日本民藝館へいこう
1,540円(税込)
発売日:2008/05/23
- 書籍
東京でいちばん居心地のよい美術館は、ふだんの生活に役立つデザインで一杯!
時代も産地もさまざまな、すこやかな道具たち。柳宗悦があつめた品々がもっとも美しくみえる場所、日本民藝館。ボーンと柱時計が鳴り、木の床のきしみや風にゆれる木立のかすかな葉ずれが伝わってくる空間に身をおき、器や布や絵や家具を、その姿と細部を、素直に、ひたすらにながめていると、ふだんの生活を豊かにする「眼」が養われていく。
撮影……筒口直弘
22の美しいもの
古道具屋・坂田和實の選択
あかるいもの 日本
のどかなもの 李朝
はるかなるもの 中国と西洋
文……ピュア民藝派宣言
選んだ22点について
デザイン、好み、身のまわり
坂田和實*尾久彰三*山口信博
ものがたり日本民藝館
民藝と暮らす家
7人のプリズム
小春日和の教室 中村好文
蟲たちの時空 ぱくきょんみ
緑の誘い 勝本みつる
二と三と四 束芋
ぐらぐら 穂村弘
井戸茶碗に呼ばれて 千宗屋
附2 さて、なにを買おうかな
書誌情報
読み仮名 | ニホンミンゲイカンヘイコウ |
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シリーズ名 | とんぼの本 |
雑誌から生まれた本 | 芸術新潮から生まれた本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | A5判 |
頁数 | 120ページ |
ISBN | 978-4-10-602171-8 |
C-CODE | 0372 |
ジャンル | 彫刻・工芸 |
定価 | 1,540円 |
担当編集者のひとこと
日本民藝館へいこう
本書の文字校正をおえようとしていた頃、信楽のMIHO MUSEUMに「与謝蕪村」展[~6/8]を見に行った。そこで出会ったチラシ「愉快なクリム 朝鮮民画」展にビックリ。本書のために日本民藝館所蔵品から坂田和實氏が選んだ22点の1点「民画 瀟湘八景図 洞庭秋月・平沙落雁」の二幅の間にもう一幅がはさまれ、三幅対となった図版が一面をしめている。「八景」といわれるからには、確かに八幅あったはず。でも、あとの六幅の行方のことは、きいたこともない。「別冊太陽 柳宗悦の世界」(2006刊)でも「現在は……2図しかないのが残念だが」とある。
チラシを読む。「なかでも新収の『漁村落照』はかつて料治熊太(古美術研究家)が慶州で集めた絵で……日本民藝館所蔵の……と姉妹作品です。今回はこれらの三枚の京都に集うまたとない機会です。」会場の高麗美術館へ駆けつけることになった。ただし、展示は5月25日まで。本稿をお読みの方のため、ふたたび、どこかで再会する場があることを願うとともに、チラシ集めにも、時に、こんなうれしいことがおこることを記しておきたい。
2016/04/27
著者プロフィール
坂田和實
サカタ・カズミ
1945年、福岡県生れ。上智大学卒業後、商社勤務を経て、1973年、東京・目白に古道具屋を開く。以来年に数回、海外へ仕入の旅に出かけ、ヨーロッパ、アフリカ、朝鮮、日本、南米など、さまざまな国の品物を扱う。1994年、千葉県長生郡長南町に美術館as it is(設計=中村好文)を開館。主著に『ひとりよがりのものさし』(2003年、新潮社)、〈とんぼの本シリーズ〉に、『骨董の眼利きがえらぶ ふだんづかいの器』(共著、2002年、新潮社)がある。現在、「古道具坂田」主人。
尾久彰三
オギュウ・シンゾウ
1947年、富山県生れ。早稲田大学大学院文学研究科美術史学科修士課程修了後、1978年、日本民藝館に入る。主著に『愉快な骨董』(1997年、晶文社)、『これは「骨董」ではない』(1999年、晶文杜)、『貧好きの骨董』(2003年、晶文社)、『丸ごと韓国骨董ばなし』(2006年、バジリコ)。現在(2008年5月)、日本民藝館学芸顧問。
山口信博
ヤマグチ・ノブヒロ
1948年、千葉県生れ。桑沢デザイン研究所中退。デザイン事務所、コスモPRを経て独立。主な仕事としては、住まいの図書館『住まい学大系』全100冊のブック・デザイン、鹿島出版会の雑誌「SD」のアート・ディレクター、SD選書のリニューアル。著書に『白の消息』(2006年、ラトルズ)。共著に『礼のかたち』『折る、贈る。』(共に2003年、ラトルズ)、『半紙で折る折形歳時記』(2004年、平凡社)。アート・ディレクター。現在(2008年5月)、折形を研究する場、折形デザイン研究所主宰。