いとうせいこう現代語訳、ジェイ・ルービン英語訳、その醍醐味を柴田元幸・酒井雄二(ゴスペラーズ)両氏と語る一冊。

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#126 新潮社 総合メールマガジン「Mikazuki」2024/12/27
RECOMMEND BOOKS ―
書籍(単行本など)
雪夢往来
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渡邊永人/著 図書館を建てる、図書館で暮らす―本のための家づくり―
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新刊一覧
新潮社の本

650年の古典の神髄を新訳で、文学として読む。
美装本『能十番―新しい能の読み方―』発売!
いとうせいこう現代語訳、ジェイ・ルービン英語訳、その醍醐味を柴田元幸・酒井雄二(ゴスペラーズ)両氏と語る一冊。能とは、こんなに面白いものだったのか!
能十番―新しい能の読み方―
いとうせいこう/著 、ジェイ・ルービン/著

精選十の謡曲の詞章現代語訳英訳解説あらすじで650年の古典の神髄を味わい尽す。柴田元幸氏との鼎談「うたいを英語にする醍醐味」、酒井雄二氏(ゴスペラーズ)といとうせいこう氏の対談「世阿弥に学び、「芸人実感」で謡を考える」も収録。さらに、日本出版史に残る美しい光悦謡本からの装画(表紙には箔押し)&スリーブ函入、和綴の謡本を模した全頁小口袋綴造本という装幀技術を駆使した美装本『能十番―新しい能の読み方―』刊行いたしました。

初心者には知る躍動を、上級者にはふける悦楽を――文学として、音楽として、650年の古典の神髄が甦る。能という「文学」を、テキストで深く読む喜びを、ぜひ味わってください。

『能十番―新しい能の読み方―』
いとうせいこう、ジェイ・ルービン/著
【著者紹介】
いとうせいこう
いとうせいこう
1961年東京都生まれ。作家、クリエイター。早稲田大学法学部卒業後、出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどの分野でも活躍。1988年、小説『ノーライフキング』でデビュー。1999年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞。他の著書に『ワールズ・エンド・ガーデン』『解体屋外伝』『ゴドーは待たれながら』(戯曲)、『文芸漫談』(奥泉光との共著、文庫化にあたり『小説の聖典(バイブル)』と改題)、『BACK 2 BACK』(佐々木中との共著)など。2013年3月に刊行した16年ぶりの小説『想像ラジオ』は第35回野間文芸新人賞を受賞するなど大きな反響を集めた。古典芸能に造詣が深く、『曾根崎心中』の現代語訳や文楽、狂言の創作も手掛けている。能については習って11年ほど。
ジェイ・ルービン
ジェイ・ルービン
1941年ワシントンD.C.生まれ。ハーバード大学名誉教授、翻訳家、作家。シカゴ大学で博士課程修了ののち、ワシントン大学教授、ハーバード大学教授を歴任。芥川龍之介、夏目漱石など日本を代表する作家の翻訳多数。特に村上春樹作品の翻訳者として世界的に知られる。著書に『風俗壊乱:明治国家と文芸の検閲』『ハルキ・ムラカミと言葉の音楽』『村上春樹と私』、小説作品『日々の光』、編著『芥川龍之介短篇集』がある。英訳書に、夏目漱石『三四郎』『坑夫』、村上春樹『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『神の子どもたちはみな踊る』『アフターダーク』『1Q84』など。京都留学時代に、日文研で能楽研究会を主宰し、能楽について造詣が深い。
能十番―新しい能の読み方―
いとうせいこう/著 、ジェイ・ルービン/著

文庫
キャラヴァンは進む―銀河を渡るI―
沢木耕太郎/著 晴れの日散歩
角田光代/著 ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえりお母さん
信友直子/著 工藤會事件
村山治/著 財布は踊る
原田ひ香/著 ナルニア国物語2 カスピアン王子と魔法の角笛
C・S・ルイス/著 、小澤身和子/訳 紫姫の国〔上〕
沢村凜/著 紫姫の国〔下〕
沢村凜/著 戦車兵の栄光―マチルダ単騎行―
コリン・フォーブス/著 、村上和久/訳
新潮文庫
新潮文庫

「悩殺しなければ気が済まない」
思うままに男を操る銀座の女給・君江を描いた
永井荷風『つゆのあとさき・カッフェー一夕話』(新潮文庫)発売。
つゆのあとさき・カッフェー一夕話
永井荷風/著

「つゆのあとさき」が描かれた昭和初期、女給が客の隣に座って接待を施し、客は女給にチップを払うという、現代のキャバクラやラウンジのような「カッフェー」が氾濫するようになりました。永井荷風が描いたカッフェー「ドンフワン」もその一つであり、主人公の君江はそこでトップを張る超人気女給でした。

そんな、彼女を川端康成は「永井荷風氏の『つゆのあとさき』」で次のように評しています。

「主人公の女給だけは、類型を越えて生き生きと動いている。(中略)生れながらに娼婦の肉体を持ち、環境がそれに手つだって、無貞操で無恒心の生活に流れてゆく、近代都会の『ナナ』、恐らく作者はかの女を厭悪しながらも、世の因果な男達と共に、愛着せずにはいられなかったのだろう。」

さらに、本作を描き上げた永井荷風のことを、谷崎潤一郎は「『つゆのあとさき』を読む」で絶賛しています。

「この作品には、作者の虚無的な冷酷さが、在来の日本物にも見られない程度に強く出ている。そうして作者のそういう態度が、女主人公の君江という廃頽(はいたい)した女性を描くのに甚だよく調和している。つまり作者の心境と作者の描かんとする人物のそれとがピッタリ合った感じである。しかも作者は君江の性格や感覚の内部にまで立ち入っているのではない。その時その時の言語動作に附随する心持の説明はあるけれども、心理描写という所まで突っ込んではいない。」と畳みかけたように賞賛したあと、「そのそっけない乾いた書きぶりが一種の凄味を添えている。」とまで言い切っています。

「永井荷風氏の『つゆのあとさき』」(川端康成)と「『つゆのあとさき』を読む」(谷崎潤一郎)は、『つゆのあとさき・カッフェー一夕話』(新潮文庫)巻末に収録されています。二人の文豪が太鼓判を押す昭和のラウンジ嬢の物語は、最後の一行まで気の抜けない驚嘆のストーリーです。

『つゆのあとさき・カッフェー一夕話』
永井荷風/著
【内容紹介】
銀座の有名カッフェー「ドンフワン」でトップを張る女給君江は、うぶで素人のような雰囲気ながら二股三股も平気な女。そんな彼女の身辺でストーカーのような出来事が起きるが、君江は相も変わらず天性のあざとさで男たちを悩殺し、翻弄していく。しかし、にわかにもつれ始めた男女関係は思わぬ展開を呼び……(「つゆのあとさき」)。荷風が女給の身の上話を聞き取った小品「カッフェー一夕話」も収録。
【著者紹介】
永井荷風(ながい・かふう)
(1879-1959)東京生れ。高等商業学校附属外国語学校清語科中退。広津柳浪・福地源一郎に弟子入りし、ゾラに心酔して『地獄の花』などを著す。1903(明治36)年より1908年まで外遊。帰国して『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表し、文名を高める。1910年、慶応義塾大学教授となり「三田文学」を創刊。その一方、花柳界に入りびたって『腕くらべ』『つゆのあとさき』『ぼく東綺譚』などを著す。1952(昭和27)年、文化勲章受章。1917(大正6)年から没年までの日記『断腸亭日乗』がある。

新書
人生の壁
養老孟司/著 京都占領―1945年の真実―
秋尾沙戸子/著 私はこう考える
石破茂/著
新潮新書
コミック
怪獣自衛隊 17巻
井上淳哉/著 、白土晴一/企画協力 成瀬は天下を取りにいく 1巻
宮島未奈/原作 、さかなこうじ/構成 、小畠泪/作画 おひとりさまホテル 5巻
まろ/原案 、マキヒロチ/漫画
コミックバンチKai
くらげバンチ

話題の本から
書評
わたしの人生
岡野民/著
ダーチャ・マライーニ、望月紀子 訳
『わたしの人生』
(新潮クレスト・ブックス)
望月紀子/日本のお巡りさんになる
イタリアから日本へ向かう大型客船のなかで二歳になった女の子は、船酔いでだれも来ない食堂の大テーブルで、ひまなボーイたちに囲まれてゴチソウを食べていた。札幌行きの食堂車では、お菓子や果物を届けさせた乗客ににっこりお礼を言って、これも満喫。北海道大学の外国人教師官舎での朝食は紅茶にオートミール。京都の家では、日本人の乳母がご飯に味噌汁、干物や漬物を用意してくれた。キモノを着て、母親と銀閣寺でのお茶会に行き、和菓子を楽しんだ。自分も日本人だと思って成長していった。[→]全文を読む

地図なき山―日高山脈49日漂泊行―
角幡唯介/著
角幡唯介『地図なき山―日高山脈49日漂泊行―』
松永K三蔵/“野放図”の山行、探検家の誠実
元々、山には道なんてなかった。地図もなかった。それが本来の山、「裸の山」だとするならば、私は本当に山を知っているのだろうか。
地図を持たずに山に入る。そんなことを企てれば、殴られてでも家族から止められるだろう。それは明確な危険行為だからだ。街から近い低山であっても遭難する危険性は十分にある。登山道も必ずしも繋がっているわけでなく、途絶しているものもあれば、藪に誘いこむような踏み跡になっているものもある。[→]全文を読む
波 2024年11月号
 波 2024年12月号 より
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