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大特集 あまちゃんと三陸鉄道(4)北三陸と袖ヶ浜

 am4-m.jpgエッセイストの酒井順子さんが「小説新潮」平成24年10月号から「地震と独身」というユニークな連載を書かれています。その3回目に三陸鉄道の運転指令だった内舘さんが登場します。内舘さんは地震発生時に、白井海岸付近を走っていた列車に「停まれーっ、停まれーっ」と叫んだ方です。「あまちゃん」でも『さんてつ』でも緊迫のシーンとして描かれています。まさかこの声の主を取材されているとは。
◀『さんてつ』より

 酒井さんは「家族の絆」がこれでもかと強調された東日本大震災を、独身者の視線で描こうとされています。酒井さんには意表を突かれることがしばしばありますが、「地震と独身」もまた意表を突く作品です。来年2月に単行本として刊行される予定です。
 その作品の中に「久慈に泊った翌日は、早朝から三鉄に乗りました。三鉄の久慈駅にある立ち食いソバ屋さんで売っているうに弁当は美味しくて有名なのであり、朝からそれを食べて乗り込んだのは、昨日見た『てをつな号』。」という描写が出てきます。取材に同行した同僚の美人編集者(3人とも)によれば、通常の開店時間を15分早めてもらって、できたての「うに弁当」を食べたそうです、出張費で!
am4-2.jpg▲久慈駅 投稿:df200-7atさん
 「あまちゃん」では北三陸駅に「スナック梨明日」がありますが、現実の久慈駅にはこの「うに弁当」を売っている「三陸リアス亭」があります。編集部がお世話になっている駅弁愛好家の上杉剛嗣さんから「うに弁当」の画像をお借りしました。私は久慈に2度行ったことがありますが、食べたことがありません。「磯の香りがするウニを久しぶりに食べた気がします。ご飯の中にもウニが混ぜ込んであって、贅沢な内容だと思います」というコメントが上杉さんのWebに書かれています。さらに詳しくお知りになりたい方は、上杉さんのサイト「駅弁の小窓」をご覧ください。(うに弁当が紹介されているページはこちら
am4-1.JPG▲うに弁当 提供:上杉剛嗣氏
 久慈はウニばかりでなく、砂鉄と琥珀の産地でもあるそうで、昭和40年代までは、八戸線で川崎製鉄の製品輸送も行われていました。
am4-3.jpg▲堀内駅 投稿:df200-7atさん
 もうひとつ「あまちゃん」で重要な駅、「袖ヶ浜」こと堀内駅。ドラマには出てきませんが、久慈と堀内の間には、4つの駅があります。堀内はホームが1面の無人駅です。駅弁も売ってません。海を見下ろす高台にあり、ホームからの眺めは三陸鉄道でも1番だそうです。
am4-4.jpg▲海から見た堀内駅 投稿:df200-7atさん
 昨日も紹介しましたが、列車は観光客のために少し長めに停車します。なおロケ地の小袖海岸は、駅からかなり離れたところにあるので、訪問を考えている方は、お出かけ前に入念な調査をお願いします。

 さて明日は最終回ですね。

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sp-bn.jpg(C)Kouji Yoshimoto
編集部 田中比呂之(ひろし)

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