先日、臨時駅のことを書きましが、今日は廃駅について触れたいと思います。いずれも投稿写真があります。廃線になった路線には当然廃駅があります。ここで取り上げる駅は、まだ現役路線の廃駅です。もっとも最初に紹介する駅は、 岩泉線の 宇津野なので、かなり微妙です。現在休止中で、代行バスが走っています。
岩泉線の最初の開通区間は、茂市~岩手和井内間で、昭和17年のことです。戦後昭和22年に 宇津野まで開通。押角トンネルを越えたところに駅ができました。ところが1年後の昭和23年にアイオン台風のために半年間休止になります。そして再開後8年余りで廃止されました。「df200-7at」さんの写真は、押角トンネルを出てきた列車を捉えていますが、このあたりに 宇津野駅があったそうです。
▲投稿:df200-7atさん
手前の押角駅は、かつてスイッチバックだったり、秘境駅だったりして、かなり有名ですが、この 宇津野駅も廃駅ファンの人たちが熱心に訪ねているようです。ネット上にはたくさんの情報があります。
現在青い森鉄道の野内は、駅ページの写真を見ていただくとおわかりのように、郊外の新駅然としています。平成23年3月12日に現在位置に移設開業した駅です。東日本大震災の影響で、実際に営業を開始したのは3月14日だそうです。なので正確には廃駅ではありません。
▲(左)新駅 撮影:編集部 (右)旧駅ホーム 投稿:ハミングバードさん
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旧駅は1.6キロ野辺地寄りにありました。日本鉄道が青森に達した明治24年に遅れること2年後の明治26年の開業。かつて駅の南方にある上北鉱山から鉱石をこの駅までロープウェイで運んでいました。5月に訪れた時には、そのホッパーの痕跡が残っていました。
旧駅駅前は道路から緩いスロープを降りたところにあり、狭くも広くもない空間が広がっていました。駅舎がいつ撤去されたかはわかりませんが、新駅に移転するまでの、跨線橋に玄関をつけたような姿は、かなり異様です。
▲(左)旧駅 投稿:ハミングバードさん (右)旧駅 撮影:編集部
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函館本線上目名は、昭和40年代にSLを追いかけていた人たちにはあまりにも有名な駅でした。ひねくれ者の私は結局この山線で撮影することはありませんでしたが、もちろん上目名の存在は知っていました。この駅が昭和54年に廃止になっていたとは、実は平成になるまで知りませんでした。小樽~長万部間の昼間の希少な列車に乗った時、停車駅が足りないなと思ったのです。
▲(左)投稿:tunnel-no2さん (右)投稿:特急ビヤダルさん
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昭和53年10月2日改正の急行「らいでん4号」は札幌発岩内・上目名行きでした。倶知安~上目名間は普通ですが、急行の行き先にもなっていた駅が、なくなるなど想像できませんでした。
「特急ビヤダル」さんと「tunnel-no2」さんの写真は、昭和54年と55年でちょうど1年違いの駅舎、それも正面とホーム側から撮影されたものです。貴重な写真ありがとうございました。
「tunnel-no2」さん、ようこそ。ご挨拶が遅くなりました。ご投稿楽しみにしています。
編集部 田中比呂之(ひろし)