黒い雨
880円(税込)
発売日:1970/06/29
- 文庫
- 電子書籍あり
あの20世紀最大の悲劇を、坦々と、静かな語り口で後世に伝える――小説の力だ。
一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨”にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。
書誌情報
読み仮名 | クロイアメ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 416ページ |
ISBN | 978-4-10-103406-5 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | い-4-6 |
ジャンル | 文学賞受賞作家 |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 737円 |
電子書籍 配信開始日 | 2014/04/11 |
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どういう本?
タイトロジー(タイトルを読む)
「矢須子さんのあの日記、あそこのところ、省略した方が宜しいのじゃないでしょうか。あの頃なら、黒い雨のことを人に話しても、毒素があることは誰も知らんので、誤解されなんだでしょう。でも、今じゃ毒素があったこと、誰でも知っています。あそこのところを清書して出すと、先方で誤解するんじゃないでしょうか」(本書35ぺージ)
一行に出会う
一寸さきは地獄だぞ。焼け死ぬぞ。(本書125ぺージ)
著者プロフィール
井伏鱒二
イブセ・マスジ
(1898-1993)広島県生れ。本名、満寿二。中学時代は画家を志したが、長兄のすすめで志望を文学に変え、1917(大正6)年早大予科に進む。1929(昭和4)年「山椒魚」等で文壇に登場。1938年「ジョン万次郎漂流記」で直木賞を、1950年「本日休診」他により読売文学賞を、1966年には「黒い雨」で野間文芸賞を受けるなど、受賞多数。1966年、文化勲章受賞。
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