時刻表を熟読していた頃、臨時駅が開設されると、それなりに興味を持ちましたが、わざわざその臨時駅に行くことはありませんでした。どちらかというと特別なものより、日常を好む傾向があります。旅先でも日常を見たいという気持ちが強く働きます。
とはいえ、鉄道地図帳を編集してからは、臨時駅が気になる存在になったことも確かです。現在公開中の北海道・東北にも臨時駅がいくつもあります。
釧網本線に谷地坊主村(ATOKはこの5文字の漢字を一発変換しました!)という臨時駅がありました。釧路湿原(この時まだこの駅はなかった)と遠矢の間です。JR化直後の昭和62年8月8日と9日の2日間だけの営業です。何かのイベントがあったのでしょうか。
天北線の恵北と声問の間に東声問駅が昭和62年6月1日だけ営業したことになっています。稚内空港と関係があるようですが、詳細はわかりません。いずれ調査をして、駅の「案内」を書きたいと思います。
山田線の支線に宮古と宮古港(貨)を結ぶ臨港線がありました。昭和59年に廃止になりますが、JR化後の昭和62年7月から2年余り、廃線を利用して、夏休みや休日にSL(ラサ工業のC10)を運転。はまぎく、ミニ浄土ヶ浜公園前、うみねこ、という3つの臨時駅も開設されました。閉伊川に沿った廃線跡は、東日本大震災の際に津波にのまれました。▲投稿:特急ビヤダルさん(クリックするとポップアップします)
さらに仙台臨海鉄道仙台西港線には、東北博覧会前(臨)という駅が開設されましたが、これも昭和62年のことでした。7月18日から9月22日が最終日でした。▲投稿:小心火車さん(クリックするとポップアップします)
「特急ビヤダル」さんの写真を見ると、JR東日本と書いてありますね。
昭和62年は国鉄が分割民営化され、JRが発足した年です。まだ他にもJR関連の臨時駅があるかもしれません。変わらなければいけない、何かをしたい、というJRの気持ちが伝わってくるようです。
ちなみに10年後の平成9年には、「ゆめ交流博」というイベントが開かれ、ゆめ交流博(臨)という臨時駅も開設されています。この付近も残念ながら、津波によって大きな被害に遭っています。
▲撮影:編集部(2011.5.4撮影)
臨時駅も臨時列車同様、時代を映す鏡の役割を果たしていると言えそうですね。貴重な写真のご投稿ありがとうございました。
「特急ビヤダル」さん、ようこそ。今後のご投稿楽しみにしております。
編集部 田中比呂之(ひろし)