利休入門
1,540円(税込)
発売日:2010/01/25
- 書籍
あの時代、「茶の湯」とは何だったのか。
いったい、この男の何が「凄い」のだろう? 利休の逸話は数多いが、そのほとんどが作り話だ。信長、秀吉とのほんとうの関係、楽茶碗にこめられた意味、暗い茶室でこころみた工夫――いま注目の若手茶人が、茶碗、茶室、侘び、禅、死ほか一〇章で語る、茶の湯をよく知らない人のための、新しい入門の書。
茶碗
「楽」はなぜ作られたのか
「井戸」を愛した理由
茶室
国宝「待庵」は名作か
窓の発明
飾り
大名の茶
信長と利休
侘び
先達ふたり 珠光と紹鴎
侘びとは何か
茶会
北野大茶湯
「見る」から「寄る」へ
能
堺の時代
世阿弥と利休
禅
大徳寺と「個」
墨跡とは何か
死
秀吉と利休
切腹の意味
神
弟子の生きかた 織部と三斎
茶は信仰か
形
「利休形」の虚実
遺されたもの
家元が語る
「利休さんがいまの茶の湯を見たら驚くと思う」 千宗守
利休年譜
書誌情報
読み仮名 | リキュウニュウモン |
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シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | A5判 |
頁数 | 120ページ |
ISBN | 978-4-10-602199-2 |
C-CODE | 0376 |
ジャンル | ノンフィクション、茶道 |
定価 | 1,540円 |
担当編集者のひとこと
利休入門
取材は昨年の10月から11月にかけて、すべて京都で撮影しました。上の写真は、著者の木村さんの稽古場から撮影場所へむかうときのタクシーのトランク。茶道具の撮影はたいへんです。今回は室町、桃山、江戸時代から伝えられた重文級の道具が多く、そうした物は何重もの箱におさめられています。毎回こんなふうにして道具を積んで(この日は車2台でした)、大徳寺その他の茶室へ日参していました。(小島さんはじめ、手伝ってくれた木村さんのお弟子さんたち、ほんとうにありがとう!)下の写真は、現場に着いて、ひとつひとつ箱をあけてゆく木村さんの姿(高台寺で)。茶事のときの所作も美しい人でしたが、その前後の、道具の出入れのときの手際のよさには眼を見はりました。箱の紐の解きかた、茶碗など道具を手にとるときのやわらかな仕草、そして撮影後、道具をしまい、いくつもの箱をまとめて風呂敷でつつむときの力の按配…もちろん知識もゆたかで、理論も切れる人でしたが、私がそうした「言葉」を信頼できたのも、道具をあつかう彼の所作の美しさに感心していたからです。
2010/01/25
著者プロフィール
木村宗慎
キムラ・ソウシン
1976年愛媛県生れ。茶人。神戸大学法学部卒業。少年期より裏千家茶道を学び、1997年に芳心会を設立。京都、東京で稽古場を主宰しつつ、雑誌の記事やテレビ番組、展覧会等の監修を手がける。2008年、日本博物館協会顕彰。2011年、JCDデザインアワード金賞。2011年、宇和島大賞。2014年より「青花の会」世話人。著書に『茶の湯デザイン』『千利休の功罪。』(ともに阪急コミュニケーションズ)。『利休入門』(新潮社とんぼの本)など。