ヤッホーブルーイング

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ユニークな「定時退社協会」が話題。
自由度の高い社風に満足しています。

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株式会社ヤッホーブルーイング よなよなエールプロダクション ユニット・ディレクター 松本晶子さん

「よなよなエール」「東京ブラック」「水曜日のネコ」など、ユニークなネーミングのクラフトビールをヒットさせ、日本のクラフトビール市場を牽引し続けている、ヤッホーブルーイング。そのPR戦略もまた、とってもユニーク。昨年は、「定時退社協会」という架空の協会を作り、日本人の働き方に一石を投じました。そこで、ヤッホーブルーイングのプロモーション部隊を引っ張る、ユニット・ディレクターの松本晶子さんにご自身の働き方について伺いました。

――まず、松本さんのお仕事の内容を教えてください。

 私はよなよなエールの認知を獲得するためのプロモーション部隊のユニット・ディレクターをしています。私たちの部隊では、お客様を巻き込みながら、話題を作り、盛り上げることで、よなよなエールを知っていただく仕掛け作りをしています。具体的には、ウェブ動画を作ったり、SNSキャンペーンを行っていて、昨年はバイラル動画(口コミやSNSのシェア機能によって広められる動画)を3本リリースしました。

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――印象に残っている動画はありますか?

 やはり「定時退社訓練」ですね。私たちの会社はまだまだ小さいので、プロモーション予算も限られています。そこで、少ない予算で話題を最大化するために、うまく時代の波に乗ろうと考えて、これを思いつきました。プレミアムフライデーに絡めて発信したことで経済産業省の方からご連絡をいただいたり、想定しないような反響があったので、いま思い返してもいい仕事だったなと思っています。

――前職でもプロモーションをされていたんですか?

 この会社に転職してもうすぐ2年になりますが、元々は投資銀行で資金調達などのアドバイザリーの仕事をしていました。その後、化粧品のマーケティングと製品開発の仕事をしていたのですが、大きな会社ならではの難しさもあり、もっと自由度高くものづくりやプロモーションがしたいと思っていた時に、ヤッホーブルーイングの「前略 好みなんて聞いてないぜSORRY」というビールと出会ったんです。こんな飛びぬけた発想の製品を作る会社があるんだと求人を見たら、たまたま募集をしていて、縁があり入社しました。

――実際に入社してみて、第一印象と変わりはありませんか?

 根本的には変わらないですね。おもしろい会社だなと思うと同時に課題も多いなと感じます。まだまだ成長過程にあるベンチャー企業であることには変わりはありません。その分、自由度は高いです。私は自由じゃないと無理。きっと辞めちゃいます(笑)。

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――ところで、松本さんは会社でどういう1日を過ごしていますか?

 実は私、東京と長野の2拠点で生活をしているんです。以前から夫と長野に移住したいねと話していて、ちょうどこの会社に入社したのを機に、軽井沢に引っ越してしまいました。私のチームは東京と長野に半々くらいに分かれているので、週の半分を東京、残りは長野に行くという生活をしています。長野勤務の時は、午前8時半に会社に行き、午後5時半には車で帰ります。東京ではそれぞれの出勤時間が違うので、午前9時半過ぎくらいに出社して、午後6時半か7時にはオフィスを出るようにしています。

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抜群の環境にある長野県の醸造所。

――毎週1回、東京と長野を移動するのは大変ではないですか?

 新幹線で1時間ちょっとなので意外と近いですよ。移動時間も仕事をすれば勤務時間にできるというルールがあるので、新幹線の中で30分間集中して仕事をするとしたら、30分早くオフィスを出るようにしています。かなりフレキシブルです。

――そのような社風があるからこそ、定時退社というアイディアなんですね。

 みんなが定時退社をしているかというと、残業している人もいるのですが、やることがなければ早く帰ればいいというスタンスの会社なので、もはや定時退社しようと声高に働きかける必要がないのかもしれません。なかでも私はチームで一番帰るのが早いです。個人的に、上司は早くいなくなった方がいいと思っているので(笑)。私の部隊は、クリエイティブな仕事をしているので、その日やるべき仕事がないのであれば、早く会社を出て、インスピレーションを得るために美術館に行くなど、仕事のためにも英気を養って欲しいです。

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――松本さんは定時退社して、そのあとは何をしていますか?

 移動がない日は、家に帰って夕飯を作って、お酒を飲みながらお風呂に1時間ぐらい入ります。そのあとは、本を読みながら寝るという感じですね。東京と長野を行ったり来たりするようになってからは、環境の変化自体がリフレッシュになるので、家のことをやっている時間がリラックスタイムです。

――仕事を早く終わらせるために心がけていることはありますか?

 仕事でやらなければいけないことの洗い出しを頭の中で繰り返しています。優先順位に沿って、やることをやり、その日にやらなくていいことはやらないで帰るようにしています。集中力はある方で仕事は早いと自負していますが、いい意味で雑なのかもしれないです(笑)。あとは仕事に限らず、考えても仕方がないことはいつまでも考えないタイプです。例えば、仕事で失敗していつまでもうじうじ考えて作業効率が下がるくらいなら、考えないで帰った方がいいと思っています。

――前職でも定時退社をしていましたか?

 そうですね、どの会社でも率先して帰っていました。夜遅くにテンション低く仕事をしていても、あまり生産的ではないと個人的には感じるタイプ。いつも帰りが早いので、「颯爽と帰っちゃうよね」といじられることはありますが、そこは遠慮せず(笑)。

――『わたし、定時で帰ります。』のなかで、主人公の結衣が後輩に「定時に帰るは、勇気のしるし」と言うシーンがあります。松本さんにとって定時退社とは何ですか?

 定時退社は意志ではあると思います。会社に早く帰りにくい空気があると勇気が必要になると思うのですが、幸いヤッホーブルーイングにはそういう雰囲気はないので、意識の持ちようで早く帰れるようにはなると思います。

(取材・文 寺田愛)

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週の半分を長野で過ごすことは、大切なリフレッシュになっている。

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