『中央公論』7月号に「JR鶴見線ベニス化計画」という座談が掲載されています。副題に「鉄道を偏愛する3人がゆく 工場群と運河を巡るワンダーランド」とあります。偏愛する3人とは、水戸岡鋭治さん、梯久美子さん、原武史さんの3人です。
原さんが2人を誘って鶴見線を訪れたようで、水戸岡さんは鶴見線にかなり刺激を受けています。鶴見線から見える運河を見て、ベニスに飛躍するところはさすがです。「もうちょっと駅や車両に工夫を施せば、まさに工場群と運河を巡るワンダーランドを作れますよ」とおっしゃっています。
梯さんも発言から察するに初めてこの線を訪れたようですね。新芝浦や。海芝浦の海に突き出したホームに感動されています。余談ですが梯さんが鉄道を「偏愛」しているとは存じ上げませんでした。
気鋭の3人が鶴見線をつぶさに観察するとこうも刺激的な座談になるのかと思いました。また終着駅が3つもある(鶴見を入れれば4つ)ということをこの座談で気づかされました。水戸岡さんが本気で乗り出したら、本当にワンダーランドになってしまいそうですね。刺激を受けたい方は、是非読んでみてください。
▲左:鶴見 右:海芝浦
▲左:大川 右:扇町
私は同じ横浜市内に住んでいるということもあり、年に何回か鶴見線を訪れます。訪れるのは休日です。電車が少ないのが難点ですが、休日出勤した会社のような雰囲気が沿線に漂っているのが、気に入っているのです。もっと多くの人に知って欲しいと思う反面、そっとしておいて欲しいとも思います。コンビニもほとんど見かけません。そういえば弁天町の駅前にありますが(たしかファミリーマート)、なんと休日はお休みでした。
先週あたりからWebの鶴見線のページに旧国電の写真がアップされ、懐かしい気持ちもあり、この連休に南武支線も含めて訪ねてきました。その話をあるコレクターの方にお話をしましたら、貴重なコレクションを見せてくれました。鶴見線の前身、鶴見臨港鉄道の沿線案内です。地図と駅の案内が書かれたシンプルな沿線案内です。観光名所がほとんどないこの鉄道のこと、会社名、工場名が頻繁に出てきた、これはこれで面白い沿線案内です。個人的には野球場があったことに驚きました。
この沿線案内を肴に何回か鶴見線および鶴見臨港鉄道をご紹介したいと思います。
編集部 田中比呂之(ひろし)