21世紀のためのモネ入門 最新知見で探る、気配と物語に満ちた作品世界  国内で展覧会が多い西洋人画家といえば、ゴッホとモネがまあ双璧。オールドマスターと違って現存作品が多いというのが前提条件ではありますが、それにしてもこの愛されぶりはただごとならず。ゴッホはさておき、なぜモネなのか。その覇権のひみつに迫る画期的なモネ特集をお届けします。
芸術新潮
2024年11月号(定価1,500円)10月24日発売
芸術新潮メールマガジン[2024/10/24] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
21世紀のためのモネ入門
最新知見で探る、
気配と物語に満ちた作品世界
 国内で展覧会が多い西洋人画家といえば、ゴッホとモネがまあ双璧。オールドマスターと違って現存作品が多いというのが前提条件ではありますが、それにしてもこの愛されぶりはただごとならず。ゴッホはさておき、なぜモネなのか。その覇権のひみつに迫る画期的なモネ特集をお届けします。
 片や気鋭の若手研究者・亀田晃輔氏は、美術の評価システム自体をパラダイム転換させてしまった戦略家としてのモネの姿を、一次資料の再検討を通じて緻密に浮かび上がらせる。こなた現代美術家随一の論客・岡崎乾二郎氏は、僕はモネのファンじゃないんだけど……とぼやきつつ、作品に向かい合ううち何かのスイッチが入り、「兆候」を逃さないカリカチュアリストの感受性が可能にした表現世界を奥へ奥へと踏破する。
 晩年の作品群からなる「モネ 睡蓮のとき」が開催中(~2025年2月11日 国立西洋美術館)。全く新しいこの入門篇、鑑賞体験を格段に深めるはずです。
芸術新潮編集長 高山れおな
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最新号PICK UP
没入感のその先に
Don’t think. Feel! とブルース・リーは言いましたが、モネの絵に対峙して何かを感じたら、さらにその奥に、その先に、ひろがってゆく世界を味わってみてほしい。そんな、絵を見るヒントが得られる特集になりました。Feel, then think! [→]全文を読む
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●目 次

【特集】ムッシュ印象派 モネのすべて

| よみもの年表 | 旅した! 描いた!!
15分でわかるムッシュの86年

意外とおちゃめな巨匠の素顔 Anecdotes sur Monet

| MAP | ムッシュ印象派 旅の軌跡

  • 売れっ子への道
    ――ムッシュ印象派の華麗なるマーケティング戦略

    解説 亀田晃輔
  • 1 遊歩者としてのまなざし
  • 2 印象派展すったもんだ
  • 3 画商=批評家システムの誕生
  • 4 画家×作家 最強タッグで快進撃
  • 5 祖国フランスへの想い
  • 6 抽象画家の先駆けってほんと?
  • 印象派展全8回年表

| コラム |
1 網膜と筆触分割
2 みんな大好きジャポニスム
3 象徴派としてのモネ?

  • 開講! なにがすごいの?
    岡崎乾二郎流モネ鑑賞教室
  • 1限目 カリカチュア
    「兆候」を逃さない感受性
  • 2限目 《印象、日の出》《草上の昼食》
    未来を内包する映画的視覚
  • 3限目 2枚の「食卓」
    雄弁すぎる“朝ドラ”な絵
  • 4限目 妻カミーユの歩む道
    風景のなかにただよう徴(しるし)
  • 5限目 連作「ルーアン大聖堂」
    “顔色”のちがう風景と抽象絵画
  • 6限目 オランジュリーの「睡蓮」
    「わたし」を溶解させる装置

現地レポート
モネが夢見た120年越しのロンドン展

「モネ 睡蓮のとき」担当学芸員山枡あおいさんに聞く
ムッシュ印象派、最後の挑戦

展覧会案内


◆ Art News exhibition ◆

3分間から数千万年へ
Nerholがゆく時の地層

切迫した時間の中で
「夭折の画家」「戦没画学生」再考
文 木下直之

◆ Art News interview ◆

往きながら還っている内藤 礼のいま
聞き手 加藤木礼

◆ Review ◆

  • 真鍋大度
  • 石崎光瑤
  • 大西麻貴+百田有希 / o+h
  • 山下陽光

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈91〉
ショパール

時と光の美術館〈91〉SPECIAL
ヴァン クリーフ&アーペル

とんぼの手帖〈11〉
桃山の源氏物語

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈124〉
文 堀江敏幸

三浦篤×森村泰昌
キテレツ絵画の逆襲〈4〉
日本近代洋画を見つめなおす
山本芳翠の訛(なま)
ゲスト:日比野克彦

千住博の知となり肉となり〈16〉
この光が見えていますか?

山下裕二の
新・今月の隠し球〈34〉
深津真也(下)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈20〉
五代龍村平藏さん

幻々夢譚〈23〉
絵・文 と金

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈117〉

◇ PICK UP ◇

movie 佐々木敦
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈52〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

時と光の美術館SPECIAL
パテック フィリップ
自然と人間の叡智へのオマージュ

対談 生と向き合う
明治安田生命保険 取締役代表執行役社長
永島英器×小説家 川上未映子

戸田建設の
ARTが溢れる街づくり〈1〉
戸田建設 代表取締役社長 大谷清介

岩谷晃太が目指す「不易流行」
日本画、その先へ

おでかけシーズンがやって来た!
秋のアートスポット

異国情緒千年の歴史を紡ぐ
松浦史料博物館
至宝の古美術「修復の旅」

始めよう! NFTアートカレッジ〈8〉
Adam by GMO

連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈63〉
薬師寺《仏足石》

日本近代洋画のミカタ〈4〉
五姓田派のプリンス

ART CAFE
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GALLERY'S PLAZA

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芸術新潮 チケットプレゼント
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【1】「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」(東京)
青木野枝(1958年生れ)と三嶋りつ惠(1962年生れ)、大型インスタレーションで知られる2人の女性アーティストが、アール・デコ様式の邸宅だった東京都庭園美術館本館を舞台に競演。かたや鉄、こなたガラスと素材に違いはあれど、共通するのは光への関心。ガラスはともかく鉄に光とはこれいかにと思うが、青木はこれまで鉄を溶断する時にあらわれる内部の「透明な光」から、さまざまなインスピレーションを受けてきたという。[→]全文を読む
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【2】「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」(東京)
昨年3月にこの世を去るまで、日本のミュージック・シーンを牽引してきた坂本龍一(1952~2023)。1978年に『千のナイフ』でソロデビュー、同じ年に「Yellow Magic Orchestra」結成に参加し、1983年の解散後も多方面で活躍。1980年代から2000年代を通じて、多くの展覧会や大型メディア映像イベントに参画し、とくに2000年代以降はさまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考/実践してきた。[→]全文を読む
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― 今月のおすすめ本 ―
モネと印象派をもっと知りたい!
『大人のための印象派講座』
三浦篤/著
あなたはまだ本当の印象派を知らない
「お金」「女性」「名誉」……シビアな視点からあぶりだす、画家たちの知られざる実像。最新の研究成果を盛り込み、19世紀フランスに生きた彼らの姿を捉える!
『新生オルセー美術館』
高橋明也/編
オルセーの名品94点を徹底解説
開館準備室に在籍していた著者が、オルセーが誇る作品の中から、いま見るべき傑作を厳選。波乱の19世紀美術を辿ります。印象派の殿堂の全てが分かる決定版鑑賞ガイド! ◎とんぼの本
『原田マハの印象派物語』
原田マハ/著
原田マハが紡いだ七つの物語
名画誕生の陰には、画家たちの壮絶なドラマがあった。アート小説の名手が綴る愛すべき、愚か者たちの物語。モネが大切な時を過ごしたノルマンディーへの旅も。◎とんぼの本
『思わぬ出会いに心ときめく パリの小さな美術館』
原田マハ、川内倫子、都築響一、鹿島茂、隈研吾/著、芸術新潮編集部/編
個性派ミュゼで2度目3度目のパリを楽しむ
街中にひっそり佇む邸宅美術館に、郊外の現代美術系や古城美術館、マルモッタン・モネ美術館も。“ふだん着の美術館”で、かけがえのない時間を。◎とんぼの本
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