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白洲正子と楽しむ旅
1,540円(税込)
発売日:2003/08/23
- 書籍
白洲さんは旅上手!? “目からうろこ”の体験を与え続ける本を手に旅に出発!
旅によって白洲さんは形づくられていった。そのことが私たちを旅に誘う。名著『かくれ里』で歩かれたあの魅力的な里や祭は、今どうなっているのか? 「愛の上人」明恵のいぶきが残る寺・高山寺とは? その生誕地・紀州とは? 傑作『西行』を手に紀州高野山と讃岐の地へ。武相荘から正子さんの散歩道もたどってみました。
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『かくれ里』に描かれている葛川明王院の本堂。この雪景色の美しさはあまり知られていない
撮影:井上隆雄
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名著『かくれ里』取材中の白洲正子さん
撮影:野中昭夫
【その二】紀州遺跡を訪ねる
◆湖北 菅浦◆
◆田原の古道◆
◆山国の火祭◆
山崎省三
【その二】讃岐の旅
書誌情報
読み仮名 | シラスマサコトタノシムタビ |
---|---|
シリーズ名 | とんぼの本 |
雑誌から生まれた本 | 芸術新潮から生まれた本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | A5判 |
頁数 | 152ページ |
ISBN | 978-4-10-602105-3 |
C-CODE | 0395 |
ジャンル | ノンフィクション、歴史・地理 |
定価 | 1,540円 |
担当編集者のひとこと
白洲正子と楽しむ旅
「白洲正子の旅上手」──本書の題名を検討していた時、このようなタイトルがうかび上ったことがありました。なかなか、いい題名。でも、普通の意味では、白洲さんは旅上手ではないのでは? しかし、だからこそ、読者の方々にインパクトをあたえるのでは? なやみました。それは、編集作業をすすめている過程でも続き、編集者を刺激したものです。いわば、編集段階でのキー・ワードになっていたのです。 名著『かくれ里』の冒頭に、次のような一文があります。〈毎月のように取材に出るが、肝心の目的よりわき道へそれる方がおもしろくて、いつも編集者さんに迷惑をかける。が、お能には橋掛り、歌舞伎にも花道があるように、とかく人生は結果より、そこへ行きつくまでの道中の方に魅力があるようだ〉
目的地へ最短距離を最短時間で着くのが、現代の旅行だとすれば、白洲さんは旅上手ではありません。しかし、ファーストフード全盛に疑問をいだき、スローフードが注目されてきた現在、白洲さんの旅の流儀こそ、これからの旅上手として見直されるべきではないでしょうか。
旧白洲邸「武相荘」を訪ねた方は、宅地造成の進んだ周辺の景観にびっくりされたにちがいありません。白洲さんが、どのような景色のなかに住みたかったか? 失われた景観を、武相荘からの「正子さんの散歩道」に探してみました。お出かけ下さい。
美しくも哀愁に満ちた原地の「松上げ」。白洲さんは〈あの夢のような風景が、今もって現実のものとは信じられない〉と書いている。 撮影:野中昭夫
2016/04/27
著者プロフィール
白洲正子
シラス・マサコ
(1910-1998)1910年東京生まれ。幼い頃より能を学び、14歳で女性として初めて能舞台に立ち、米国留学へ。1928年帰国、翌年白洲次郎(1902〜1985)と結婚。古典文学、工芸、骨董、自然などについて随筆を執筆。『能面』『かくれ里』『日本のたくみ』『西行』など著書多数。1998年没。
光野桃
ミツノ・モモ
1956(昭和31)年、東京生れ。小池一子氏に師事した後、編集者を経て、1988年からイタリアで取材活動を行い、帰国後、文筆活動を開始する。『個人生活―イタリアが教えてくれた美意識』『妹たちへの贈り物』『ベネチア行き』『スランプ・サーフィン』『可愛らしさの匂い』など著書多数。卓越した美的センスと情感溢れる作風が、性別も年齢も超えた幅広い層に支持されている。
青柳恵介
アオヤギ・ケイスケ
1950年、東京生まれ。成城大学大学院博士課程修了。専門は国文学。古美術評論家。成城学園教育研究所勤務。成城大学、東京海洋大学非常勤講師も務める。著書に『風の男 白洲次郎』(新潮社、1997)、『骨董屋という仕事』(平凡社、1999)、『柳孝 骨董一代』(新潮社、2007)、『白洲次郎と白洲正子―乱世に生きた二人―』(新潮社、2008)などがある。
山崎省三
ヤマザキ・ショウゾウ
1928年、東京生れ。1948年、旧制水戸高等学校(理甲)卒、同年新潮社に入社。1950年、「芸術新潮」創刊とともに同編集部勤務(後に編集長)。主著に『道祖神は招く』(新潮社、1995)、『随筆集 石』(刊行社、2004)、『回想の芸術家たち「芸術新潮」と歩んだ四十年から』(冬花社、2005)、とんぼの本シリーズに『道祖神散歩』(共著、1996)がある。2006年、没。