前にやはり長く使用された可能性があるスタンプとして函館本線小沢駅のスタンプを取り上げたことがありました。小沢駅にアップされた2つのスタンプで、その可能性があるという指摘をいたしました。
　ひとつは「tt-museum」さんがアップされた昭和9年のもの、もうひとつは「新金沢文庫」さんの昭和37年のもので、少なくとも28年間は使用された可能性があります。そして「旅」昭和8年7月号にその小沢駅のスタンプが紹介されています。これによるとこのスタンプの使用開始日は昭和8年1月12日です。


▲（左上）投稿：tt-museumさん（右上）新金沢文庫コレクション
　この小沢駅の駅スタンプより長く使用されて可能性のあるスタンプを見つけました。石北本線遠軽駅のスタンプです。「日光牛車鉄道」さん昭和10年、「新金沢文庫」さん昭和33年と昭和35年、「otome-c56」さん昭和47年のスタンプの絵柄が同一です。
　いずれも最近のアップではないので、もっと早く気づくべきでした。遠軽のスタンプは「旅」昭和8年5月号に紹介されています。使用開始は昭和8年2月25日。「otome-c56」さんの押印は、昭和47年8月18日ですから、39年の歳月が流れています。さすがにかなり擦り切れています。このスタンプはいつまで使用されたのでしょうか。
　遠軽といえば巌望岩が有名ですね、この名所の麓で石北線（当時はまだ本線ではない）と湧別線が分かれていました。気になったのは「夕陽ヶ丘スキー場」です。スタンプにはその名称はありませんが、スキーヤーの姿があります。昭和47年にもこのスキー場が存在したのでしょうか。ネットで検索してみると遠軽駅から15分（おそらく車）のところにロックバレーという眺めの良いスキー場があります。これが夕陽ヶ丘スキー場の現在名なのかもしれません。

▲（左上）投稿：日光牛車鉄道さん（右上）新金沢文庫コレクション
　（左下）新金沢文庫コレクション（右下）otome-c56さん
　いずれにしても、説明があれば突っ込みもできるし、これで遠軽にスキー場があることを知ることができました。やはりスタンプの絵柄解説は必要ですね。

編集部　田中比呂之（ひろし）