僕はいかにして指揮者になったのか
649円(税込)
発売日:2010/08/30
- 文庫
「雑草」から頂点へ。世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルの指揮台に。夢を追うすべての人を励ます「マエストロ佐渡」の若き日の軌跡。
「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になる」──小学校の卒業文集に書いた夢を、佐渡裕はついに現実のものとする。指揮者としての正式な教育を受けていない自称「音楽界の雑草」が、なぜ巨匠バーンスタインに可愛がられることになったのか。「ライフ・キャン・ビー・ビューティフルや!」という師の言葉を胸に、世界中の名門オーケストラで指揮棒を振る男の人生讃歌。
目次
文庫版まえがき
プロローグ 演奏会ほど面白いものはない!
「いっぺん演奏会に来いひんか?」/演奏会でしか“凄い瞬間”は味わえない/欲しい音のためなら素っ裸になってもいい/クラシックの演奏会は、静けさの中にその醍醐味がある/音楽の知識が“凄い瞬間”を生むわけではない/心をシビレさせる感動は、言葉ではなく音楽にある/自分のためにもっと演奏会を楽しんで
第1章 僕が指揮者になった理由
音楽を表現することが僕の天職?/「音楽はすべてが創造です」/僕に音楽を教えてくれた人/初めて会ったおじさんに「君は指揮者か?」/僕の“守護(指導)霊”は燕尾服を着た指揮者だった!?/せっかくの弟子入りも、「キミね、もう来なくていいよ」の一言/「あんた!! 趣味でやってんのか!?」と言われても……/二度も同じオーディションに落ちたのは、“指導霊”のおかげ?/何でもありの、副指揮者という仕事/小間使い的副指揮者の考えること
第2章 “世界のオザワ”、そしてバーンスタインと出会う
小澤征爾に憧れてクラシックの世界に/とにかくブッ飛んでいた小泉和裕さん/指揮はミサイルゲームと同じ!?/ダメもとでタングルウッドに応募/“オマケ”のビデオが審査員の目にとまる/憧れの小澤先生から激励の言葉/僕の履歴書はゴミ箱行きだった/扉の隙間に耳を当てて聴いたバーンスタインの《巨人》/「セイジ、コイツはお前の弟子やないやろ?」/「面白い」ではなく「シブイ」と言ったバーンスタイン/「オレと結婚するか?」/カリスマ的な存在の小澤先生/「あんたね、バカじゃなかったら親に借金しなさい」/「きったない棒を振るんですけどね」/「どーも、あんたは遊んでいるような気がする」/小澤征爾がオーケストラに好かれる理由/僕が行くところ、小澤先生の影あり
第3章 バーンスタインのもとへ
佐野さんとバーンスタインの出会い/佐野さんとの不思議な出会い/「宝クジはな、買わな絶対に当たらへんで」/「ユタカ、お前、英語はうまなったんか?」/「二年経っても芽が出えへんかったら指揮者は辞める」/「音楽家を目指す者は、豊かな生活をせなあかん」/自分の枠を取り外すこと/見知らぬ二人のスポンサー
第4章 オーケストラで指揮したい!
ウィーンでの最初の夕食はザーサイご飯/オーケストラで振りたい!/コンクール嫌いになった理由/招待状が届いたのは「ブザンソン」だけ/夢のお告げで判明、課題曲を間違えて練習していた僕!/僕は間違い探しに来たんやない!/オーケストラも審査員も聴衆も味方に/早々と優勝のスピーチを考える/初めての挫折――怖くて譜面が開けない/音楽をしに僕はブザンソンに来たんだ!/最後までわからなかった審査結果/僕のために一心に祈ってくれていたレニー
第5章 指揮者というもの
大好きなマーラーを感じるウィーンの街/ジェット機で移動するレニーを、夜行列車で追いかける僕/「ライフ・キャン・ビー・ビューティフルや!」/「お前は、手を動かすためにここに来たんか!」/僕のデビュー曲が決まった経緯/「ここからはレナード・バーンスタインなんや」/音符に自分の生命を吹き込んでから表現する/「オレの親友のルートヴィヒや」/指揮者に本当に必要なもの/僕の指揮を見たことがあるんやろか……/僕は人を集める天才!?/サービスの原点は、お客さんに喜んでもらうこと/指揮者の存在/体調を崩しても指揮台に立つレニー/音楽を愛し、また音楽を愛する人に優しかったレニー/レニーとの最後の別れ/今夜が僕の引退公演!
佐渡流「演奏会の楽しみ方」
おわりに
文庫版あとがき
解説 林田直樹
おわりに
文庫版あとがき
解説 林田直樹
書誌情報
読み仮名 | ボクハイカニシテシキシャニナッタノカ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 280ページ |
ISBN | 978-4-10-133591-9 |
C-CODE | 0136 |
整理番号 | さ-70-1 |
ジャンル | 音楽 |
定価 | 649円 |
著者プロフィール
佐渡裕
サド・ユタカ
1961(昭和36)年生れ。京都市立芸術大学音楽学部卒業。1987年の「タングルウッド音楽祭」で小澤征爾とレナード・バーンスタインに才能を認められ、バーンスタイン「最後の愛弟子」となる。1989(平成元)年「ブザンソン国際指揮者コンクール」で優勝し、翌年デビュー。以後、欧州各地の名門オーケストラを指揮。国内では2005年より兵庫県立芸術文化センター芸術監督、2008年より「題名のない音楽会」の司会も務める。2011年5月にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会へのデビューが予定されている。
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