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情報の強者

伊藤洋一/著

770円(税込)

発売日:2016/02/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

ネット頼みでは弱者のまま。「情報弱者」に陥らないための超実践的情報処理術。

溢れるニュースに溺れてしまっては、「情報弱者」になってしまう。情報を思い切って捨て、ループを作る思考を持つことが、「強者」となる条件なのだ。「夜のテレビニュースは見ない」「大事件とは距離を置け」「新聞は“浮気”して読め」「ネット記事は『自己メール』で管理する」「情報は放出してこそ価値を増す」……多方面で発信を続ける著者が、具体的なノウハウを公開しながら示す、情報氾濫社会の正しい泳ぎ方。

目次
はじめに――情報の海で溺れないために
1 情報の拾い方
「特ダネ」が流れるのは午前3時
朝は「薄目あけ」で頭の準備体操をしておく
海外の情報に触れるには
デバイスは用途に合わせて複数持つ
不必要な情報を拾わない
本にはまだメリットがある
人に会うことこそ情報だ
「電車でスマホ」の功罪
自分にとっての「ラクダ」を探す
2 情報の読み方
新聞は遅い。が、侮れない
新聞はニュースの配置を読む
お気に入りの新聞を作らない
テレビとはなるべく付き合いを少なくする
毎年恒例のニュースはすぐ捨てよう
大きな事件が起きたらニュースから離れろ
日本は海外の事態を大げさに伝える
海外のニュースで情報を相対化する
ニュースから国の主張を読む
日本の新聞は「内向き」だ
ネットの記事は「自己メール」でメモする
ネット情報に溺れるな
情報の土台を定めておく
タイムラインは雑多で極私的
快楽情報に溺れるな
3 情報のつなげ方
情報のループを作る
ループ作りを前提に情報を評価する
情報には前後関係がある
「ベタ記事」にこそ注目する
「常識を壊す小さなニュース」を発見する
既存の情報とのズレから書き換えを行う
知らない世界のニュースを積極的に読む
専門家を選ぶ基準
専門的なニュースは語源から確かめる
ループ作りのベースには論理性が必要
4 情報の出し方
紙の資料はとっておかない
アウトプットが脳内を整理する
情報は惜しまずに放出する
アウトプットが発信力を強化する
アウトプットは情報を捨てること
毎日何でも幅広く書く
写真や映像もアウトプットしておく
井戸端会議気分で発信をするな
注目されたい欲求を抑える
「昼の常識」が働かない危険を自覚する
「論理よりも言葉」に気をつけ「流す勇気」を持つ
おわりに――「よそ者」の視点を持とう

書誌情報

読み仮名 ジョウホウノキョウシャ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610657-6
C-CODE 0236
整理番号 657
ジャンル ビジネス・経済
定価 770円
電子書籍 価格 770円
電子書籍 配信開始日 2016/05/27

蘊蓄倉庫

特ダネは午前3時に流れる

『情報の強者』の著者、伊藤洋一さんは毎朝午前3時にいったん目を覚まして、海外の市場や日本の新聞のサイト等をチェックするのが日課になっています。なぜ午前3時かといえば、その理由の一つは「特ダネ」のニュースがアップされるのがこの時間だから。他社が後追いしても絶対に朝刊に間に合わないこの時刻に、力の入った「特ダネ」「独自ネタ」が並ぶことになっているのだそうです。
 新聞社のスクープ記事をネットで見る際に、配信時間に注目してみると面白いかもしれません。
掲載:2016年2月25日

担当編集者のひとこと

強者の心得を知る

 本書の著者、伊藤洋一さんは、テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍なさっています。伊藤さんがメイン・パーソナリティをつとめている「伊藤洋一のラウンド・アップ・ワールド・ナウ」を私もポッドキャストで愛聴しています。1週間のニュースをざっと知っておくのに、とても便利なのです。
 この番組で、驚愕のスクープの類を知ることはできません。
 あまり極端な話も耳にできません。
 伊藤さんならではの鋭い分析、コメントは聴けるのですが、それは決して突拍子もないものではありません。
 その理由について、本書の中で、伊藤さんはこう説明しています。
 ――自分は、「専門家」の中でも、極端なことを言う人、無闇に恐怖を煽ったり、異常に景気のいいことを言う人を信用しない。そういう人は単に目立ちたがっているだけではないか、と思うようにしている。
 なるほど、確かに、そう考えると腑に落ちる「専門家」がたくさんいます。
 さらに、伊藤さんは専門家の選び方として「現場に行っている人」を重視する、とも語っています。だから、かつての所属組織と揉めた挙句に辞めて、決定的に関係が悪くなったがゆえに、その内部からの情報を得られなくなっているような人は、あまり重視しない、と。
 これもまた、なるほど、と顔が浮かぶ「専門家」がいるように思えます。そういう人の話は面白いけれども、結構バイアスがかかっていることが多い気がするのです。
 本書には、氾濫する情報をバランス良く摂取するための具体的なアイデアが多く列挙されています。
 いつの間にか「情報弱者」になっていた、なんてことにならないためには必読の1冊です。

2016/02/25

著者プロフィール

伊藤洋一

イトウ・ヨウイチ

1950(昭和25)年長野県生まれ。三井住友トラスト基礎研究所主席研究員。早稲田大学政治経済学部卒業。金融市場からマクロ経済、特にデジタル経済を専門とし、現場に赴いての分析・思考を本領とする。著書に『ほんとうはすごい!日本の産業力』など。

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