8月の果て〔上〕
935円(税込)
発売日:2007/01/30
- 文庫
- 電子書籍あり
「文学に、少しでも心を寄せる者は、この作品にたいして、目も口も閉ざせないはずです。」――福田和也氏(週刊新潮「闘う時評」)。42.195キロの彼方から私を呼ぶ声。話題の作品がついに文庫化!
日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへ押し上げる。
目次
第一章 失われた顔と無数の足音
第二章 42.195km 4時間54分22秒
第三章 1925年4月7日
第四章 アリラン
第五章 密陽
川
第六章 初七日
第七章 三 七
日
第八章 百日宴
第九章 トルジャビ(初誕生日つかみ)
第十章 1929年11月24日
第十一章 風のなかの敵
第十二章 奠 雁
礼
第十三章 モンダル鬼神
第十四章 川の王子
第十五章 立春大吉
第十六章 1933年6月8日
第十七章 孫 基
禎 万歳! 朝鮮万歳!
解説 許永中
書誌情報
読み仮名 | ハチガツノハテ1 |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | 井筒啓之/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 560ページ |
ISBN | 978-4-10-122931-7 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | ゆ-8-11 |
ジャンル | 文芸作品、文学賞受賞作家 |
定価 | 935円 |
電子書籍 価格 | 935円 |
電子書籍 配信開始日 | 2021/11/12 |
著者プロフィール
柳美里
ユウ・ミリ
1968(昭和43)年、神奈川県生れ。高校中退後、「東京キッドブラザース」を経て、1988年、演劇集団「青春五月党」を結成。1993(平成5)年、『魚の祭』で岸田國士戯曲賞、1996年、『フルハウス』で野間文芸新人賞、泉鏡花文学賞、1997年、『家族シネマ』で芥川賞、1999年『ゴールドラッシュ』で木山捷平文学賞、2020(令和2)年、『JR上野駅公園口』で全米図書賞を受賞。著書に『ねこのおうち』、『南相馬メドレー』『飼う人』『JR高田馬場駅戸山口』など多数。
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