の聖ペテロ像
担当編集者のひとこと
ヴァチカン物語
真冬のローマで、塩野七生さんにお会いすることができました。「敬意を持って言えば、ヴァチカンは敵なのよ」と、画家ティツィアーノと名づけられた薄紅色のカクテルを、ほんの少しだけ口に含みつつ。なぜなら「ヴァチカンを知らなければ、ヨーロッパは理解できないから」と……。数十年にわたってイタリアに住み、ルネサンス、古代ローマ、そして中世の歴史に挑み続ける塩野さんのその言葉には、ぴりっと冷たいヨーロッパの空気に、切り込んでいくかのような力がありました。
美術史家・石鍋真澄先生と歩いたサン・ピエトロ大聖堂の壮大さ。現地で解説していただいた、思いがけない見どころや聖堂の建造秘話は、本書にもしっかりと収録されています。
新進の歴史家・藤崎衛氏による、異色の教皇や現役エクソシスト、ヴァチカン市国の日常生活など、驚きに満ちた、そして濃密なコラムにもご注目ください。
もちろん、ヴァチカン美術館やローマの四大バジリカの詳しい紹介も収録しています。確かな手応えを感じていただける一冊と信じて。
2016/04/27
著者プロフィール
塩野七生
シオノ・ナナミ
1937年7月7日、東京生れ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。1982年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。1983年、菊池寛賞。1992年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくむ(2006 年に完結)。1993年、『ローマ人の物語I』により新潮学芸賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に選ばれる。2008ー2009年、『ローマ亡き後の地中海世界』(上・下)を刊行。2011年、「十字軍物語」シリーズ全4冊完結。2013年、『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』(上・下)を刊行。2017年、「ギリシア人の物語」シリーズ全3巻を完結させた。
石鍋真澄
イシナベ・マスミ
美術史家。成城大学文芸学部教授。イタリア美術、主にバロック美術を研究。1949年埼玉県生れ。東北大学大学院修士課程修了。文学博士。1975-79年、フィレンツェ大学に留学。1982-83年および1988-89年にローマ、2010-11年にフィレンツェで研究。おもな著書に『ベルニー二』『聖母の都市シエナ』『サン・ピエトロが立つかぎり』『ありがとうジョット』『サン・ピエトロ大聖堂』(いずれも吉川弘文館)、『アッシジの聖堂壁画よ、よみがえれ』『ルネサンス美術館』(共に小学館)、『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』『フィレンツェの世紀』(共に平凡社)など。